第23話 森での日々。 #8

23.森での日々 #8






んーあー。

朝か...。今日は何しようかな?

外壁は完成した。門は木が出来るの待ち...。


うーん、水飲み場とお風呂が欲しいかな?

川まで毎日水を汲みに行くのは大変そうだし。

水浴びも川でやってるのなら、魔物とか危険がありそうだしなぁ。


村長に聞いて作ってみよう。結界術で何とかなるだろうきっと。



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朝ご飯を食べ、お風呂に入り。洗濯物を干して、畑に水やりをする。

「畑って水やりするだけでこんなに育つもんなのか...?」

畑はそろそろ収穫できそうなぐらい育ってきている。

肥料として魔石砕いたやつ撒いて。水やってるだけなんだけど...。


まぁ細かいことは気にしないでおくか...。今いけてるんだしそれでいいや。

とりあえず村長を探そう。結界で自分を包み飛びあがる。

多分村長は家の前にいるだろう。

村の中を飛び、村長の家までいく。



「村長!」


「おぉ、ケイ殿。おはようですじゃ。」


「おはようございます、村長。」


「今日はいい天気じゃのう。」


「そうですね。風も気持ちがいいです。」

青く広がる空。雲がゆっくり流れていってる。強すぎないちょうどいい風が吹いている。

なんだか今日はもうこのままのんびりしたくなってきたな。






「それで、今日はどうしたんじゃ?」

ハッ。ボーっとしてた。


「えぇ、実は今村人のみなさんって川へ水汲みに行ってるじゃないですか? それをどうにかできないかと思いまして。川は外ですし。魔物がでて危険なんじゃないかと。」


「そうじゃのう、たしかに危険はあるが仕方ないことじゃしのう。何か案があるのかの?」


「はい、結界術で水を出す事ができるので。それで水汲み場でも作ろうかとおもいまして。」


「ほほう、それはいいのう。可能ならお願いしたいのじゃ。」


「えぇ、それで、誰か詳しい人いませんかね?」


「そうじゃのう。 いつも川で水を汲んでおったし、作ったことないじゃろうから、いないと思うのじゃ。」


「なるほど。」


「まぁ思うように作ってみるといいとおもうのじゃ。失敗しても誰も責める者などおらんよ。」


「はい、それじゃぁ作ってみますね。」


「行ってらっしゃいなのじゃ。」

村長と話しを終え、結界で自分を包み飛びあがる。




あ、そういえば門の結界解除しないと...。


門の方まで結界で飛んでいく。

何人か村人達が門の前で待っているようだ。

「あー、すいません。今、結界を解除しますね。」

上空から声をかけ門にある結界を解除する。

村人達は手を挙げて答えてくれた。


「気をつけないとな。」

結界張ったままじゃ外に出られないところだったな...。

敵意を持つ存在だけ通さない結界とか作れないのかな? 条件次第なのかな。

今度試してみるか。


とりあえず今日は水汲み場だ。

村の中心まで飛んでいく。


どんなの作ろうかな?

みんなが使うことを考えると。噴水みたいな形にしたほうがいいのかな?

排水はどうしようか、川まで溝を掘るか......。


川の方向へ溝を掘る、幅30センチほど、深さも30センチほど。長さは適当に作れるだけの長さを結界で掘っていく。

取り出した土は捨てる場所がないので、アイテム袋に入れておく。

きっとそのうち使い道があるだろう。




「あー、この先どうしよう?」

外壁まで掘り進めたが。この先をどうしよう。下に通すか?


外壁の下の土を同じように掘り進め6メートルほど土を掘り出す。

「そろそろ貫通したかな?」

結界で飛んで外壁の向こう側へ飛んでいく。


「このまま川まで掘るか。」

無事貫通してたので、森の中を川まで排水用の溝を掘っていく。


川まで掘れたが、これで排水出来るのかな?

結界のコンクリートで補強するか。


掘った溝に一回り小さく結界を作りそこに結界のコンクリートを流しこむ。

蓋をつけれるように、上部に段差をつける。そのまま乾かす結界で囲み完成させていく。

出来上がったのがU字型の溝のコンクリートブロックだ。


そのまま蓋も作る。

溝の段差に合うように結界を作りコンクリートを流す。

1メートルほどの蓋を作り、途中で気づく。

水を流して、流れるか確認するべきだった...。


蓋のしていない、村に近いほうから水を付与した結界で水を流す。

「あー、どうなんだこれは?」

水は流れていくが村のほうにも水が流れていってる。

うーん、とりあえず全部作ってみて流れないようなら傾斜をつけて作り直してみるか。


そのまま村の外壁まで、森の中の溝にU字のコンクリートと蓋を作っていく。

「これでいいか、後は村の中だな。」

結界で飛び村の中へ入る。


外壁の下も結界を作りコンクリートを流す。

「わかんないなこれは......。」

陰になってて見えないがまぁきっと出来てるだろう。

外壁の下だし、蓋もつける必要がないな。


村の中の溝もコンクリートを流し作っていく。

村の中の蓋は全部塞ぐのではなく、少し隙間をあけて作っていく。

今はまだ雨が降ってないが。この先雨が降った時の事を考えて村の中の水が外へ流れていくように、溝の蓋には少し隙間を作っておく。


そのまま最初に掘った位置までコンクリートでU字のブロックと蓋を作っていく。

「さて、ここからどうするかな?」

どんな水汲み場にしようかな?

うーん。


「ケイさん!」


「お? こんにちは、ティナちゃん。」

村の中心で悩んでるとティナちゃんが声をかけてきた。

ティナちゃんはショートカットの黒い髪に黒い耳、白のワンピースに黒い尻尾がふりふりしている。

かわいい。


「こんにちは!何してるの?」


「あぁ、これはね。今ほとんどの人が川まで水を汲みに行ってるでしょ? 川は危険だからここに水汲み場を作ろうかとおもってね? どうかな?」


「うん!いいとおもうよ!水浴びもここで、出来るのかな?」

そういってティナちゃんはニコっと笑いながら首を少し傾けて頭に?マークが見える。

かわいい。


「水浴び場か。それもいいね、一緒に作ろうかな?」


「うん!」


ティナちゃんが隣にいるが、作っていこう。

どれぐらいの大きさにしようかな? 

最初は噴水みたいにして、頂点に水の結界。そこからこぼれる水を一度大きなお皿のような物で受け止め、そこから四方に水が落ちるようにしてツボで受け止めれるようにするつもりだった。

ティナちゃんが水浴びもしたいとのことなので少し変えて。



水が落ちてツボに受け止めれるようにするところまではそのままで。そこからさらに地面にコンクリートを円形に広げ足首がつかるぐらいの深さの水がたまるように。ちょっとした水遊び場みたいにするつもりだ。


そうすれば水浴びで落ちた水も常にながれ続ける水もあまり無駄にならずに済みそうだ。

あとは円形に溝を作り、最初につくった排水溝に流れるようにすれば完成かな?


問題はどれぐらいの広さにするかだな...。

深く考える必要もないか。 半径5メートル、直径で10メートルぐらいにするか。


決まったので、そのまま最初作った排水溝から伸ばすように円形に土を取り除いていく。


「わー、すごーい!」

ティナちゃんが横で喜んでる。尻尾をふりふりさせて、飛び跳ねてる。

かわいい。

語彙力がなくなる。


土を掘り終えたらそのまま同じように一回り小さい結界を作り上部に段差をつけコンクリートを流していく。


「おー。」

ティナちゃんの声が聞こえるが気にしない。


コンクリートを流し終えたら乾かす結界でコンクリートをかためる。

円形にコンクリートで排水溝ができたので、次は中心部分の土をくり抜く。

土はそのままアイテム袋へ。


円形にくりぬかれた場所にコンクリートの結界をいくつか作り一気に流し込んでいく。深さは1メートルもあれば十分かな?


溝と少し段差をつけ水がそのまま流れないようにして、足首まで水がたまる程度の段差をつける。


中心に胸元ぐらいの高さの四角い結界を作り中をコンクリートで満たす。


「なにこれー!」


「これを水汲み場にするんだよー」


「へぇえ~」


ティナちゃんと話しながらも結界でコンクリート乾かしていく。

出来たコンクリートの塊の上の部分に手首より少し深めに入るほどの深さでくりぬく。ここの水を貯める。


このままだと足元がびしゃびしゃになるので。四方から来れるように、中心から排水溝にいく壁より少し高くした飛び石な感じで一辺50センチほどのおおきさの結界を作りコンクリートを流していく。

これで足が濡れなくて済む。


これで完成かな? あとは中心の空中に水の結界を作り浮かべていれば、水が流れていき溜まっていくはずだ。


「完成したよ、ティナちゃん。」


「完成したの!? わーい!」

ティナちゃんは何がうれしいのか、両手を挙げて走り回ってる。

いつの間にか他の子供も混じっているようだ。みたことない子供がいた。


「水ながすよ~」

聞いてるかわからないが一応声をかけて、中心に水の結界を作る。

大きさは10センチほどのでいいかな? 足りなければ数を多くするか形を大きくしよう。


「わぁー!」

「あはははー!」


子供達が水をみてはしゃいでいる。

バシャバシャと水を足で蹴ったり、手ですくったりして遊んでいる。


「おぉ、ケイ殿!完成したのじゃな?」

子供達が遊んでるのを眺めていると村長がやってきた。他の村人達も何事かと見に来ているようだ。


「えぇ、出来ましたよ。ついでに水浴びもできるようにしたんですが、どうですかね?」


「ふむふむ。」

村長は水を手ですくい匂いを嗅いだり。飲んだりして確かめている。

そういえば飲める水だって伝えるの忘れてたな...。


「これは素晴らしいのう。ケイ殿ありがとうなのじゃ。」

確かめ終わったのか村長がお礼をいってきた。


「いえいえ。これで少しでも楽になればいいですね。」


「そうじゃのう。ありがたいのじゃ。」

村長と話しながらも、村人の大人達や子供達が一緒になってわいわい騒いでいる。


排水も今のところうまくいってるな...。

流れている水は排水溝に入りあふれることもなく流れていってるようだ。


「村長、そろそろ俺は家に帰りますね。後は任せます。」

もう日が落ちてきていて暗くなってきている。そろそろ眠いし寝よう...。






家に帰り食事を済ませ洗濯物を取り込み、お風呂を済ませ。部屋に戻りベッドに寝転ぶ。


明日はどうするかな? お風呂でも作るか?

まぁ流れに任せよう。


おやすみなさい。頑張れ明日の俺。





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