第22話 森での日々。 #7

22.森での日々 #7







「あー。」

朝か...。


木の窓から少し日が漏れて、部屋の中に入ってきている。

起きてるのか寝ているのか微妙な気持ちと感覚のまどろみの中ボーっとする。


最近ずっと動いてる気がするな。

ゆっくりしたい......けど、とりあえず外壁だけは完成させたいな。


さっさと完成させてのんびりするか。

はぁ......準備しよ。




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朝ご飯を食べ、朝風呂に入り、洗濯物を干して畑の水やりをして朝の用意が終わった。

村の人達も畑の世話をしたり。起き始めている。


「外壁するかー。」

気合を少し入れ昨日の続きの場所まで自分を結界で包み飛んでいく。

んじゃやってくかぁ。







「そろそろやめておこう。」

今の時間はお昼ぐらいか? ちょっとお腹すいてきた。

外壁は3分の2ぐらいかな?明日には終わるだろうきっと。

結界で浮かびながら、ひたすら結界でコンクリートを積む作業。


MPはどうかな?


MP 5/76


うむ、なんとなく感覚で今どれぐらいか分かるようになったな。

ちょくちょく確認すればいいんだが、めんどくさいから感覚でやってみたがなんとかなったな。

ステータス画面って目の前に板が出てくるからちょくちょく確認すると邪魔なんだよな。


お昼食べて、残りもやっちゃうか。





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「ケイ殿、少しいいじゃろうか?」

お昼を食べて残りの外壁を一気に結界のコンクリートで埋め尽くして達成感に浸っていると村長が声をかけてきた。


「ん? 村長、なんでしょう?」


「まずは、外壁の作業ありがとうなのじゃ。 だが、出口と入り口がないのじゃ。」


出口と入り口......?


「あ。あーハハハハハ。」

はぁ、何も考えないで一気にやっちゃった。そりゃ全部埋めたら出入りするとこがないよな。


「すぐ作り直します。」

外壁の門、どんなのにしようかな。




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出入口が無くなって困惑していた村人達の視線に耐え、門を作る場所を考える。

とりあえず前に街に飛んでいったときに見た村のある方向には門が必要だよな。

この先使うかもしれないし。


あとは川に行くほうにもいるかな?

うーん、でも。門作るのに木を使うよな?

なんかお城の門とかも木か鉄のイメージだ。 ここには鉄なんてないし木でするしかない。


木は本来なら外壁に使うつもりだったが今は結界のコンクリートで何とかなったので使い道がなくなった。

そこで門の木の扉だ、さっき村長に木を門用に切ってもらうように伝えておいたが。すぐにできるわけでもないので門は一つだけ先に作るか。

村のほうへ門をつくろう。


どんな形にしようかな?門の扉の上部がアーチ型になってるやつか、普通に真っすぐになってるやつか。


あれって丸くなってるのってやっぱりあれなのかな? そのほうが重さに耐えれるから?

地球にいた頃に聞きかじった知識では、山に掘るトンネルとか。地下鉄のトンネルとか。

ああゆうのって上が丸いのは重さの負荷が分散するからあの形なんだって。


ってことはやっぱ丸いほうがいいのかな?

あー、そうだ。こうゆうときにこそ村長に聞こう。

自分だけでなんでも解決しようとするんじゃなかった。


村長を探そう。

結界で飛んで村長を探す。


「お、いた。村長!」

村長は相変わらず自分の家の前でのんびり座っている。


「おぉ、ケイ殿。どうしたのじゃ?」


「えぇ、実は門の形で悩んでまして。上部が丸いのにするか。真っすぐなのにするか。誰か建築に詳しい人っていませんかね?」


「門の形のう、建設に詳しい者はおるが。自分達の家を作る程度の知識しかないんじゃ。外壁の門の形までは知っておる者はおらんじゃろうなぁ。」


「なるほど。どうしようかな...。」

詳しい人はいないかぁ。街までいって門の形を見てみるか? 前いったときは気にしてなかったもんなぁ。


「ケイ殿の思う形でいいんじゃないかの?」


「そうですね。話し聞いてくれてありがとうございます。作ってきますね。」


「うむ、いってらっしゃいなのじゃ。」


結局解決はしなかったが、話しをしてよかった。

もっと色々話しをして相談していこう。解決しなくったっていいんだこうゆうのは。




門を作る予定の外壁まできた。

「さて、どうするか。」

上部が丸かったら木で門を作るとき寸法がめんどくさそうだな?

真っすぐのにするか。壊れたら直せばいいしな。


そもそも門ってどれぐらいの大きさにすればいいんだ?

今完成している外壁は、高さが20メートルかな?結界のコンクリート4個分だから多分20メートル。

何か定規があるわけじゃないので、大きさはまぁまぁ適当だ。


うーん。

そういえば冒険者ギルドで絡んできた角の生えたおっきな人。あの人はたしか3メートルぐらいあったよな?

ああゆう大きな種族の人がここまで来るかどうかは別として。あのぐらい大きな人がいるってことはそれなりの大きさの門がないとダメなのかな。


馬車とかは高さが2メートルほどだったっけ?

うーむ。高さは5メートルでいいか。結界コンクリート一個分でわかりやすいし。

あんまり大きくしすぎると。門閉めるのが大変だったりしそうだしな。

あとは幅か。


馬車がすれ違うぐらいの広さでいいのかな?馬車がこの村に来るかどうかは別として。

幅4メートルぐらいでいいか? 片側2メートルの感じで。

かなり正方形に近い門になるが、まぁいいだろう。

そもそも門ってなんで長方形なんだ? なにか理由があるんだろうか?

まぁ考えても仕方ないか。不都合があれば作り直せばいいし。


「切り出すか。」

外壁に積んだブロックはなんとなくよく見るピラミッド型といえばいいのか?

下に二つ積んだら、その真ん中に一つ積む感じ。でそれをどんどん高くするように積んでいった形にしたので。

門を切り出すと短い部分が出てくるが、まぁそれも味だと思えば気にならないかな?


とりあえず外壁の外へ飛んでいき外と中から門を作る位置を確認する。

前にみた辺境の村への道はないが。だいたいの方向で門を作る。


縦5メートル、幅4メートルの切る結界を門の作る位置に出す。

そのまま手前に結界を動かし取り出す。

このコンクリートどうしよう?


どっかに置いとくか?

自分の家の近くに置いとけばいいか。そのうちなんか使えるかもしれないし、つかえないかもしれないし。まぁなんか捨てるのもったいないし置いておこう。


自分の家の近くまで取り出したコンクリートと一緒に飛んでいき。そのまま家の横に横倒しにしておく。

うーむ。でかい。

縦5メートル。幅4メートル。奥行5メートル。

でかいなぁ。意外と邪魔だし。早いうちに何とかしよう。


後はそうだなぁ。まだ門用の木の扉が出来てないし。村長に話しておこう。


再び村長がいるであろう家まで飛んでいく。

「村長!」


「んあっ!? おぉ、ケイ殿どうしたんじゃ?」

村長めっちゃうたた寝してたな...。

よだれ垂れてる...。


「門の場所を切り出せたんですけど。どうしましょうか?木が切り終わるまで開けっ放しになっちゃいますが。夜になったら俺の結界で閉じておきます?」


「そうじゃのう。頼めるかの?」


「はい、それじゃ結界張ってきますね。」

もう日が落ちてるし村人達はみんな家に戻っただろうきっと。締め出されたら村長に文句を言ってもらおう。


切り出した門のところまでいき。門より少し大きめに結界をはる。

「これでいいかな?」

今日はもう寝よう。


村人達に挨拶をしながら結界で空を飛び家へ帰る。

村人達が作ってくれたパンと残ってた牛と野菜を適当に料理し、食べる。

お風呂に入り、洗濯物を取り込むついでに涼みしばらくゆっくりする。

湯上りの火照った体に夜の風が気持ちいい。

空を見上げると星と月がみえる。

星は地球にいた頃にプラネタリウムや、夜空を見上げてそれなりに見ていたが。

星座とかしらないし地球との違いがわからない。


ただ、やっぱり街灯が無いからか物凄い数の星が見える。

「綺麗だな...。」




少し寒くなってきたな。

湯冷めする前に家に入ろう。



そういえば村人達って家にお風呂ないんだよな...?

川まで水浴びに行ってるんだろうか?

結界でコンクリートを作れるようになったしお風呂つくるか?

そもそもお風呂文化ってあるのかな?

まぁ明日これも村長に聞こう。


部屋に戻り一息つく。

ベッドに潜り目を閉じる。



おやすみなさい。頑張れ明日の俺。









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