第27話 貴族との会話。

27.貴族との会話







やだなぁ、今すぐ逃げ出したい。なんでこんなに睨んでくるんだよ...。この3メートルの巨体め!



外壁に降り立ち結界を解除すると騎士に囲まれ、3メートルの鬼の巨体のおっさんには上から見下ろされ。

お姫様っぽい貴族の人には物凄い顔で睨まれていた。



「あー、手を出さないほうがよかったですか?」


「はぁ、まぁいいわ。何か身分を証明出来る物は持っていて?」

お姫様にため息を吐かれた...。


アイテム袋から冒険者ギルドのカードを取り出し差し出す。

騎士の一人が受け取り、検分しているが顔が何かしかめられている、他の騎士に何か耳打ちしていて、何か言われた騎士はそのままどこかへ行った。

ギルドカードを検分していた騎士は見終わったのかお姫様に渡すようだ。


「ふぅん、ケイ...ね。 何?あんた銅の冒険者なの?」


「あぁ? 銅だと? どうゆうことだ!?」


うわっびっくりした、急に大きな声出さないでほしい...。

「銅の冒険者ってなんですか?」


「何よ、知らないの?」


「えぇ、まぁ。 ギルドカードを作った時にそこの人に絡まれてて怖かったのでカードだけ受け取って逃げたんです。」

そういって俺は3メートルの巨体を指さす。


「あぁ! お前あんときの奴か!道理でどっかで見たことあるわけだ!」


「ルガードあんた、何したのよ?」


「なんもしてねえよ!」


仲よさそうだな...。

「それで、あなたは誰なんですか?」


騎士達が一瞬殺気立つがお姫様は気にした様子もなく話し出した。

「私はここの領主、辺境伯の娘、クラリエ・イオーンよ。」

クラリエさんは髪が金髪のストレートで瞳も金で、細く白い肌、だけどしっかりとした筋肉がついた体をしている。

ドレスアーマーの様な物を着ており、お姫様感が強い。純白のドレスに銀色の鎧が数か所、急所を守る様についている。見た目には防御力が低そうだが、ファンタジー素材でも使っているのだろうか? 見た目以上に防御力とかがあるとかじゃないとこの見た目じゃおかしい。

あと、関係ないけど。くっころとか言いそう。


辺境伯...か。想像通りお姫様だったな。

3メートルのおっさんの方をチラッと見る。


「あぁ? 俺はルガードだ。」

短髪の赤髪に角が一本生えている、鬼の様な見た目だが顔は普通の人族だ。

今にもはじけそうなムチムチの筋肉を革と金属を合わせた鎧で着込んでる。

武器は3メートルの巨体に見劣りしないほどの大きな斧だ。片刃で刃の部分がうっすらと赤い。何かの不思議素材なのかな?


じろじろ観察していると先ほどギルドカードを見て何か言われた騎士が戻ってきた。そのままさっきギルドカードを検分していた騎士に何か耳打ちすると。耳打ちされた騎士はクラリエになにか耳打ちしている。


まぁ突然現れた俺が怪しいのは認めるが。目の前でこうされると、少し嫌な気分になるな...。仕方ないことだが...。


「確認がとれたわ、どうやら嘘は言ってないようね。 ふぅん。ついてきなさい、続きは屋敷で話すわ。」

そういってクラリエさんは返事も待たず歩き出した、後ろをルガードもついていってる。


「はぁ...。わかりました。」

何てゆうか人を従え慣れてる動きだな...。さすがお姫様か。

大人しくついていこう。





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外壁から降りてクラリエはきらきらした豪華な馬車に乗り、ルガードはクマの様な生き物にまたがり。

俺は騎士達が追加で持ってきた馬車に乗りぱっからぱっから連れていかれる。


しばらく馬車に揺られながら外を眺めていると大きな屋敷が見えてきた。

大きさは比較できる物を知らないのでよくわからないが、地方にあるショッピングモールぐらいの大きさはありそうだ。

こんなでかい建物つくれる技術があるんだな...。


石壁と木を組み合わせた壁にガラスの窓がはまっており、何てゆうか日本人が想像する海外の屋敷って感じだ。大きさは段違いだが。


ってかガラスってあるんだな...。今まで見たことなかったが高価なのかな?


馬車はそのまま進んでいき鉄扉を通り過ぎていく。

門を通ると綺麗な花が咲いた庭がある。花の種類には詳しくないのでわからないが、少なくとも地球でも見たことないような花ばかりだ。

中心には噴水があり周りに花畑。そして奥に屋敷がある。


屋敷の前に馬車が止まり扉が開かれるので降りる。

「近くで見るとなおでかいな...。」

見上げないと見えないレベルででかい屋敷だ。これぐらいが一般的な大きさなんかね?


立ち止まっていると騎士に歩くように促されたので、大人しく歩いていく。

屋敷の前にはメイドと執事が何十人も集まってクラリエさんにむかいお辞儀をしている。


やっぱお出迎えとかあるんだ...。

クラリエさんは慣れているのか気にした様子もなくそのまま歩いていく。


ルガードは執事の一人にクマを預けそのまま入っていく。

ここにはよく来てるのかな? 慣れてる感じがする。


俺はどうすればいいんだ...。

迷っているとメイドの一人が近づいてきた。


「お部屋へ御案内いたします。」

よかった...案内してくれるようだ。


そのままメイドの後をついていき屋敷の中へ入る。

扉がでかいな...。ルガードの頭がすれすれだが普通に通れるぐらいの扉の大きさがある。

ルガードぐらいでかい種族って普通なのかな?


屋敷の中へ入ると、正面には階段があり途中から左右に広がり2階に繋がっている。

一階は外から帰ってきてすぐ入る場所だからか石畳で、階段からは絨毯がひいてある。

階段の前はホールになっており、かなり広い。

左右に廊下が繋がっており、その手前には部屋がある。その片方の扉がでかい方の部屋にメイドが歩いていくのでついていく。

ルガードも先にそちらへ入ったようだ。


メイドが先に部屋に入り扉を支えてくれているので、続いて入る。

部屋の中は普通の一軒家が3つか4つぐらいは入りそうな大きさでルガードが腰かけても平気そうな、大きな椅子が置いてある。とゆうかそこにルガードが座ってる。

調度品はどれも高級そうな木だなってぐらいしかわからない、窓は大きくとられており、ガラスもそれ相応にデカくて明るい日が部屋に差し込んでいる。

窓に合わせてカーテンもでかく長いので、掃除が大変そうだな...。


「おう、きたか。座れよ。」

ルガードは先に座っており何か酒の様な物を飲んでる。アルコールの匂いがここまでしてくる。


ルガードから少し離れた位置にある椅子に腰かけ大人しく待つ。


「なぁ、おめえ何であの時逃げたんだ?」


あの時...ギルドでの事かな?

「まぁ、騒ぎを起こすのが嫌だったからだけど?」


「ふぅん、そうか。」

ルガードは聞きたいことが聞けたのか何か納得して、黙ってお酒を飲んでいる。


「失礼します、こちら紅茶とお茶請けのお菓子になります。」

気まずい空気が流れる中、執事が紅茶とお菓子を持ってきてくれた。


執事にお礼を言い出された物を観察する。

紅茶にお菓子か...。紅茶は無糖だと飲めないんだよな...どうしよう。

お菓子はスフレっぽいな?


取り合えず紅茶を飲んでみる。 

うん...無糖だな...。貴族なんだし砂糖とかないのかな? それとも贅沢すぎかな?

飲めないことはないが進んでは飲みたくないな...。


次はスフレだな...。

うむ、ほのかに甘味があっておいしい。カリッサクッふわっって感じだ。

これならいくらでも食べれるな...。


ルガードは...なんかでかいステーキ食べてるな...。

お肉たべてお酒飲んで。この後の会話大丈夫かな...? 少し不安になってきた。


部屋の中にはメイドと執事が何人かいるが、みんな壁際で待機してるので話し相手がルガード以外にいない。

そもそも初対面なので何を話していいのかわからない...俺はコミュ障なんだよ...。

早く、クラリエさんこないかなぁ...。





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