第20話 森での日々 #5

20.森での日々 #5







「はぁ、起きるか。」

日はまだ昇ってないが少し明るい時間に目が覚めた。

とりあえず朝の準備を済ませよう。



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朝風呂に入り、食事をし。洗濯物を干し、畑に水をやる。

家の外に出てみると、村人達も起きていて畑の世話などをしている。

みんなは畑の水をどうしてるのかな?


畑の世話をしてる村人達を見てると川から汲んできたのか自分と同じぐらいの大きさの水瓶を二つ木で結んだ物を肩にかけながら歩いてきている。

中には魔法だろうか?手から水を出して水瓶に水を貯めている人もいる。


やっぱ普通の魔法あるんだな? 誰でも覚えれるんだろうか? 誰でも覚えれたら川で水を汲む必要もないだろうし。適正とかがあるのかな?

地球にいた頃によんだ本では、獣人は魔力が少なく、魔法が使えないか、身体強化が得意みたいな描写が多かったが。この世界ではどうなんだろう?


その辺も調べないとな...。

調べないといけないことが多すぎる...。

村長に聞いてみるか? 身近な人で一番物知りっぽいし。


とりあえず今日は村の柵のために木の乾燥を試してみよう。

大体結界で何とかなるし。




木を集めている場所まできた。

結構な数が集まっている。

とりあえず端っこのほうの数が少ないところで試そう。


結界は条件を付けることができる。飛ばしたり、切る結界を作ったり。

ならば、結界内の物が乾燥するような結界も作れるのでは?とゆう単純な考えだ。


試してみる。

結界内の木を乾燥するように。イメージをして念じる。


お、おおう?


結界内の木から蒸気が昇ってる。

これって乾燥出来てるってことか? 結界内の木からどんどん白い蒸気が出ていき。そのうち煙が出なくなった。

これで乾燥出来たのかな?


結界を解除し、乾燥をかけた木に近づいて触る。


「ふむ、わからん。」

そもそも乾燥した木と生の木の違いなんて知らないし。分かるわけなかった。

わかんないことは村長に聞こう。 今はまだ朝早いし、もうちょい後にするかな?


周りを見ると、ほとんどの村人達が活動を開始している。

畑の世話をする人、狩りの準備をする人。道の途中で話しをしてる人達。


村にはゆったりとした空気が流れている。

そういえばお肉がこのペースだとすぐになくなりそうなんだよな。

ちょっと捕りに行くか。


自分を結界包み空へ飛んでこのあいだ牛がいた場所まで飛んでいく。




「今日はいるかなー?」

道中にいたゴブリンを倒しドロップを拾いつつ、空から牛を探す。


「そういえば元獣人村で倒したゴブリンのドロップ拾うの忘れてたな...。」

森も勢いで凍らしてしまったし。そのうち元に戻るかな?


お、いた。


牛の群れだ。

前は5匹ほど狩ったが、今回はどうしようかな?

余っても燻製にすればいいし、同じ5匹でいいか。


1センチほどの大きさの氷の属性付与した結界キューブを5つ作り牛を狙う。


「いけっ。」


「グゴォォォ!」


相変わらず変わった鳴き声だ。

結界が当たった牛はパキパキと音をたてて凍っていく。

他の牛達は暴れて逃げていく。草原に残ったのは凍った5匹の牛。

アイテム袋に入れていくか? んー、すぐに解体するし結界で運ぶか。


牛を結界で包み一緒に浮かび上がる。

村に戻る頃にはお昼時かな?



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村に着き、真ん中の広場に降りる。

村人達はこちらをチラッとみるがすぐに自分の用事に戻る。

飛ぶ結界にはもう慣れたのかな?


「あ、いたいた。村長!」


「ん?おぉ!ケイ殿どうかしましたかの?」


「牛を狩ってきたので、解体をお願いしたくて。」

結界で包んでた凍った牛を広場まで空からおろす。


「おぉ!でっかいのう......。では解体ができる者に声をかけるのじゃ。」

そういって村長は歩いて行った。


「ここで待ってますねー!」

村長に声をかけ待つことにする。


村を見渡す。

木を切って村の範囲は広げたが、まだ木が残ってたりして。家や畑の移動はしていない。

早めに移動させたいとは思っているが。すぐに終わることでもないのでのんびりやろう。


村を眺めながら待ってると村長が何人か連れてきた。


「待たせたの、この者らが村で解体の技術を持っているのじゃ。」


「なるほど。よろしくお願いしますね。」


「あぁ、よろしく頼む。」

解体技術の持つ獣人は全部で3人ほどか? 全員でかいナイフを持っている。

猫耳のムキムキのおっさん。 ふわふわ狐耳のムキムキのおっさん。 狸耳っぽい垂れた耳のムキムキのおっさん。

なんてゆうか絵面がやべえな...。

この世界では普通なんだろうが、地球の頃の記憶があると違和感がすごい。


「どこで解体しますか?」

気にはなるが話しを進めよう。

解体って、何が必要なんだろう?


「そうだな、解体するのに血が流れるし。水を大量に使うから川で解体をしたいな。幸い獲物は凍ってるみたいだし、冷やす必要はなさそうだな。」


なるほど。

「じゃぁ川まで結界で運んで送りますね。」


「あぁ頼む。」


自分とおっさん達を結界で囲み空へ飛びあがる。

「では行ってきますね、村長。後でまた話しがあるので、会いに行きますね。」


「わかったのじゃ。」


空へ飛びあがりそのまま川へ向かう。

おっさん達は飛ぶのはもう慣れたのか、微動だにしない。



川へ着いたのでおっさん達と牛を川辺へおろす。

「この辺りでいいですか?」


「あぁ、平気だ。」


寡黙なんだな...?必要な事以外はしゃべらない感じ。

「凍ったままですが大丈夫です?」


「あぁ。」


「じゃぁ後は頼みますね。」

コミュニケーションって難しい。何しゃべったらいいかわかんない。


自分を結界で包み空へ飛びあがる。

村にもどって村長に木の事を聞こう。



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「村長。」

空から村長を探し、見つけたので村長に声をかけながら空から降りていく。


「おぉ、ケイ殿さっきぶりなのじゃ。それで、なんの用なのじゃ?」


「えぇ、実は木を乾かす方法を試したんですが。俺では乾いたかどうかの確認ができなくて。村長が見てくれませんか?」


「木を乾かす...?そんな魔法あったかのう? まぁわかったのじゃ。木の場所までいこうかの。」


「はい、行きましょうか。結界で飛びますね。」

そういって自分と村長を結界で包み空へ飛びあがる。

朝、木を乾かしたところまで飛んでいく。


「この木なんですが。」

朝乾かした木を村長にみせる。


「ふむ、十分に乾いておるの。これなら使えるじゃろう。」


おぉ、これでいいのか。じゃぁ残りもやっちゃおうかな。

「これでいいなら残りも乾かしちゃいますね。」


「頼むのじゃ。」


「はい。今やっちゃいますね。」

切った木と切り株がもうすべて集まっているのか、かなりの量が集まっている。

全部の木を囲むように乾かす条件をつけた結界を作る。


おぉすごいな。めっちゃ蒸気が出てる。

「おぉ、すごいのう。これで乾くのかの?」


「はい、これでさっきの木を乾かしたんです。」


「なるほどのう。これも結界術かの?」


「えぇ、そうなんです。まだ何ができるか自分でも試行錯誤してるんですが。いろいろ便利ですよ。」

話してる間にも蒸気の煙がどんどんでて、おさまっていく。


そろそろかな?

結界を解除して木に近づく。

「どうですかね?」


「ふむ、いい感じじゃの。」

村長は木を触り確かめている。


「この木の数で村の周りの外壁の柵できますかね?」


「そうじゃのう、まぁきっと足りるじゃろう。」


「ふむ、まぁ足りなければまた木を切って今回みたいに乾かしましょう。」


「そうじゃのう。」


「木の加工とかってできる人とかいるんですか?」


「うむ、一応村を作ったり生活に必要な刃物などを作る技術をもった者はいるのじゃ。ただのう、今まで技術はあっても、物がなくてのう。」


「なるほど。」


「ただのう、外壁を作る人手が少ないから時間がかかることになるじゃろうな。」


なるほどなぁ、やることいっぱいだもんな。

「とりあえず食料は俺が何とかしますよ。今日みたいに牛を狩ってきたりします。」


「ふむ、そうじゃのう。みんなで、できることをやっていくのじゃ。」


「そうですね。」

お腹すいてきたな。


「お昼にしませんか?」


「そうするかの。」





村長と一緒に木を集めてた場所から村へ戻る。

今日は何を食べようかな?








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