913. 新規ギルド支部建設
裏社会の制圧も終わり、表の方の責任者とも話がついたため、ギルド評議会は新規ギルド支部の建設に取りかかりました。
僕の錬金術士ギルド支部も新市街東区域に建てられ始め、忙しくなってきています。
僕は聖獣を使って早く建築ができますからね。
急いで済ませてしまいましょう。
「かーっ、聖獣がいると建築が早いのなんの」
僕が様子を見に来ていたときにやってきたのは建築ギルドマスターです。
数日で立派な建物ができていく様を見て、呆れ半分、驚き半分といったところでしょうか。
まあ、できるのは外装だけなんですが。
「内装はお願いしますね。細かいところの作りは聖獣の得意とする分野ではありません」
「それだってそっちを得意とする聖獣がいるんだろう? 似たようなもんだぜ」
まあ、そっちが得意な聖獣もいます。
ただ、彼らは体が小さいため、放っておくと自分たち基準の階段やドアを作ってしまうんですよね。
そこはしっかり説明しておかないと。
「ふーん、聖獣ってのも万能じゃないのか」
「万能な存在なんて存在しませんよ。必ずどこかに欠点があるはずです」
「お前がそれを言うかねぇ。とにかく、この建築現場は大丈夫だろう。ほかの建築現場にも聖獣たちが現れてるが、あれもお前の差し金か?」
ほかの建築現場?
僕はここしか命令していないはずですが。
ああ、ひょっとすると……。
「聖獣たちが新しい遊び場を欲しがっているってのか……」
「その可能性が高いですね。いままで新市街は悪党がのさばっていたために近づけませんでした。それがいなくなったので、各ギルドを拠点として新しい遊び場を探しに行っているのかもしれません」
「本当に、聖獣どもは暢気だな」
「そういう性質があるから仕方がありませんよ」
ともあれ、聖獣たちが建築を手伝っているのでしたら予定よりも早く建築が終わることでしょう。
そうなると、西のボスから頼まれているもうひとつの議案についても、早めにまとめて提出する方がいいかもしれません。
まったく、忙しいことこの上ないですね。
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