第38話 依頼の内容。

38.依頼の内容








「オークの巣のせん滅?」


「あぁ、せん滅とゆうか討伐とゆうか。まぁ巣を潰す感じだな。」


「魔物って巣を作るのか?」

普通の動物なら巣を作りそうだが、魔物ってマナから突然生まれるイメージだったが...そんな魔物が巣を作るのか...?


「そうだな、魔物がどうして発生するかは知ってるよな?」


「マナから生まれるんだろ?」


「あぁ、一般的な知識ではそうだな。だが、詳しく話すと。マナ溜まりから魔物が生まれるんだよ。」


「あー......なるほど? マナから生まれるんだったら街中で突然生まれたりするもんな。それが無いってことは。何かしら理由があったわけか。」


「その通りだな。街中でマナ溜まりが出来ないように、気を付けているらしいぞ?どうやってるのかは知らないが。そうゆうのに詳しいのはアキリスだな。」


「アキリスが?」

そういってアキリスの方をチラッとみる。


「えぇ、私は魔物についての研究をしてまして。何か疑問があればお聞きください。」


「そうなんだ。わかった、何かあれば聞く事にするよ。」


「えぇ、いつでもどうぞ。」

そういってアキリスはほほ笑む。


くっ...。渋いかっこいいおじさんに微笑まれると何がとは言わないが心にくるものがあるな...。


「それで...?マナ溜まりから魔物が生まれるのはわかったが、どうして魔物が巣を作るんだ?」


「あぁ、マナ溜まりが大きくなるとその分生まれる魔物が増えて、さらに上位種の魔物が生まれることがあるんだ。」


「なるほどなぁ。」

マナのエネルギー的な物が多いとそれ相応の魔物が生まれるって事だな...。


「それでな? 同一の魔物が増えると群れ始めるんだ。上位種がいようがいまいが...な。」


「つまり行って調べるまでは規模とか、上位種がいるかはわからないって感じか?」


「そうだなぁ、規模はある程度わかってるぞ。そうじゃないと依頼出す時に依頼金の設定が出来ないからな。後、どのクラスの冒険者に依頼をすればいいかもわからないしな。」


「ふむふむ。そうゆうのって誰が調べてるんだ?」


「あー、色々あるが。今回は村にいる冒険者だな。」


「ん? 冒険者がいるなら......ってそうか。いても対応出来なかったのか。」


「あぁ、村に在住している冒険者ってのは大体が駆け出しと引退間近の冒険者だけだからな。」


駆け出し......?ってイメージでは大きい街にいって薬草集めからやってる感じだと思ってたが。それに引退間近の冒険者か、それって大丈夫なのか...?

「村に駆け出しがいるのか?」


「おう、引退が近い冒険者が自分が住んでた村に帰ったり、引退間近の冒険者でも来てほしいって村にいってな。そこで冒険者目指してるやつに指導とかしてるんだよ。それに、村での依頼なんてのはゴブリンの討伐だったり、薬草集めだったりで。簡単な物ばかりだしな。今回みたいに対処しきれないのは大きな街まで依頼がきて。俺たちみたいなのがでばってくるってわけだな。」


「へぇ...。大きい街には駆け出しっていないのか?」


「いる事にはいるが、少ないなぁ。大きい街には既に薬草採取などの駆け出しがする依頼ってのはやる奴がある程度決まってるからな。ギルド側が依頼受ける数を調整してるし、採取する場所も縄張りみたいなのがあるし。新規でやるには大きい街はほとんど無理だな。」


「えぇ、そうなのか...駆け出し冒険者って大きい街にいくと思ってたわ...。」


「昔はそうだったらしいが。村で何かあった時に冒険者がいないと対処が遅れるってことになってな。少しづつ引退間近の冒険者が村に移り住むようになったんだ。引退間近といってもゴブリン程度なら余裕で倒せるし。裏打ちされた知識ってのはすげえもんだぜ。俺もそうやって村で先輩の冒険者から教えてもらってから大きい街に行ったもんだ。」


なるほどなぁ、考えてみれば納得する話しだな。

大きい街に行ったからといって自分にあった依頼があるとも限らないし。田舎から出てきて都会で騙されるとかもあり得るのかな?

そう考えると自分が住んでる村に先輩の冒険者がいるのは心強いのかもなぁ。

それに住んでる以上何かしら魔物の被害はありそうなもんだし。そんな時に村人で対応なんて出来るわけもないか...?でも村って狩人とかいそうだけど。そうゆうのとは違うのかな?冒険者って。


「それで、今回の依頼で倒すオークはどれぐらいの規模なんだ?」

まだ気になる事はあるが、これ以上聞くとどんどん話が脱線していきそうだった。


「おう、大体100体ぐらいの群れだな。」


「えっ...?」

え?100体...?この6人で...?

いや...まぁでもルガードは黒の冒険者だし。他のみんなは白の冒険者だし。割と余裕なのか?

「オークって弱いのか?例えばゴブリン並みとか?」


「いや、全然?」


「え? それはオークって強いって事?」


「俺たちからすればまぁ、危険な事になる事なんてないが。そうだなぁ...。オークを一体、安全に怪我なく倒そうと思えば。銀の冒険者が5人はいるんじゃないか?」


えぇ...それって結構強いんじゃないのか...?

銅の冒険者で一般人から、少し強くなった一般人ぐらい。

銀の冒険者は初心者を卒業して、安定して冒険者をできるレベルらしいからな...。


そんな人達がオーク一体倒すのに5人いないといけないのか...?


「何だか不安になってきた...。」

そういって俺はため息をつく。


「まぁそうゆうなって、今回の依頼は俺たちなら十分安全にやれるような奴だよ。」


「そうそう、私達に任せなさい!」


「えぇ、お任せください。」


「まかせてー!」


グッ


不安がっているとルガードにフェイにアキリスにネレにドリスが、ぞれぞれ力強い言葉をくれた。

ドリスは親指出してグッとしてるだけだったが。何か喋れよ...。


まぁそうだよな...ルガードとか竜と戦えるレベルだし、オークぐらい余裕か...。

何だかそう考えると気持ちに余裕が出来たかも。


「そういえば...。いきなりオークの巣に行くのか?」


「ん? どうしてだ?」


「いや...。連携の話しとかもしてないし。どっかで何かと戦って確認したいなって。」


「おう、村に着いたらオークの巣の調査するついでに、なんか適当なの探して連携の確認しようと思ってる。」


「あー、ならいいか。わかった。」


「おう、んじゃちょっと休憩してから片づけていくか。」


「「「「「了解ー。」」」」」


みんなで返事をして。それぞれくつろぐ。


何か茶葉にお湯いれた。紅茶みたいなのを飲む。

......うむ、砂糖が無いからなんか変な感じ。甘いのが飲みたい。やっぱり砂糖は高いんだろうか?

うーん...ふぅ...。


あ、そういえば。

「なぁルガード。」


「あ? 何だ?」


「シューを撫でてもいいか?」


「おう、いいぞ。いっぱい撫でるといい。」


「おう、じゃぁ撫でてくる。」

そういって席を立ち馬車から解放されて、草原に寝そべっているシューに近づく。


ノソッ


ビクッ...。シューが顔を上げてこっちを見ている。クマの様な顔、額に白い模様があり。メッシュの様になっている。クマみたいだが顔は愛嬌がある。


お、おおう。やっぱシューはでかいからちょっと怖いな...。そういえばシューは言葉がわかるんだよな?


「シュー。撫でてもいいか?」


フシュッ


シューは鼻息を吹くとそのまま寝なおした......ので近づいて触ることにする。


さわさわ


うーむ、なんてゆうか思ってたよりも毛が固めだが、これはこれで癖になる。

このまま首元をわしわしする。シューを見ると目を細めて気持ちよさそうにしてる。


「お~、ここが気持ちいいんかぁ~。」

言いながらもわっしわっし撫でる。


「おお~気持ちええで~。」


「そうか~気持ちいいか~。」

わしわし撫で続ける。


「ん...?」

違和感に、撫でる手が止まる。


「ん~?何でやめるん?」

シューが顔を上げてこっちを見てくる。


「え?」

シューの顔を見る俺。


「え...?」

きょとんとするシュー。






「「え?」」







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