第12話 街にて。 #3
12.街にて #3
「あー、眠い。」
朝市に行かないとなーと思いつつ眠くてベッドの上でゴロゴロしてしまう。
明日には森に帰るんだし。ちゃんとするか。
ベッドから這い出し、朝の準備をする。
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「おはようございます。」
食堂に降り、セレナさんとリーシャちゃんに挨拶をする。
「おはよう。」
「おはよー!」
リーシャちゃんは今日はポニーテールか、おしゃれさんだな。
「朝食はいるかい?」
「はい、お願いします。」
「あいよ、座ってまってな。」
朝は人が少なくてテーブルに余裕をもって座れる。
「おまたせ。」
セレナさんが朝食を持ってきてくれた。
「いただきます。」
今日の朝食はトーストに、目玉焼きとベーコンだ。
トーストは耳が少しカリカリしている焼き具合だ、目玉焼きは黄身が半熟で、ベーコンはカリカリだ。
カリカリベーコン...日本にいたときは食べたことなくて、海外のカリカリベーコン食べたいなぁって思ってたが、まさか異世界で食べれるとはな。
今日のご飯も美味しかったなぁ。
朝食を食べ終わり、朝市にいくためにセレナさんに話をきく。
「セレナさん、ごちそうさまでした。」
「あいよ。」
「あの、野菜を買いたいんですが、朝市ってやってます?」
「あぁ、朝市ね。南門から入るメイン通りを左にいくと市があって、そこで朝市をやってるよ。」
南門ってのはこの街に入るときに通った門のことかな?多分。
「なるほど。教えてくださりありがとうございます。朝市に行ってきますね。」
そういってセレナさんに部屋の鍵を渡す。
「あいよ、いってらっしゃい。」
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南門から左か、いけばわかるかな? それに門にいくならついでに仮の証明書を返そう。
朝のメイン通りを歩く、ここの屋台は気合が入っているのか、あいてない店のほうがすくなそうだ。
いろんな人種の人達が買い物をしている、ほとんどは出かける前の朝食や、昼飯を買っているようだ。
周りの人達を眺めながら歩いていると、南門の方向からざわめきが大きくなってきた。
少し待ってると前から鎧を着た騎士達が歩いてきている、後ろには馬車もついてきているようだ。
「ん? あれは、もしかして......。」
かなり見覚えがある集団だった。ってゆうかここにくる道中で魔物に襲われてたところを結界術で加勢した人達だった。
こうして近くでみるとやっぱり豪華な見た目をしている。
金の装飾をした馬車に、騎士達はお揃いの銀色に光る鎧。武器一つとっても、きちんと手入れされているのか、光輝いている。
やっぱり貴族なんだろうか? 近くで同じようにみているおじさんに話を聞いてみよう。
「あの、すいません。あの人達って誰なんですか?」
「お? なんだ坊主しらねぇのか? あの人たちはここの領主ご一行だよ。」
「へぇ、そうなんですね。ありがとうございます。」
おじさんにお礼をいい、その場を離れる。
やべぇ、やっぱ貴族だったじゃん。逃げて正解だったな......。
道中で、出会ったときは高いとこにいたし、近くにいても気づかれないだろう。
そう思い、領主ご一行が通ってる横を通り過ぎていく。
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南門についた...が。兵士のみなさんは忙しそうだ。街へ入る人達の相手をしている人、街から出る人達を相手してる人、まわりを注意深く見まわしてる人。
それぞれの仕事に忙しそうで、声をかけるタイミングがわからない。
ここにいてもしょうがない。頑張って声かけるか。
「あの、すいません。」
「ん? なんだ?」
「街に入るときに税金を払えなくて、冒険者ギルドに入ればいいといわれて仮証明書をもらったんです、それを返しにきました。」
「ふむ、なるほどな。ではその証明書とギルドカードをこちらに渡してくれ。」
「はい。」
兵士の方に仮の証明書とギルドカードを渡す。
兵士の人は二つを見比べてなにか調べている。
「ふむ、確認が終了した。」
そういってギルドカードを返してくれた。
なんかあっさり終わったな。
朝市いくか。さっきから野菜とかを積んだ馬車がむかってる方向がある、多分そっちが朝市なんだろう。
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「ここが朝市か。」
屋台に野菜が満載のところや、お肉を吊るしているところ、なんかよくわからない雑貨が置いてあるところ。様々だ。
とりあえず野菜の売っている屋台にいこう。
「へい、らっしゃい!」
野菜の屋台にきたが、なにを買おうかな。
白菜みたいな葉野菜、じゃがいもみたいな芋類。ニンジンや大根っぽい根菜類。
玉ねぎみたいなやつもある。
「あの、野菜をこれから育てたくて、種とか売ってませんか?」
「種はさすがに持ってきてねぇなぁ。」
「ないですか。ふむ、じゃぁこれとこれとこれ、ください。」
「あいよ。少し待ってな。」
野菜売ってるとこでは種売ってないのかぁ。雑貨屋にも行くべきかな?
「おまたせ、全部で銀貨1枚だよ。」
「はい、これで。」
そういって銀貨を1枚渡す。
「あいよ、まいどあり!」
雑貨屋にいくかぁ。
野菜は白菜みたいな物とジャガイモみたいな物、あとはレタスっぽいのも買った。
アイテム袋に入れておこう。
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来た道を戻りミルト商店を目指す。
教会の角の道を曲がり歩く。教会からは子供の声が聞こえてくる。
教会は孤児院になってたりするのかな?
街並みを眺めながら歩いてると、ミルト商店が見えてきた。
結構朝早い時間のはずなのにもうあいてるのか。
ミルト商店の扉を開けて中にはいる。
「いらっしゃいませ。」
この間は猫耳の人だったが、今日はうさ耳の人だ、白い髪、白い耳、尻尾はついているんだろうか?
「あの、野菜の種が欲しいんですが置いてますか?」
「はい、ありますよ。なんの野菜の種が必要ですか?」
野菜の名前がわからない......。適当に頼むか。
「なにか適当に、銀貨5枚分ほどおねがいします。」
店員さん任せにして申し訳ないが、任せよう。
「わかりました、少しお待ちください。」
店員さんがレジから出てきて商品棚に行った。
後ろ姿を見てみると、うさぎの尻尾らしきものが服を突き出て生えている。
獣人の人の耳や尻尾はなぜこうも人を魅了するのか。触りたい。
異世界といえば魔物のテイマーだが、この世界にもいるんだろうか?
かわいい魔物とかいるのかな? そもそも普通の犬や猫に位置する動物はいるんだろうか。
「おまたせしました。」
そんなことを考えてると店員さんが戻ってきた。
「種の種類の説明をしますね。」
「はい、お願いします。」
店員さんがひとつひとつ丁寧に説明してくれるが、地球に似た野菜があっても、名前が全然違く、覚えにくいから。地球のと似てるやつは、地球のときの呼び方でいいか。 そのほうがわかりやすいしね......?
「説明ありがとうございます。これで会計お願いします。」
そういって銀貨5枚を手渡す。
「はい。ご購入ありがとうございました。」
店員さんがお辞儀をする。耳が目の前にきて触りたくなってしまう。
誘惑を振り切り店を出る。
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ミルト商店で買い物を済ませ宿へ帰ってきた。
「ただいま戻りました。」
「おかえりー!」
リーシャちゃんが出迎えてくれた。
「ただいまです。」
青い髪にポニーテールを揺らすリーシャちゃんはかわいい。
「はい、これ部屋の鍵!」
「ありがとうございます。部屋で休んでますね。」
「はーい、お疲れ様~」
そういってリーシャちゃんはお手伝いに戻った。
「はぁ、思ったより疲れたな。」
部屋に戻りベッドに腰掛ける。街に来てからは知らない人に話かけたり。あまりゆっくりできなくて。肉体的には普通でも、精神的にかなり疲れてる...。
とりあえず買った種を確認するか。
アイテム袋に手を突っ込む。
水袋×10
携帯食料×45
一般的な剣×5
一般的な盾×5
一般的な杖×5
一般的な片手斧×5
一般的なつるはし×5
一般的な弓×5
木の矢×200
肌着×7
ズボン×4
下着×2
野営セット×3
手鏡×3
白菜の種の袋×5
じゃがいもの種の袋×5
ニンジンの種の袋×5
玉ねぎの種の袋×5
ネギの種の袋×5
レタスの種の袋×5
キャベツの種の袋×5
大根の種の袋×5
種の袋が結構あるな。それに名前が本来は違うんだが。認識が地球の名前だから、名前が変わっているな。
便利だなアイテム袋。
今日寝たら宿は終わりだし。ちょうどいいな。明日帰ろう。
少し時間がはやいが食事をして寝よう。
晩御飯はシチューでした。おいしかった。
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