第29話 お隣さん。

29.お隣さん







クラリエさんはお茶を優雅に飲み、たまにスコーンっぽいのを食べてる。

ルガードは満足したのかうたた寝してる、こいつ何でここにいるんだ?


部屋にはまったりとした空気が流れている。


「それで? 結局、魔物が攻めてきた原因が隣国だって言ってたけど。どうゆうことなんだ?」

このままゆっくりしていてもいいが、話しを聞かないと終わりそうにないし。続きを聞いてみる。


「あら? 結局聞くの?」


「あぁ、無理やりにでも巻き込むんだろう? その代わりと言っては何だがなんにも知らないから詳しく頼むよ。」


「えぇ、わかったわ。」

そういってクラリエさんはお茶を飲み一拍おいてから話し始めた。


「私たちが今住んでいる国は、リーデン王国。多種多様な人種が住んでいて比較的平和に暮らしているわ。時々争いがあるけど、大体が国外が原因ね、今回のもその一つよ。」


比較的平和か...。どこと比べてなのかわかんないけど、平和なのはいいことだ。

それに多種多様な人種は俺も実感していたな。この辺境にもいろんな人達がいた。

辺境だから色々いるのかな?


「そして今回原因と思わしき隣国、ゲルツ帝国とゆうんだけど。その国では人族こそが至上とされていて人種差別のひどい国なのよ。そんな国だからこそ、なにかとこっちの国を敵視していてね。 はぁ...頭の痛い話しだけど、こうしてゲルツ帝国が原因と思わしきいざこざがたまにあるのよ。」


なるほどなぁ、地球にいた頃読んでた話しでは。宗教とかも人族至上主義で危ないのが多かったな。

この世界で宗教ってどうなってるんだろ?


「宗教ってどうなってるんです?」

わかんないことは聞いてみよう。


「宗教...? あぁ宗教で人種差別しているところがないか気になるのね?」


察しがいいな...。

「まぁそうだね。」


「宗教は大まかに3つあるわ。人族至上主義の宗教と、創造神宗教と。その他にも辺境ではよくある、精霊を崇める宗教。 ゲルツ帝国は当然、人族至上主義宗教ね。 リーデン王国は創造神が主に主流だけど、このへんの辺境では精霊の宗教と半々で混ざってるわね。」


なるほどなぁ、思ったより分かれてるんだな。

まぁゲルツ帝国は絶対に行かないことに今決めたけどな。差別多いいとことかやだし。


「それで、よくない噂ってのは?」


「違法な魔法実験よ...。  昔、魔法の実験が盛んだったころに各国が自国の研究を進めるために道徳や人権的によくないことが起きたのよ。人体実験に死者蘇生。大規模な自然破壊...。そんなことがあってね、その時に主要国が集まって決めた法律があるの。それを破ってゲルツ帝国は人体実験しているって噂ね。」


人体実験...。マッドサイエンティストがいるってことか...。

「研究内容は分かってるのか?」


「大まかにわね、人間と魔物との融合、魔法生物、キメラと言われる物を作っていると聞いてるわ。」


キメラか。やだなぁ触手とかうにょうにょしてるんだろうか。


「キメラか...。でもそれがどうして今回の件につながるんだ? 別に今回キメラ出てきてないだろう?」

空からパッと見てただけだけど、普通の魔物ばっかりだった気がする。ドラゴンも普通だったし。


「えぇ、そうね。今回攻めてきていた魔物は全部普通だったわ...。 ただし、ドラゴンだけは違ったわ。ドラゴンは住処を決めるとそこから動かないと言われているのよ。攻めてきたドラゴンはこの近くで確認されていたドラゴンで間違いないとおもうわ。見た目が報告されていたのと一緒だったわね。だから、ドラゴンが街に攻めてくる事なんて、こっちから手を出さない限りないわ。」


ドラゴンが街に攻めてこない?それは...

「ドラゴンの知能が高いからとかなのか?」


「えぇ、そうね。なかには意思疎通ができるドラゴンがいるほど知能が高いと言われているわ。そんなドラゴンが街に攻めてきた事が問題なのよ。こちらから手を出すことは絶対にないし。考えられるのは隣国よ。」


「でも、どうやってドラゴンを誘導したんだ?」


「恐らくそれはね...あぁちょうどよかったわ。」

部屋の扉が開き、鎧を着た騎士が何かもってきたようだ。

「これよ。」


そういって机の上に置かれたのは、丸く草色をしている、何かの繊維がすごく絡まってできた何かだ。


「これは何なんだ?」


「ドラゴン避けと呼ばれる物よ。秘境にしか生えていない特殊な草を薬師が混ぜ合わせたものね。かなり高価な物だから一般の人が入手することはない草よ。それに作り方も貴族にしか伝わっていないし、騎士達にドラゴンの住処を調査するようにゆっていたのよ。案の定あったわね。」


ドラゴン避け...。そんなに効果があるものなのか? 特に匂いとかはしないが...。


「これがドラゴン避けで恐らくこれで誘導したのは分かったが、それでもゲルツ帝国が用意したとはわからないんじゃないか?」


「この草の材料がゲルツ帝国の領土でしかとれないものなのよ。それにこの国では禁忌とされていて、持ってるだけで死刑の草よ。」


持ってるだけで死刑とかこわっ...。

それにゲルツ帝国でしかとれない草か...。そりゃ疑われるのも仕方ないな。


「まぁ大体の話しは分かった。けど、それって国同士の問題だよな? 俺が何かできるのか?」

いくら何でも個人が国同士の争いに手を出すのはまずすぎる。


「えぇ、そうね。単純に戦力が欲しいのよ、何かあった時のためにね。あなたのレベルがいくつかは知らないけど。ドラゴンを倒せる戦力ってゆうのはいると安心できるものよ。」


なるほど...。レベルってみんなにあるんだな...。ルガードはドラゴンとやりあってたよな? どれぐらいレベルがあると真正面からドラゴンと殴り合えるんだろう?


「ルガードはレベルいくつなんだ?」

ちらっとルガードの方を見るとうたた寝から目覚めたのかお酒を飲んでいた。


「あぁ? 俺か? あー、まぁいいか。俺は今87レベルだ。」


なんか言いにくそうだったけど...。

「もしかして聞くのって良くない感じか?」


「まぁ、そうだな。戦力を把握されるってのは自分の命に直結するからな。よほど親密じゃないと教えあわないな、特に低レベルだとそうゆう傾向があるな。」


低レベルだと...か。

「レベルが高ければ違うのか?」


「あぁ、レベルが高くなってくるとそれ相応のスキルを持ち始めるからな。レベル差なんてあってないような物だ。レベルが高くなればなるほどスキルの方を隠したがる。」


なるほどなぁ。そういえば俺ってさっきドラゴン倒したからレベルあがってたよな?今いくつになってるんだろう。

確認しておくか。




名前:ケイ   15歳

LV 10→36

HP46/46→HP98/98 MP76/76→MP180/180

体:24→76

力:17→69

魔:38→142

守:14→66

速:24→102



スキル 言語理解  結界術Lv4→結界術LvMAX  錬金Lv1




 !?めっちゃレベルあがってる...。

しかもなんか結界術はレベルマックス表記になってるし...錬金まで覚えている...。どうなってるんだ?これ







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