波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ
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ハンガリー出身のピアニストであり、作曲家。リストは超絶的な技巧を持つ当時最高のピアニストで「ピアノの魔術師」と呼ばれ、どんな曲でも初見で弾きこなした。その技巧と音楽性からピアニストとして活躍した時代には「指が6本あるのではないか」という噂がまともに信じられていた。彼の死後、彼を超えるピアニストは現れないだろうと言われている。
指が長く12度の音程も軽々と押さえることができた彼は、10度を超える和音が連続する曲を作曲している(後にそれを8度に改訂している曲もある)。 彼の曲には両手を広げての4オクターブの音が多用された。また速いパッセージ*でも音数の多い和音を多用した。「ラ・カンパネッラ」に代表されるように両手のオクターブ跳躍、ポジションの素早い移動も多いが、その兆候は処女作の「12の練習曲」作品1の第6曲で既に見られる。
二つの伝説S.175は、三年かけてローマで作曲された。このころのリストは信仰心が深まっており、宗教曲を書き、そして僧籍に入っている。アッシジのフランチェスコとパオラのフランチェスコ(英語版)という二人の聖人にまつわる伝説を音化したものである。
第一曲は「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」。第二曲である「波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」は、
トレモロ*、
*パッセージ:器楽曲で旋律音の間を急速に上行、下行する経過的な音符群
*トレモロ:単一の高さの音を連続して小刻みに演奏する技法
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