第48話 家づくり。
48.家づくり
「どうですかね?村長。」
「ふむふむ。こんな感じの家を建てるのかの?」
縦横10メートル、高さ2~3メートルの小さな小屋。
小さいといっても独身の一人部屋ぐらいの広さはある。十分に人が住める広さの小屋だ。
それを村長に見せてこんな感じでどうですか?と話していた。
「そうですね...。ある程度の大きさとかは決めてあるんですが、部屋数とか希望を聞いた方がいいんでしょうか?」
「そうじゃのう...。聞くのはいいんじゃが、あれもこれもとなるとケイ殿が大変だしのぉ。ケイ殿の負担次第かの?」
「そうですねぇ...。」
どのぐらいの大きさの家がいいんだろうか...。
うーん、独身と家族がいる家庭で家の大きさは変わってくるだろうし。子供が何人かによって部屋の数とかも変えたいだろうし...。
「そういえば聞きたかったんですけど。」
「なんじゃ?」
「村で定期的に報告会とゆうか...会合と言えばいいのか集会と言えばいいのか......そうゆうのってあるんですか?」
「おー、そうじゃのう。昔はしてたんじゃが最近は集まる暇もなくてやっておらんかったのう......。そうじゃな、今は村も安定してきておるし集会を再開するかのぉ。」
「その集会の時に何ですけど、村での困りごととか相談ってしています?」
「しておるが......ケイ殿が何か相談あるのかの?」
「そうですね...。家をどんな風にするかの意見が聞きたくて。ある程度の形は決めれるんですが、人数によって部屋数も変わってくるでしょうし。後は何軒作ればいいのか決めたいので、村の人の正確な人数が知りたいです。」
「そうじゃのぅ、それじゃぁ明日出来るだけ村のみんなを集めるようにしようかの。」
「はい、お願いします。俺はある程度の家の材料を先に集めておきますね。」
「手伝いはいらんのかの?」
「えぇ、スキルで一気に集めちゃおうと思ってます。」
「分かったのじゃ、無理はせんようにの?」
「はい。」
そういって俺は村長とわかれる。
どれぐらい必要になるかわかんないけど頑張って木とか集めますかぁ...。
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と、ゆうわけで次の日だ。
朝の準備を終えてクスラを頭の上にのせつつ村長がみんなを集めてくれた集会に出た。
集会で話した内容は事前に決めていた通り俺のスキルで家が作れるようになったからその報告とどんな家がほしいかに家の配置について、それと村人の人数の確認だ。
スキルで家を作れることに関してはかなりいい感じに受け入れてくれた。自分達の住む家を自分達で作りたい気持ちがあるかと思っていたが、家を作るのに人手を取られていて他の作業が出来ていなかったようだ。
それぐらいこの村は人手不足だ、そのまま村人の人数を数えたんだが俺とクスラを含めて46人しかいなかった。
3人家族が5つ、15人。独身の若い人が18人。おじいちゃんおばあちゃん夫婦が5組の10人。そこに俺とクスラと村長を含めて合計46人だ。
村長の奥さんはずいぶん前に亡くなっていたらしい...。子供もいないとのことだ...。
子供が二人いる家庭がいないのは前の村だと育てる余裕がなくて家庭に子供は一人までと決めていたそうだ。
多くても育てられない、少ないと生きてはいけない。今更だけどかなりきつい現状で生きていたんだなと思った...。
だけど......今は村には余裕が出来てきていてこれから子供が増えていくだろうと、村長が話していた。
そのためにも早く家を作らないとな...。
どんな家が欲しいかの話しも集会でしたんだが、みんなとくに希望はないみたいだった。とゆうよりどんな家を建てたいみたいな想像が出来ないみたいだ。
なので家はもういっその事、同じのを何戸も建てる事にした。
個性が無くなるがそこは我慢してもらおう...。
家の配置についてはどう決めるか悩んだ。村人のみんなはどこに家が建っていようが気にしてないからだ...。
村長と話しても、村長自身が村の構造やどうすれば便利かの知識があるわけじゃないので決めれなかった。
もちろん俺にもそんな知識はない。
なので家の配置は結構適当に決める事になった。
今現在の家の配置は、街にいく門が北だとして。反対側の南のど真ん中に俺の家がある。
村の中心には水汲み場があって近くには氷室もある。後は村人の家がばらばらに規則性もなく建っている。
なのでまずは村長の家を俺の家の横に建てて、街でゆうところの領主の屋敷みたいな配置にする。
そこから北に延びるように水汲み場への道を通して両側に家を建てていく。
建てる家は全部で29戸だ。3人家族の5戸。独身の人の18戸。老夫婦の5戸。
それに村長の家だ。
村長の家の予定地から水汲み場へ伸びる道を挟んで家を10戸づつ。合計20戸をまず建てる。
水汲み場からを越えて北側のほうへ門までの道を挟んで4戸づつ合計8戸。でおしまいだ。
取り合えず分かりやすいように水汲み場を中心に十字に道をイメージした感じだ。
畑も残りの開いている位置に移し替える。
そこまでみんなで話して決めた。住む家は建ってから各自好きなとこに入るとのことだ。
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「それじゃぁケイ殿よろしく頼むのじゃ。」
「はい、早速建てていきますね。」
集会での話しあいを終えてみんな自分の用事をしに帰っていったのでこれから家を建てていく。
クスラは昨日と同じようにティナちゃん達、子供達と遊んでいるのでここには俺と村長だけだ。
クスラが子供達と仲良くしていてその様子をみて村人のみんなにも受け入れられているようでうれしい。たまにクスラを撫でている大人の村人を見かける。
まずは村長の家だ。村長の家なので立派な物を作りたいと思う。それに今日は集会するのに水汲み場に集まったが本当なら村長の家に集まるらしいので大き目につくって集まれる場所を確保するつもりだ。
家を作る参考にするのに改めて俺が神様にもらった家を見る。
木造の一軒家。地球にいた頃ならなかなかのいい家だと思う。CMとかで流れてそうなモデルハウスっぽい広さはある。
俺が神様からもらった家は2階建てなんだが、村長の家は平屋にしてほしいとのことだ。村長は年寄なので階段は辛いらしい。
まずはアイテム袋から昨日集めた家の材料を取り出す。木に結界に属性を付与して取り出した石材だ。
それを村長宅予定地に山にしていく。
材料を山にしたら次は錬金スキルだ。平屋の一軒家を想像して念じる。
「それじゃぁ行きますね。」
村長に一声かけてスキルを発動する。
『構築』
うぐ...ぬぬぬぬぬ......。さすがにかなりマナを使う感覚がする。一軒家は大きすぎたのか...?
マナを吸われる感覚を感じながら山にした材料をみるとうにょうにょと動きだし形を作り上げていく。
「おおぉ!」
村長の驚いた声が後ろから聞こえるが今は答えてる余裕がなかった...思った以上にマナを吸われている。
ぐぬぬぬぬう......。
マナを吸われる変な感覚に耐える事数分やっと家が出来た。
「ふぅ...結構きつかったな...。」
目の前には平屋の一軒家。昔の日本の家みたいな感じだ。
どれぐらいMP使ったんだろう?えっとたしかMPだけを確認できたよな...。最近使ってないから忘れかけてる......。
MP 47/180
お、出た出た。残り47か。133MP使ったのか...毎秒1づつ回復するとしても結構使ったなぁ。
最近はこんなに一気にMP使う事が無かったからなんだか新鮮な気分だ。
「ケイ殿、大丈夫かの?」
おっと、村長がいたんだった...。
「はい、ちょっと思ったよりもマナを使ったのでびっくりしただけです。とりあえず中を見てみませんか?」
「大丈夫ならいいんじゃが、そうじゃの中を見てみるかの。」
村長を連れて完成したばかりの家の中にはいる。
玄関の木引き戸を開けると土間がありここで靴を脱ぐ、左手に家への入り口があり廊下が続いている。玄関から入って正面は土間が続いており炊事場がある。
平屋を想像して作ったので自然と昔の日本家屋みたいになってしまった。
「これはなんじゃ?」
村長は見たことない炊事場が気になるようだ。
「ここは炊事場ですね。これがかまどで、ここは水回りです。」
今回水回りどうしようか悩んでいたが作る事にした、水汲み場の排水溝につなげて川へと流すつもりだ。
地球にいた頃は生活用排水が問題になっていたので異世界であるここで作るのをどうするべきか悩んでいたが、悩んだ所で結局必要なんだし作る事にした。
村では生ごみなんかは畑の肥料にしてるので排水溝にゴミが流れる心配もないしな...。
「取り合えず中に入りましょうか。」
「おぉ、そうじゃの。」
村長を促して土間から廊下へ入る、そのまま少し進んで左手に居間への入り口がある。
「ここは居間ですね。」
「ほうほう。」
村長を連れてルームツアーをする。
居間からは外が見えるようになっていて縁側もある。ガラスはないので代わりに木の引き戸が取り付けてある。
ガラスってどうやって作るんだろう...?某マインするクラフトゲームでは砂から作れたけど......。錬金の構築で作れたりするんだろうか......?今度試してみるか...。
居間を通りすぎ、奥には自由に使える部屋が2部屋ある。寝室にするか客間にするか。何に使うかは村長に任せよう。
集会に使う部屋は居間を想定しているので居間は20畳ほどの大き目の部屋になっている。
「どうですか?」
一通り見て回ったので居間で話しをする。
「うむ、いい家じゃのう。ありがとうなのじゃケイ殿。」
「いえいえ。それじゃぁ他の家も作ってきますね。」
村長を完成したばかりの家に残して外へでる。
そういえば家具とかってどうするんだろう...?自分達で作れるのかな?後で村長に聞いておくか...。
「んー。っはぁ...。」
大きく伸びをして体を伸ばす。
残りの家も作っていくかー。
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