第13話 家へ帰る日。

13.家へ帰る日







「あー、今日は帰る日か。」

昨日晩御飯のシチューを食べ、お湯をもらい体を拭いた。

ルーティーンを済ませ、お布団でぐっすりだった。




街でやり残したことはないかな? 目的だった本と野菜の種は買った。

冒険者ギルドのカードも作ったし、魔物素材を売る場所も確保できた。

あとはこの世界の常識とかを知りたいが、それは今度でいいか。


宿を出る準備をしよう。




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「おはようございます、セレナさん。」

準備が終わり、食堂へ降りるとちょうどセレナさんがテーブルを拭いていた。

「あぁ、おはよう。宿泊は今日でおしまいだけど、どうするんだい?」


「延長は無しでお願いします。朝食を食べたら出ていこうかと思っています。」


「あいよ、じゃぁ座ってまってな。」

家に帰ったら何からしようかな。やっぱりまずは畑かな?

でも、疲れたしちょっとゆっくりもしたいな。


「おまたせ。」

セレナさんが朝食を持ってきてくれた。

「いただきます。」

今日の朝食は。

パンにウィンナー。スクランブルエッグにサラダだ。

うまそうだ。




「ごちそうさまでした。」

家に帰ってもこのレベルの料理を食べたいが。卵もなければウィンナーもないんだよな......。

次はもっと魔物を倒して売る素材を入手してから、街に来るか。

家にいた頃は肉とパンしかなかったからな...街にきて生活レベルの差を感じてしまった。

それでも街には住みたいとは思わないんだよな。



「セレナさんごちそうさまでした。」


「あいよ。」


「今日までお世話になりました。」


「また泊まりにおいで。」


「はい、また是非。」

セレナさんに部屋の鍵を返し、宿を出ていく。




宿をでて南門を目指す。

メイン通りを歩き、周りを見ながら進む。

この街は辺境にあるんだとおもってたんだが。人が多くて賑わってるな。

辺境だから賑わってるのかな? それともこの街らへんに何かあるのかな?

次来た時はそのへんも調べようかな?


色々考えながら歩いてると南門についた。

街へ入る人達は兵士に呼び止められているが。出ていく人は何もないようだ。

そのまま門から外へでる。


離れたところで空へ飛ぶか。

道なりに進み、300メートルほど離れただろうか。道の横の森へ入る。

自分を結界で囲み、上昇する。

「こんだけ高ければ大丈夫かな?」

道行く人達がかなり小さくみえる。


家に帰ろう。




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道なりに飛びながらボーっとする。

そろそろ最初にみた村が見えてくるはずだ。

行きと違って帰りは何事もなく、安心した。


「お、見えてきたな。」

村が見えてきた、街に行った後だと少し小さく見えるが。

一般的な村はどれぐらいの大きさなんだろう?全部あの村ぐらいでかいんだろうか?半径300メートルぐらいの村、外に畑もあるから実際はかなりでかい。


そんなことを考えながらも空を飛んで村を通り過ぎる。

川まで飛んでいき、上流を目指して飛んでいく。

あー、そういえば。畑作るのはいいけど。クワとかないじゃん......。

やったことないことをしようとすると。なにが必要か全然わからなくて準備できてないな。

本にも栽培の事は書いてあっても、道具までは書いてなかったしな。


「結界で何とかするか。」

とゆうか結界ぐらいしか使える力がないんだけどな。

何とかなるだろう。結界万能だし。


遠くに世界樹が見えてきた、キラキラ光っていて綺麗だ。全部あのいびきかいて寝てた妖精っぽいやつの光なのかな?

遠くから見るには綺麗なんだよな......。


見えてきた。

家のある広場だ。少し雑草が増えたかな?草刈りか...そうゆうこともしないといけないんだな。


家の前に降りて結界を解除する。家にかけていた結界も解除をする。

結界は壊れてなかったし、ここには何も来なかったのかな?

やっぱり家が落ち着くな。玄関から中にはいり、家の中を一通り見て回る。


家の中は静かで、落ち着くが少し寂しい気もする。

街では常にだれかの話し声や怒号が聞こえていたし。宿の中でも小さくではあったが声が聞こえていた。

それに比べて森の家の中は静かで、聞こえてくるのは聞いたこともない鳥の鳴き声や葉が擦れる音だけだ。

地球にいた頃は自然のBGMとかを動画で聞いてたな。

けどやっぱり自分自身が森の中にいて聞く音とは全然違う。

なんてゆうか臨場感が違う。肌で感じる。


「ふぅ。」

疲れたな。畑は今度にしてちょっとゆっくりしよう。






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「あー、いい加減畑作るか。」

気が付いたら10日ほどたっていた。のんびりしすぎたな......。

お肉も残り少なくなってきた。パンもなくなってきた。

小麦の事忘れてたな...でも小麦買ってもパンなんて作ったことないんだけどね。

異世界といえばダンジョンだが、食材のおちるダンジョンとかないのかな?

さすがにそんなに都合のいい所はないのかな...。あったら楽でいいんだけど...。


ベッドに転がりながらあーだこーだうだうだ考えている。

「はぁ。」

いい加減準備して畑作る場所とか決めるか......。





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朝の準備を済ませ外へでる。

今日は風が気持ちいいからお休みでいいかな、ってなる気持ちを頑張って抑え込み庭を見て回る。


正面がいいかな? わかりやすいし。正面が一番広いからね。

一気に広く作るか? 試しで少しだけにしておくか?


広く作っても管理が大変だし。縦横5メートルぐらいでいいか。

さて、ここで怠惰に過ごしていた10日間で考えてた畑の作り方を試すか。


結界は飛べるように、自由に動かせる。

畑って土を耕すことが必要だ。つまり。

結界で土囲んでシェイクすれば耕せるんじゃね?ってゆう単純な考えだ。

本によると、畑の深さは40センチぐらいがいいらしい。

畝を作るからそこまで深くなくてもいけそうだが。よくわからないし。40センチ掘っとこう。


土から上は1メートルほど、土から下の深さは40センチほど。奥行と横は5メートル。の結界を作る。

そしてそのまま少し空中に浮かせ。シェイクするように上下に揺さぶる。


シャカシャカ


なんてゆうか絵面がひどいな。

そういえば今軽く手で振る速度ぐらいのシャカシャカだがどれだけ早く動かせるんだろう?

試そう。


んー?なんだろう。こんなもんなのかな?

あんまり早くない。漠然と強くしたいってイメージだからかな?

まぁいいか、イメージでどれだけ強くなるかはまた今度試そう。

 

かなり混ざったかな? 結界を解除して土を戻そう。


ドサッ


次は畝作りかな? 横1センチ高さ20センチ奥行5メートルぐらいの結界を作って横に動かし土を盛る。

もっとなんかやりようがないものか.....でもまぁ体は動かさずに考えるだけで畑が作れるんだから我慢するか...。


次は種まきか。

あ、そういえば。肥料について忘れてた......。

えっとたしか本には。魔物の素材を粉砕して撒くって書いてたな。

撒く魔物の素材の強さによって成長具合やおいしさが変わってくるとか。

一般的にはゴブリンの素材でいいらしいが、追求しだすと上限がないみたいだな。


ゴブリンの素材は売っちゃったから、また倒しに行かないとな。

ゴブリン村だったとこにまたなんかいないかな? 明日見に行ってみよう。


今はお昼ぐらいか? なんだか眠いし。今日はもうベッドで寝転がってゆっくりして寝よう。






おやすみなさい。頑張れ明日の俺。


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