第40話 依頼の確認。

40.依頼の確認








「おう、邪魔するぜ。」

そういってルガードは一軒家の扉を開けて中に入る。


「おや?どちら様かな?」


「依頼を受けてきた黒の冒険者のルガードだ。あんたが村長だな? 依頼の確認にきた。」


「おお!来てくれましたか!ささっこちらへお座り下さい。」


「おう!」

そういってルガードは窮屈そうに椅子に座る。


今更だけど馬車の中でルガードに身長を聞いたんだが。知らないってゆわれたので何となく測ってみた。

測る物がないのでおおよそだが、身長は2メートル30から50ぐらいだった。ずっと3メートルはあると思ってたが。背が高くて筋肉ムキムキで最初のインパクトが強くてずっと、もっと身長があると思ってた。

流石に身長が3メートルもあったら日常に支障をきたしそうだしな...。

そんなわけでルガードはぎりぎり一軒家に入れる大きさだった。



ちなみに今ここにはルガードと俺しかいない。他のメンバーはそれぞれ別の用事をしに行った。

フェイは周辺の見回りに。アキリスは回復魔法が使えるので、けが人がいないか聞きに行った。

ドリスは自分の道具のメンテナンスを。ネレは何か美味しい物がないか探しに行った。

シューは村の外で待機だ。従魔登録はしてあるし、ちゃんとゆうことは聞くんだが、魔物だし。でかいし、で村の中に入るほうが何があるかわからないので外で待機らしい。門番がシューに驚いててちょっとかわいそうだった...。


椅子に座った村長とルガードと俺。これからどうするのかな?って思っているとまた家の扉が開いた。

「依頼を受けた冒険者が来たって聞いたが。」


初老に差し掛かった男性が来た...。この人がこの村に在住してるってゆう冒険者かな? 恰好がそれっぽい。


「おう、来たか。話しを聞かせてくれ。」


「わかった。」

そういって初老の男性はルガードの前に座った。


「まずは、自己紹介からといこう、俺はレナートだ。」


「ルガードだ、横のこいつはケイだ。」


「よろしく頼む、それじゃ現状分かっている事を話していくぞ。」


「おう、頼む。」


「今回見つかったのはオークの群れの巣だ。大体100から150ぐらいは確認できている、上位種については一体はいた。巣の場所はここから歩いて半日ぐらいのところにある。巣は崖にできた洞窟の傍にあって、外には通常のオーク、洞窟内から上位種が出てきたのを確認している。何か質問はあるか?」


「ん~、オークの巣の周りで気を付ける事とかあるか?」


「そうだなぁ、村からオークの巣へいく途中にはよく薬草を摘んでいる場所があるから、出来ればオークは村のほうへ近づけない様に倒してほしい。全部倒せとは言わないから出来ればでいい。」


「わかった。気を付ける事はそれだけか?」


「あぁ後は、特にないが。オークの巣の周辺は一応こっちで調査して何もないことを確認しているが。前回確認したのは5日前だ、今はどうなっているかわからないから気を付けてくれ。」


「わかった、明日調査してそのままオークの巣に行く。」


「了解した。こっちは新人の教育で手伝う事はできないが、何かあればゆってくれ。」


「あぁ、それじゃぁ今日はもう休む事にする。」


「わかった、俺はまだ村長に今日の事を報告するからここに残る。この村に宿屋は無いから泊まるなら村にある広場で野営するといい。」


「助かる、それじゃ。」


「おう、オークはよろしく頼む。」


そういってルガードは立ち上がり出て行こうとするので俺もついていく。

外に出ると空が赤くなっていてもうすぐ日が落ちるのがわかる。


「それじゃぁ野営の準備するか。」


「そうだなぁ。」






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「ここだな。それじゃ準備するぞー。」


「おー。」


村の外で待機していたシューと馬車を村の中へ入れてすぐそこにあった広場へ連れて行く。

村の中は入ってすぐが畑で、その向こうに家が立ち並んでいる。畑の規模はそこまで大きくなく、村の中で消費できる量だけを生産しているようだ。


ルガードはテントを立てているので、こっちもアイテム袋から野営セットを取り出す。

野営セットには二人が寝れるほどの大きさのテントに、椅子。机がある。

テントは布にいくつかの棒が引っ付いていて、それをつなげて形を作るようだ。


後はキャンプするときのテントと一緒で地面に杭を刺して固定する形だ。


ハンマーが無いな...。結界で叩くか。

カンカンカンっと。杭を刺す深さってどれぐらいがいいんだろうか?大人になってからキャンプしてないからわからない...。子供の時に親に連れられていったキャンプでテントをたてたときぐらいしか記憶がない。


ルガードの方を見ると手で杭を叩いている......。痛くないのかな?


「戻ったよ~。」


「おかえりー。」


テントをたてているとフェイにアキリスにドリスにネレが帰ってきた。ちょうどみんな揃ったようだ。

フェイの手には周辺で狩ってきたのか鳥みたいなのを3匹ほど持ってる。


「野営の準備してるんだね?」


「あぁ、今日はここに泊まるらしいよ。」


「そうなんだ?じゃぁ私達は晩御飯の用意するね~。」


「テント建てなくていいのか?」


「私とネレは馬車で寝るからいいのよ。」

それじゃぁね。そういってフェイはご飯を作りにいった。多分、手に持ってた鳥が晩御飯になるんだろう...。


アキリスとドリスは二人でテントを建てている。どうやら二人で一つのテントみたいだ。


「よいしょっと。」

これで完成かな?テントに椅子に机。それぞれ出来上がった。


椅子に座って休憩しよう...。


「ふぅ。」

水袋を取り出し水分補給をする。


明日にはオークの討伐かぁ。ちょっと緊張してきたな...。

レベルを上げるためにゴブリン倒したり、お肉が欲しくて牛を倒したが。あの時は空中から安全に倒してたから緊張することはなかった。

だけど今回は他にも人がいての戦闘だ。自分だけなら空中にいたり、全身を結界で包む事もできるが他にも人がいればすぐにはできそうにもない。そんな緊張感がある。


「ご飯できたよー!」


「よっしゃ!待ってたぜ!」


ネレの掛け声でルガードが待ってましたと声を出す。ドリスとアキリスも設営が終わったのかご飯がかけられた焚火の方へ来た。

俺も椅子をもって焚火に近づく。


今日の晩御飯は汁物に焼き鳥だ...。これさっきの鳥か...?


「それじゃいただきまーす。」

まずは鳥肉をっと。


うむ...。味付けは塩のみだが肉質は柔らかく肉汁がぶわっとでてきておいしい。

汁物も肉の出汁が出てるところに塩で塩分調整されていておいしい。

そういえばこっちの世界で初めて鳥肉を食べた気がするな?鶏肉なのか鳥肉なのか...。

まぁ細かい事はいいか...美味しいし。


その後は雑談しながら食事を進めていく。

フェイによると周辺は特に何も異常がなかったようだ。野草やキノコ、夕食にも出てきた鳥など。この辺は豊なようだ。

アキリスは何人かの村人を治療したらしい。今は冒険者だがもともと司祭なので立ち寄った村でよく同じ事をしているとのことだ。

ドリスは十分にメンテナンスが出来たようで。明日の準備はばっちりだと。

ネレはこの村にはあんまり美味しいのなかったーふつうー!ってゆってた。


最後にルガードがさっき聞いた冒険者からの話しをして共有していた。

俺はルガードと一緒にいたし特に話す事はなかった。







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日が落ちて焚火も消えた頃。フェイとネレは馬車内に入り。ドリスとアキリスもテント内にはいりもう寝てる頃だろう。

俺は自分のテント前の椅子に座りのんびり空を見ていた。

空には月があり星も輝いている。

そういえばこっちの月も地球と似たような月なんだよなぁ。


「おう?どうした?寝れないのか?」

空を眺めてボーっとしてるとルガードがやってきた。


「あぁ...なんてゆうか少し緊張しててな。」


「がっはっは!なんだそりゃ!」


「いやぁ、誰かと一緒に魔物を狩りに行くってのが初めてだからさ。不思議な高揚感があってさ。」


「なるほどなぁ。楽しみか?」


「あぁ、楽しみだな。」


「そうか。ならよかったぜ。」

そういってルガードはニヤッと笑う。


「ルガードは緊張とか......しなさそうだな。」


「あーまぁな。最近は緊張する事なんてほとんどないなぁ。でも冒険者になり立ての頃はいっぱい緊張したぜ。」


「へぇ...意外だな。ルガードはずっとそんな感じだと思ってたよ。」


「そんな感じってどんな感じだよ。」

ルガードは笑ってる。


「いつも豪快でその腕でなんでも吹っ飛ばしそうな感じ?」


「がはは!そりゃある意味あってるな!」


「やっぱりなぁー」

そういってお互いに笑い合う。




「そろそろ寝ろよ?明日起きれなくなるぞ?」


「あぁ、そうだな。寝る事にするよ、おやすみ。」


「おう、おやすみ。」


ルガードの会話を終えてテント内に入る。

テント内には何かよくわからない毛皮を敷物にしてその上に寝る感じだ。


寝る前に防具の洗浄を使っておくか。

防具に魔力を流すと一瞬白く光って汚れが落ちる。


便利だなぁこれ。


防具を脱いで湿らせた布で体を拭いていく。テントに入る前に濡らしておいたんだ。

体を拭き終わったのでアイテム袋から枕を取り出す。森の家を出るときに持ってきた。枕が変わると寝れないわけではないが。せっかくアイテム袋があるんだし入れて持ってきた。


よし、寝るかー。




頑張れ、明日の俺。







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