第24話 森での日々。 #9

24.森での日々 #9







「ふぅ。」

朝かぁ...。


昨日ベッドに寝転んで、さぁ寝るぞってときに門に結界張るのを忘れていたのを思い出して慌ててはりにいった。

早く門を完成させないとな...。


うーむ、起きよう。



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朝ご飯を食べ終え、お風呂に入り。洗濯物を干して、畑に水をやる。

このルーティーンも慣れてきたな...。


昨日つくった水汲み場まで歩いていく。


「ケイさーん!」

「ケイ殿。」


「おはようございます、ティナちゃん、村長。」


「おはよー。」

「おはようなのじゃ。」


水汲み場にいる、ティナちゃんと村長、村人達に挨拶を交わしていく。

なかなかうまいこといってるみたいだな。

後はこの水の結界がどれぐらい持つかだな。

普通の結界は一晩持つことは確認できている、水の結界はどれぐらい持つかな?

距離が離れると結界が解除されたりするのかな?


今日はちょっと遠出してみるかな?

水の結界は今も水がどんどんあふれている。


村人達はツボに水を貯めて畑に撒いたり、生活用水にするみたいだ。

みんなが使っていてくれてうれしい。作った甲斐があった。


子供達は水で遊んでる。


とりあえず門の結界を解除しに行くか。

村長に声をかけ、自分を結界で包み飛んでいく。


門の傍にはこれから狩りにでも行くのか、男連中が待っていた。

何かの革の鎧に剣に盾や槍。弓を持ってたり。

みんなそれぞれ体格もいい。


やっぱり狩りをする人は自然と体が鍛えられるのかな...?

レベルはどれぐらいなんだろう。


門の結界を解除して、狩人の村人達に声をかけていく。

彼らも手を挙げて答えてくれた。


ふむ、とりあえず村長と少し話しをして何をするか考えよう。



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「村長!」


「ケイ殿、どうかしたのかの?」

村長は水汲み場で村人達と会話してたようだ、割り込むのは心苦しいが混ぜてもらおう。


「えぇ、まぁ。今、村は何が足りないとかあるかなっと思って。お肉とかって足りてます?」


「そうじゃのう、お肉は燻製したのがあるし。今も毎日狩りにいってるやつらがおるからのう。足りないことはないが、少し物足りないぐらいかの?」


「ふむう、やっぱり新鮮なお肉って保存できない感じですか?」


「そうじゃなぁ。保存する方法がないのじゃ。」


「氷室はどうです? あれば保存できるようになりますかね?」


「氷室のう、存在は知っておったのじゃが。氷を定期的に確保できなくてのう。このへんでは作れないのじゃ。」


「なるほど。 ふむう、水汲み場にある水の結界があるじゃないですか? あれと同じように氷の結界を作ることができるんですが。それで氷室を作ってみようと思いまして。どうですかね?」


「ほほう! 氷まで作れるんじゃのう。 もしできるのならお願いしたいのじゃ。」


「えぇ、それじゃぁ作ってみますね。場所はどこにしましょうか?」


「そうじゃのう。外壁が完成して、みな家を移動し終わったしのう。中央に水汲み場があるし。その近くでいいんじゃないかの?」


「そうしますかぁ。じゃ作ってきますね。」


「うむ、いってらっしゃいなのじゃ。」


村長との会話を終え、そのまま水汲み場から少し離れた位置にまで歩く。

「この辺でいいかな?」


水汲み場から5メートルから10メートルほど離れたところで立ち止まる。

大きさはどうしようかな? 牛とかでかいし、結構大きくしないとだめかな?


深さは5メートルほどでいいかな? 幅は後々の事も考えて少し大きめに10メートルの正方形でいいかな?


結界で土を持ち上げて、土はそのままアイテム袋へ。

壁の厚さはどれぐらいにしようかな? 薄いと熱を遮断しにくそうだし、少し厚めにしてわかりやすく1メートルでいいか。


掘った穴に上下左右厚み1メートルの結界を作る、そこのコンクリートの結界を流し込み。

満杯になったらそのまま乾かす。


「あ...入口つくってねぇ...。」

何も考えずに作っちゃった。門の時と一緒だ...。

はぁ...まぁいいや結界で切り取れば済む話しだし。

それに一度作ってから切り取ったほうが楽だしなぁ。


入口は端っこにするか。

結界で入口用にコンクリートを幅は手を軽く開くと壁につくぐらい、奥行はここも1メートルぐらいで切り取り、そのまま階段状に結界を作りそこにコンクリートを流す。

そして乾かして完成だ。


でも野ざらしだとまずいか...。

簡易的な豆腐小屋を作る。

2メートルの立方体。

そして玄関のドアぐらいの大きさの入り口を切り取る。


ここまで来ると結界で作るのも楽になってきたな。

結構な速度で作れるようになった。


完成したのでそのまま地下に降りていく。

階段の途中に頭より少し上あたりに1センチほどの立方体のキューブの明かりの結界を作っていく。光はあまり強くせずにしかし足元はしっかり見えるように眩しくないようにしてある。


地下まで降りてそのまま壁沿いに明かりをつけていく。

地下だし空気穴がないとまずいかな? 弱めの風の結界を作り風の流れを作る。

地下から地上へと空気を流して循環するようにする。


氷はどうしようかなぁ。直接触れると凍っちゃうし離しすぎると冷たさが微妙になる。

うーん。ここは試しつつするしかないか。

とりあえず頭上の手の届かない範囲に氷の結界を作り冷気が降りてくるようにして。地下全体が冷えるようにする。


これで試してみるか。

牛を狩りに行こう。


地下から地上へ上がる。

「おおぅ。」

足元がめっちゃ涼しい。

地下から冷たい風が吹いている。夏があれば人気スポットになるな。


「村長!」

村長はまだ水汲み場にいた。椅子に座って子供達が遊んでるのを見てる。


「おぉ、ケイ殿。氷室が完成したんじゃな?」


「えぇ、そうです。後で確認しておいてください。それで使えるか試すのに牛でも狩ってきますね。」


「おぉ、そうじゃの。よろしく頼むのじゃ。」


「あ、そういえば門はどうなりました?」

完成したのかな?


「おぉ、そうじゃの。門は出来たのじゃ。」


完成したのか。これで晩に門に結界を貼る必要はなくなったな。

「完成しててよかったです。それじゃ牛狩ってきますね。解体できる人によろしく伝えといてください!」


「了解じゃ。行ってらっしゃいなのじゃ。」


村長に手を振り結界を自分で包み飛びあがる。


牛を狩るのはもう一瞬だし早く済ませよう。

空へ上がり速度を上げて飛んでいく。



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「こんなもんでいいかな?」

前回と同じ場所で前回と同じ5体氷漬けにした。

毎回おもうけどこの牛でかすぎなんだよな...。

まぁお肉がいっぱいなのはいいことか...。


「村長!」

村長は水汲み場にまだいた。この前解体してくれた人達と一緒のようだ。

呼んでおいてくれたんだな。


「ケイ殿!帰ってきたんじゃな。」


「ただいまです。牛狩ってきましたよ。解体にいきましょうか。」

解体してくれる男連中に声をかけ結界で包む、荷台も結界で包み飛びあがる。


「氷室の位置とかも大丈夫ですか?」


「うむ。」

男連中は腕を組んで頷いている。

寡黙だなぁ。


「それじゃぁ後はよろしくお願いします。」

川まで連れていきそこで別れる。

そのまま自分を結界で包み飛びあがる。


「んー。」

村の外から外壁を見てみると、かなり無骨だ。幅5メートル高さ20メートルの石が立ってる。


「なんてゆうか。装飾が何もないし寂しいな。」

見張り台とか作った方がいいのかな? 外壁の上にも道を作りたいな。


村を作るって大変なんだなぁ...。

やることがいっぱいある。


外壁を門の方まで向かって飛んでいく。

「おぉー。」


門は両開きのドアをそのまま大きくした感じだ。一番外側の柱から外側へと開くようだ。

やっぱ門に扉があるとそれっぽいなぁ。

なおさら装飾がないのがさみしいな。


明日作るか、今日はもうゆっくりして寝たい。まだ日が落ちてないが後2時間もすれば日が落ちるだろう。

水の結界も継続してみていこう。いつか突然解除されるかもしれないし。



門を飛び越え、家まで飛んでいく。

寝るまでは家の前でのんびりしとこう。





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