第31話 冒険者ランク。
31.冒険者ランク
ルガードと一緒に屋敷を出ていきそのまま冒険者ギルドへ向かう。
大通りを歩いていると改めて感じるが、人種の幅が広いなぁ。
見てわかるだけでも、エルフにドワーフに様々な種類のケモミミの人達に、普通の人。見た目は子供っぽいがきちんとした装備をつけているところからあれで大人なんだろうなと思える小人種族っぽい人、ルガードみたいに背がめちゃくちゃでかい人もいるな。
そんな人達が服屋をやっていたり、小物類を売ってたり。串にお肉さして売ってたり。賑やかだな。
歩いていると漂ってくる美味しそうな匂い...お腹がすいてきたな...。朝から濃密な時間を過ごした気がするが、まだお昼前なんだよな...。
「どっかでお昼にしないか?」
隣に歩いてるルガードへ話しかける。
「んあ? あー、そうだな。ギルドの酒場でいいか?」
ギルドの酒場かぁ、治安が良くなさそうだが...。
ルガードがいるなら平気かな? 見た目怖いから絡まれなさそう。それにギルドカードの更新もしないといけないしな。
「それでいいよ。」
「んじゃ行くか。」
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ルガードと世間話をしながら歩いていき冒険者ギルドへとついた。
「酒場で昼飯を注文しとくから、先にカードの更新にいくといいぞ。」
それだけゆうとルガードはさっさと酒場の方へ歩いて行った。
えぇ...。まぁいいか。先に済ませちゃうか。
それにしてもカード更新の話しって伝わっているんだろうか?
もやもやしながらも受付の列に並び少し待つ。
自分の順番が来たのでカード更新の話しが伝わっているか聞くことにする。
「ご用件はなんでしょうか。」
「ギルドカードの更新に来ました。話し伝わってますか?」
ギルドカードを受付の人に渡しつつ話しを聞く。
「はい、ケイ様ですね。ギルドマスターがお会いになりたいそうですがお時間は平気でしょうか?」
受付の人はギルドカードをチラッと見ると要件を伝えてきた。
ギルドマスターが会いたい...? なんだろう。
とりあえず話しは通ってるみたいだし安心したけど。
まぁドラゴン倒したことに対してだと思うけど...。 会ってみないとわかんないか。
お腹すいたんだけどなぁ。
「まぁ、時間は平気ですけど。どうすればいいですか?」
ここにギルドマスターが来るんだろうか?
「それでは案内しますので、係の者についていってください。」
そういって受付の人は後ろで何か別の作業をしていた人に目配せする、すると後ろで作業してた人が受付から出てきた。
「では案内します。」
それだけいってさっさと歩きだそうとする。
「あ、あのすいません。この後ルガードとそこの酒場で食事をするつもりでして、ギルドマスターのところに行くならそのことを伝えたいんですが。」
何も言わずにいったらよくないしな。
「こちらで伝えておきます。」
案内をしてくれる人はチラッと酒場をみてそういった。
ルガードって言ったけど、伝わるんだな...やっぱ黒の冒険者って有名なのかな?
「まぁ、それなら。お願いします。」
「はい、ではついてきてください。」
そういって歩き出した。
そのまま受付のカウンターの横の廊下を歩いていくと、途中で階段がある。そこを上っていくようだ。
偉い人ってなんで上の階にいるんだろうね? 後、廊下の先がどこにつながってるのか気になる。
2階に上がると人が3人ほど並んで歩けるほどの廊下に高価そうな絨毯がひいてある。 廊下にはひし形の明かりがついていて右に壁と扉、左は手すりになっており、ここから一階の受付と酒場が見える。
そのまま廊下を少し歩くと右も左も壁になり、少し前方に両開きの大きなドアが見える。扉の大きさから少なくともギルドマスターは普通の身長だとわかる。
「ギルドマスター、ケイ様をお連れしました。」
案内してくれる人が扉をコンコンと叩きそのまま扉を開け中にいるであろうギルドマスターへと声をかける。
「入りなさい。」
お? 声だけきくと女性みたいだな。
「失礼します。」
ギルドマスターの部屋へ入るとまず目に入るのはその尻尾だ。
ふっわふわのもっふもふのでかい尻尾が目に入る。
次に顔に目が行く、綺麗な金の瞳、金の長い髪。妖艶な顔つき、見ていると吸い込まれそうだ。
その頭上にはピンと立ったもふもふしたキツネ耳が生えている。耳の先が黒くなっているな。
尻尾は一本しかみえないし、九尾ってわけではないか...。
でもなんてゆうんだろう、圧を感じる。強者の気配とゆうか...。何か不思議な物を感じる。
案内してくれた人は俺が部屋に入るのをみると扉を閉めていったし、どうしよう。こっちから何かゆうべきか?
「少し待って。この書類で、きりがいい所だから。そこに座ってて?」
そういって彼女は座ってる机の前にあるソファを指す。
「はぁ、わかりました。」
とりあえず少し座って待とう。
おぉ...。 なんだこのソファ...めっちゃ体が沈み込む。 校長室のソファみたいだな。 これも偉い人特有のやつなのかな? なんかやたら体が沈むソファが置いてあるの。 このまま寝れそうだ。
ギルドマスターの部屋の中にあるのは壁には本があり、花を活けている壺に。高そうな絨毯。 壁際にはお茶のセットやお菓子の用意してあるのが見える。
あの花は何なんだろうか? 当然見たことない花だ...。 赤い花びらに、青い茎。
花の種類には詳しくないのでなんの形に似てるかはわからない。でもまぁパッと見たところ普通の花だな...。
ギルドマスターが座っている近くの壁には扉があり。部屋が続いているようだ。
「ふぅ、待たせたわね。」
ボーっとしてると書類の処理が終わったのか椅子から立ち上がりこちらにくる。
そのまま目の前にあるソファに座る。
ギルドマスターが着ている服は和風の着物みたいな感じで、露出は多くないはずなのに何故か色っぽい。
ってか着物あるんだな...異世界物でよくある日本っぽい土地があるのかな?
「それで、会いたいって話しでしたが。何か用です?」
「まぁそう慌てないで? お茶飲む? いい茶葉が入ったのよ。」
そういってギルドマスターは壁際に置いてあったお茶セットを間にある机まで持ってくる。
ギルドマスターが何か唱えるとポットの上に水の玉ができる。湯気が出ていることから熱湯なのが分かる。
熱湯って魔法で出せるんだ...。
そのまま熱湯の玉をポット内に入れそこに茶葉を入れる。そしてポットを手に持ちゆらゆら揺らしている。
お茶に詳しくないので淹れ方があってるかはわからないが、いい匂いがする。茶葉の匂いかな? ふわっとかおる匂い。
少し待ってギルドマスターがポット内のお茶をコップに入れる。茶器ってゆうのかな? 紅茶とか入れそうな入れ物。
「はい、どうぞ? 熱いから気を付けてね。」
「いただきます。」
受け取ったお茶を少しずずっと口に含む。
ふむ... 熱い。 当然だった。
紅茶に近いのかな? でもかなり甘い。砂糖とか入れてないんだけどな...。
「甘いでしょ? 品種改良をしたそうなの。最近できた物でまだあまり流通してないのよ?」
お茶を飲みながら考えてたら、また顔に出たのか考えを読まれた...。もう隠すのは無理なのかな...。
それにしても普通に入れただけで甘い紅茶か。品種改良ってすごいな...。
「それで、あなたを呼んだ理由なんだけど。」
「あ、はい。」
紅茶のんでちょっとまったりしてたら呼ばれてたのを忘れてた。
「あなた今回ドラゴン倒したでしょう? 報告はイオーン辺境伯の方から連絡がきているから嘘じゃないのはわかるわ。でもねぇ、あなたそんな装備で戦ってるの?」
イオーン辺境伯...。あ、クラリエさんの事か。 ずっと名前で呼んでたから一瞬わからなかった。
それに装備ねぇ...まぁ確かにゆわれるよな...むしろ今までなんで突っ込まれなかったんだろう?
俺の今の恰好は半そでのシャツに長ズボン、アイテム袋だけとゆうびっくりするほど一般人だ。 おおよそ冒険者には見えないだろう。
恰好といえば、ギルドマスターの恰好も気になる。
その和服のどこから尻尾が出てるんですか...?
「まぁいいわ。あなた確かケイってゆうのよね? 私の名前はツバキよ。よろしくね?」
ツバキ...椿...か。やっぱり日本風な場所があるのかな? 神様と会話したときに聞いたけど。何人か転生してきてる人いるっぽいし日本人がなんかしたのかねぇ。 醤油や味噌はあるんだろうか...。欲しい。
「はい、よろしくお願いします。」
「それでね、ケイ。今回あなたがドラゴンを倒したことで、その実力は十分にあること。それから街を救う事になったこと。それを評価してケイを金のランクまであげるんだけどね? 大丈夫? 覚悟はできてる?」
「覚悟...?」
何だろう何かあるのかな?
「冒険者ランクが上がるとゆうことはそれ相応の義務が発生するわ、その分優遇されることもあるんだけどね? ケイにはその覚悟があるのかしら?」
義務...何だろう。
「例えばどうゆう事があるんですか?」
「そうねぇ。まずはランクによっては強い魔物が出たときに指名依頼とゆう形でお願いされることがあるわ。その代わりと言っては何だけど。ランクが高ければギルドの資料を優先的に見れたり。物資の支援など。優遇されることも多いわ。」
強さによってか...ランクである程度戦力が分かるってことか。
「最高ランクって何色なんですか?」
「ん~? あなたギルドカード発行するときに説明受けなかったの?」
「カード貰うとき、ルガードに絡まれましてね。面倒事は嫌だったので逃げたんですよ。」
「はぁ。あぁ、そういえばそんな報告があったわね...。まぁいいわ。説明するとね。下から、銅、銀、金、白、黒、青とあるわ。青が最高ランクね。お金の価値の高さと一緒よ。それは知ってる?」
「お金と一緒ってのは知ってましたが、一番上が青だとは知りませんでした。」
ルガードって黒の冒険者ってゆってたよな...。上から二番目なんだな...。
俺で金ってことは黒や青ってどれぐらいの強さなんだろう?
「まぁそうよね。一般人じゃお金は使っても金までだもの。青貨なんて国同士でしか使わない単位よ。」
「ルガードは黒の冒険者らしいですけど。黒や青の冒険者ってどれぐらいの強さなんですか?」
気になる。
「そうねぇ。 黒の冒険者は単独で秘境まで行って帰ってこれる強さよ。ケイが今回倒したドラゴンやそれ以上の魔物と単独で戦える強さね。 青の冒険者だけど...ランクとしては一応あるけど。今まで青の冒険者になった人は片手で数えれるぐらいしかいないわ。その強さはもはやはかることなんて出来ないと言われているわ。青の冒険者の一撃は国を一つ滅ぼすほどだといわれてるわ。だから実質一般的には黒の冒険者が最高ランクね。」
一撃で国を...やばすぎるだろうそれ。どんだけ強いんだ...?
ってかルガードの黒の冒険者ってすごかったんだな...。
「今って青の冒険者っているんですか?」
いないでほしいけど。
「一人いるわ。アレーナ・フェリテン。全てを終わらせる青。そう呼ばれているわ。」
いるんかぁぁぁぁぁ...。しかもなんか中二病っぽい二つ名まで...。
「何てゆうか。すごそうな二つ名ですね。」
「えぇ、まぁね。それでケイは金の冒険者としてやっていくことができるのかしら?」
「まぁ出来ることはしますよ。ただここには住んでいないので、指名依頼とかいつでも受けれるわけじゃありませんけど。」
「あら? どこに住んでいるの?」
あーやっぱゆわれるよな。まぁいいかギルドマスターだし。
「ここからずっと南行ったところですよ。」
「南...? 確か南には村がひとつあったわね。そこに住んでるのね?」
「いえ、そのさらに南です。」
「さらに? そんなとこに村はなかったはずだけど。ケイ、あなたどんなとこに住んでるのよ。」
「あー。」
まぁいいか。
森の奥で一人で住んでたこと。獣人種の人達と一緒になって住み始めたこと。そして流れで外壁を作ってちゃんとした村にしていこうとしていることを話し。それでここには住んでいないのでクラリエさんに指輪の魔道具をもらったことを話した。
「なるほどねぇ。そんなことになってたのね。それじゃぁその指輪にギルドのも登録しましょう。」
えぇ...逃げれないじゃん...。話さなきゃよかった...。
さっさと登録しましょう。
そういってツバキさんはA4サイズほどの板を持ってきて俺の指輪を受け取ると板と接触させてマナを流してる感じの事をしている。
板には指輪にもついていた模様や記号、宝石に溝が付いており。見た感じ指輪の機能をでっかくしていっぱい使えるようにした感じだ。
「はい、これでいいわ。左から二つ目に登録したわ。」
そういってツバキさんは指輪を返してくれた。
受け取りたくねぇなぁ...。いつでも指名依頼されるってことだろ...?
「はい...。」
「ふふっ。そんな嫌そうな顔しないで?」
顔に出ちゃってたか...はぁ...。まぁいいや。かかってきても出なければいいんだしな。
そういえば今二つ登録してあるが。もし、クラリエさんのところに宝石がセットされてるときにツバキさんからかかってきたらどうなるんだろう?
気になったので聞いてみた。
「あぁ、それはね。勝手に宝石が動いてくれるから心配しなくてもいいわよ?」
ほぉ、便利なんだなぁ。
あー、それにしてもいい加減お腹すいてきた。
「話しは終わりだったりしますか?お腹すいてきて。」
「えぇ、もういいわよ。ケイの人柄が見たかっただけだから。」
人柄ねぇ...。短い時間だったけどなにか感じる物でもあったのかな? ギルドマスターだからこそ見えてくるものとかがあるんだろうか。
「じゃぁ失礼しますね。またいつか。」
「えぇ、またね。」
残ってた紅茶を一気に流し込み立ち上がる。そのまま扉を開け部屋から出ていく。
あー、お腹すいたなぁ。ルガードちゃんと注文してくれたかな?
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