第25話 森での日々。 #10
25.森での日々 #10
木の窓から光がさし、部屋を薄く、明るくする。
「朝か...。」
昨日夕方ぐらいから庭でずっとのんびり座って過ごしてた。
ティナちゃんと結界で遊んだり、後からきた他の子供達も一緒に結界で遊んだ。
その後夜になり、食事などを済ませ寝る準備をして寝た。
「今日は何するんだっけ...。」
寝起きのボーっとした頭で考える。
あ、そうだ。外壁の装飾だ。
装飾に、外壁に登れるように階段もつけよう。後は見張り台もいるかな?
「あー。」
はぁ...起きるか。
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「んーあー。」
朝の準備を終え庭にでて、畑に水やりをしつつ伸びをする。
今日も村は平和だな...。
走り回る子供達、畑の世話をする村人達。
とりあえず水の結界と氷室の確認に行くか。
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氷室には昨日狩った牛のお肉が積まれてた。冷え冷えになって凍ってたが凍りすぎず、ちょうどいい塩梅だった。
水汲み場の結界もまだ残ってた。
この調子だと結界から離れても時間がたっても、解除しない限り残り続けるようだ。
これなら街に行っても平気そうだな。
「よし、やるかぁ。」
自分を結界で包み飛びあがる、そのまま外壁のほうまで飛んでいく。
どんな装飾にしようかな?
うーん......思いつかない。城なんて和風のしか見たことないからな...。
まずは外壁に上まで登れるように階段を作ろう。
結界を階段状に作り、コンクリートを流す。満杯になったら乾かし完成だ。
この作業もパパっと出来るようになったなぁ。
階段の幅は二人がすれ違えるくらいの広さだが、落ちないように柵も作っとこう。
ふんふん。階段はこれでいいか。
次は外壁の上だな、アニメとかでよく見る外壁の上のほうってなんかでこぼこになってたよな...? あれも何か種類とかあるんだろうか...。
まぁいいか、わかんないし。どれぐらいのでこぼこにするかなぁ...。
外壁の上に降り立ち考える。
「うーん。」
片手を前に出して上下に動かし、どれぐらいがいいか何となく測る。
膝ぐらいと胸ぐらいの高さにするかな?
幅は...ありすぎると邪魔になるだろうし。50センチぐらいか?身を乗り出せば下が見えるぐらい。
結界で一気に囲みコンクリートを流し込んでいく。
「時間かかりそうだなぁ。」
このままちょっとのんびりしよう。
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「終わったかな?」
休憩しつつぐるっと一周、外壁の上の柵の部分が完成した。
柵が完成するとそれっぽく見えてくるなぁ。
内側には柵いらないかな? 危ないかなぁ?
子供もいるし、内側もつくっとこう。 こうゆうとこって遊び場になりそうだしな。
結界を作りコンクリートを流す、またのんびりするか...。
「もう、夕方か...。」
今日一日外壁の柵作るだけで終わったな...。
コンクリート溜まるのがゆっくりなんだよなぁ。かと言って一気にやるとMP切れになっちゃうしな。
今日はもうこんなもんでいいかな?
結界で自分を包み飛びあがり、村の中を見回す。
外壁に使うはずだった木は、今は家を作るのに使われている。
村のあちこちで家を建てる音が聞こえる。
ゆっくりだけど、確実に村が出来上がっていってるなぁ。
後必要そうなのって何かあるかな...。
食料保存のための氷室は出来た、外壁と門もできたし。水汲み場もある。
「うーむ。」
この村をどうしたいのか決めておかないといけないのかな? 街にするのか。このまま村でいいのか。
どうなっていくんかねぇ。
結界で飛んだまま村の中を見回りしていく。
走り回って遊んでる子供達。ボールみたいなので遊んでる子供達。
水汲み場の広場でおしゃべりしてる奥さん達。狩りから戻ったのか獲物を担いで帰ってきてる人達。
まぁなにか必要になれば追々わかっていくか。
今日はもう寝よう。
家まで飛んでいき玄関に降り立つ。
「ふぅ。」
今日はあんまり動いてないけどそれでも眠くなってきたなぁ。
晩御飯を食べ終え、お風呂に入り、涼みに外にでるついでに洗濯物を取り込む。
「そろそろ、もうちょい街で情報を集めたいなぁ。」
この世界についてまだ全然しらない。
たしかお金は...白貨4枚に金貨20枚か。こんだけあれば本も色々買えるだろう。
部屋のベッドに寝転がり考える。
明日街まで行こう。いい加減色々知りたい。
おやすみなさい、頑張れ明日の俺。
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ザーザーと聞こえる音で目が覚める。
「んあ?」
なんだ?この音は...。
寝ぼけた頭で起き上がり窓を開ける。
「あー、雨か...雨か!?」
一瞬ただの雨かと思ったがこの世界に来てから初めての雨だ。
「ちゃんと降るんだな...まぁそりゃ降るよな...。」
空がどんよりしていて雲がかかっている。
「何だあれ...?」
なんか空に浮かんでる...。
目を凝らして見てみると青いクラゲっぽい。
「なんでクラゲ...?」
クラゲがぷかぷか浮かんで漂ってる。
数は数十匹だろうか?
動いてるので正確な数がわからない。
「久々にファンタジーな出来事だな...。」
雨の日にしか出てこないとかなのかな? 今まで見たことないし...。
それにしても雨か...今日街に行くのは中止かな?
とりあえず雨を結界で受け止めれるか試そう。
その前に朝の準備だな...。
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朝の準備を終え玄関まできた。
「この天気じゃ洗濯物乾かせないなぁ。」
土砂降りの雨を見て洗濯物の事を考える。
ん......? 乾かせない...?
あっ、コンクリート乾かしてた結界あるじゃん。あれで洗濯物乾かせるんじゃ...。
ま、まぁ新しい発見が出来たからよしとしよう!
玄関を開け外に出る前に頭上に薄く広い結界を作る。
「はじいてるな。」
結界に雨が当たって音が鳴ってる。
結界を頭上に掲げたまま外にでて歩いていく。
少し歩いて気づく。
「結界で自分を包めばいいじゃん...。」
雨といえば傘のイメージが強くて頭上に結界をはってたが。結界で条件ちゃんとすれば全身囲めるじゃん...。
家に戻り自分を結界で包みこむ。条件は酸素は通して、液体は通さない結界だ。
「これでいけるかな?」
結界に包まれながら玄関から外へ出る。
「うむ、いけるな。」
このまま飛べばいいか。
結界で飛びあがり村の中を見回る。
初めての雨なので注意深くみたい。
「問題はなさそうかな?」
排水溝から水が溢れてる様子もない...が。水汲み場が雨にさらされてるな。
屋根つけようかな。
んー、でもそもそも雨の日に水汲み場にきてる人いないもんな...。
みんな家の中で過ごしてるのか村の中には出歩いてる人はいない。
傘が無いからかな?
明日起きて水汲み場の様子を見よう、屋根あった方がいいのならその時考えようかな。
そうなるとどうしようかな、雨の日ってすることないな...。
結界で飛びながら村内を見回りしていく。
特におかしなところはないかな?
雨が降っても大丈夫なのがわかればいいや。
「あれが気になる...。」
今も空をふよふよ漂ってるクラゲ...。
高さは村の少し上から雲のすぐ下の方の遠くまで、いろんなところにいる。
何なんだろうあのクラゲは...。
結界で飛んでいき少し近づいてみる。
「反応は無しか。」
手を伸ばせば届きそうな距離にいるが反応は何もない。
うーん。よくわからん。
「今日はもう家でゆっくりしよう。」
家まで飛んでいき玄関から入る。
「なにしよっかなぁ。」
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