第16話 森での日々。

16.森での日々







「今日は何しようかな。」

昨日の夜、街から戻り。食事とお風呂を済ませて寝た。

朝になり今日はなにをするか悩む。


畑はどうなったかな?水やりのついでに様子をみよう。

朝の準備を済ませるか。



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朝の準備を済ませ庭にでる。

「ん?」

畑に芽が出ている。

こんなに早く芽ってでるもんなのかな? 初めて野菜を育てるから何もわからない。

とりあえず水やりをしよう。

属性付与した水の結界で水やりをしていく。


今後必要な物でも考えてみようかな?

街で牛を売ってお金に余裕が出来たし、欲しい物を考えよう。


まずはこの世界についてもう少し知りたい、そもそも1日は何時間なのか、一週間は何日なのか。一か月は何日なのか。

世界は丸いのか平面なのか。他に大陸はあるのか。

ステータスの意味とか、知りたいことがおおすぎる。

また本でも買いに街にいくか? 森の家でゆっくりしたいのに。街にいかないといけない用事が結構あるんだよなぁ。


それに家の近くも、もっと探索したいんだよなぁ。

ダンジョンとかないのかな?あったとしたらお宝とかほしい、やっぱ異世界にきたならそうゆうこともやってみたいとは思う。


あと世界樹にいる妖精も気になるんだよな...会話は通じるんだろうか?

それとも姿をみただけで襲ってくるような感じなのかな?


そもそも今のレベルでどこまで探検できるんだろう。

結界が通じない相手が出てきたらどうする? そうゆう不安もある。

今のところ負ける気はしないが、それこそドラゴンだったり。なにか伝説的な生物がいて、それにばったり出会ったりしたら。

ドラゴン...いるのかなぁ? 知恵があって話しが通じるタイプなのか。気になる。



庭も、もっとゆっくりできるように椅子とかテーブルがほしいな。

天気がいい日には庭で寝転がったり、椅子に座ってのんびりしたい。


まずは何からするかな。

街は昨日も行ったし、しばらくはいいかな?


家の周りの探索をするか? もうちょいちゃんと調べてなにか危険がないかみたほうがいいのかな。

そうするか。


今はまだ昼前だしちょっと遠くまで探索してこよう。

家と畑に結界をはって出かける準備をする。

自分を結界で囲み上空へ上がる。


「さて、どっちにいこうかな?」

世界樹のほうは妖精がいるし。元ゴブリン村の草原は牛がいたよな?

川の向こうってどうなってるんだろう? 気にしてなかったけど。いってみるか。


木より少し高い位置を飛び川へ向かう。すぐに着いたのでそのまま川を越えて飛んでいく。

ずっと森が続いてるなぁ。奥には山も見える。


ボーっとしながらのんびり自転車を漕ぐぐらいの速度で飛んでいく。

やっぱり空を飛ぶとお尻がムズムズする。 慣れないなぁ。


このへんは人が住んでないけど、やっぱり辺境だからなのかな?

辺境のイメージって出てくる魔物が強くて...とか。なにか理由があって開拓が進んでないと思っていたんだが。今のところでてくる魔物はゴブリンとか弱い魔物だし。

よくわからないな。何かあるんだろうか? あの世界樹か? 世界樹がある周辺は開拓してはいけません。みたいな決まりがあるとか?


こうゆう疑問に答えてくれるナビゲーターがいればな...。

どこかになんでも知ってる重要なことを教えてくれるおじいちゃんとかいないものか。


「ん?」

考えながら飛んでると。下でなにか逃げてる音がする。木をかき分け走っている音だ。

またなんか厄介事か...? 魔物同士の喧嘩とかか?


目を凝らしてよく見てみる。

人じゃね?あれ。

人型のなにか耳のはえた人が走って逃げている。

追いかけるか? 


とりあえず追いかけよう。

飛んで追いかけていく。

「あ、こけた。」

獣人っぽい人がこけた。様子を見てみるとしきりに背後を気にしているようだ。


「グギャギャ!」

あー、ゴブリンに追われてたのか。

助けたほうがいいのかな? 逃げてるぐらいだし、倒せないってことだよね?


「だ、誰か助けてっ!」

助けよう。ゴブリンの足に狙いを定めて結界を念じる。


「グギャ?!」

ゴブリンは足止めできた。獣人っぽい人は頭に?が浮かんでるのか。不思議そうにしている。

「降りるか。」

獣人の人とゴブリンの間に降りて自分を囲ってた結界を解除する。

「だ、誰ですか!?」

獣人の人がなんか驚いてる。 そりゃ空から人が降りてきたら驚くか...。

とりあえずゴブリンは動けないし。ほっとこう。一応ゴブリンの口に結界作ってっと。

「----?!」


「大丈夫ですか?」

獣人の人をよくみると。伏せた狼耳にショートカットの黒い髪、腰からは黒い尻尾が生えているが今その尻尾は股の間に収まっている、容姿は幼い。10歳ぐらいだろうか?服はボロボロのワンピースを着ている。靴もかなり簡素な作りだ。

「あ、あなたは誰ですか?」

誰か...とりあえず名前かな?

「ケイっていいます。助けを呼ぶ声が聞こえたので助けに入ったんですが。平気でしたか?」


「あっ、助けてくれてありがとうです。」

そういって獣人の女の子は立ち上がりお辞儀をした。


助けたのはいいけど、これからどうしよう。対応に困る。とりあえずこの歳で一人ってことはないだろう。近くに村があるのかな?そこまで送るか。

「この辺に住んでいるんですか?」


「えっと。なぜでしょう?」


警戒させちゃったかな?いきなりすぎたか。

「いえ、見たところ一人のようですし。近くに家でもあるんじゃないかと思って。よければ送りましょうか?」


「えっと...それじゃぁお願いしてもいいですか?」

女の子は少し考えて答えた。


やっぱいきなり現れた人だと怪しいよなぁ。こうゆうときどうやって害がないと示せばいいんだ...?うーむ。まぁ何とかなるか。何かあれば飛んで逃げよう。


とりあえずちゃんと自己紹介するか。

「俺の名前はケイっていいます。これ冒険者のギルドカード。君の名前はなんてゆうのかな?」


「私の名前はティナっていいます。」

ティナと名乗った少女はギルドカードを受け取ると何か色々みて納得したのかカードを返してくれた。


ギルドカードって身分の証明になるのかな?一応

「じゃぁ家まで送ろうか?」

放置していつのまにか消えてたゴブリンのドロップを拾って声をかける。

「はい、お願いします。」

いきなり結界で囲むと驚きそうだし説明するか。

「あー、さっき見たと思うんだけど。俺にはスキルで空を飛ぶことができて。それで送ろうと思うんだけど大丈夫かな?」


「は、はい。」

ちょっと緊張してるか。そりゃそうだよなぁ。

「じゃぁ準備するね。」

ティナちゃんに少し近づき。自分とティナちゃんを囲む結界を作る。

「きゃっ!?」

 

「落ち着いて、大丈夫だから。」

気にしてもしょうがないか。もう飛んじゃおう。

そのまま上空へ上がる。

「きゃぁぁぁ!」

耳をペタンと伏せ尻もちをついてティナが叫んでる。

木より少し上に上がる。

「落ち着いてティナちゃん。家があるのはどっちの方向かな?」


「は、はい。えっと、家はあっちです。」

ティナちゃんは少し考えて家のある方向を指さした。

「じゃぁゆっくりいくね。」

ティナちゃんをこれ以上驚かせないように、ゆっくり飛ぶ。

まだ腰が抜けているようだがそのうち慣れるだろう。きっと。





しばらく飛んでいると慣れてきたのかティナちゃんは景色を見ている。

時々「わぁ~」とかいって喜んでるので。もう大丈夫だろうきっと。


「ん?」

前方に少し開けた草原に家が建ってるのが見えてきた。家といってもかなり簡素な作りで。木の枝と葉っぱなどを組み合わせた簡単な作りのようだ。

「ティナちゃん、あれが君の家かな?」

そういってティナちゃんに声をかける。

「あ、はい!あそこです!」


「じゃぁあそこまで飛んでいくよ。」

飛んでいくと徐々に全貌が見えてきた。

村はそこまで広くなく。家と思われる物も10個ほど建っているだけでかなり少ない。畑も各家に小さいのが付いているぐらいだ。

真ん中の広場には公園みたいになってるのか。子供と大人が遊んでる。


真ん中の広場に降りて結界を解除する。

「な、何だあれは!」

「ティナよ!」

「なに!?ティナか!?」

なんかいろいろ叫んでる。みんな獣人の人なのか何かしら動物の耳が生えているようにみえる。

「ティナ!どうしたの!」

「ママ~!」

お母さんかな?20代ぐらいの女性がやってきてティナと抱き合ってる。

放置されると困る......。なんか筋肉ムキムキの獣人の男性が数人俺を囲って睨んできている。

自分を結界で囲って安全確保するか...?それとも、もう送ったし逃げるか?

「これ、お主ら何をしておるのじゃ!」

人をかき分けてお年寄りのおじいちゃんがやってきた。この人は犬耳っぽい。けどよぼよぼだ。

「村長!」

なるほど村長か。この場を何とかしてほしい。

「お客人よ、ティナを連れてきたようだが何をしに来たのじゃ?」

まぁかなり怪しがってるよな...。仕方ないか。

「森で逃げる人影が見えて。助けてとゆわれたので助けたのが、そこにいるティナちゃんです。そのあと放置するわけにもいかず。ここまで送りに来たんです。」


「なに!それは本当か!? ティナ!どうなんじゃ!」


「は、はい。本当です。そこにいる男性、ケイさんに助けられました。」

ティナはまだお母さんと抱き合ってた。

「なんとそうじゃったか!すまんのう。お客人、うちの村の者を救ってもらったのにこんな対応をして。」


「いえ、大丈夫です。誤解がとけたならそれで。目的も果たしましたし、帰りますね。」

流れで助けてしまったが、無事送り届けたしもう帰りたい。

「いかん!それはできません!お礼をまだしておらんのじゃ!」


「いえ、別にお礼が目的で助けたわけじゃないので。」

家に帰りたいんです。

「ならば!せめてお昼をごちそうさせてください!」

まぁそれぐらいならいいか。

「はい、ではご馳走になります。」

宴の準備をせぇ!

そういって村長は村人達に声をかけていった。


















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