第3話 ファンタジーな世界だと実感しました。
3.ファンタジーな世界だと実感しました
目が覚めると寝汗の気持ち悪さに顔をしかめる。
「ぐぬぬ、寝汗が気持ち悪い......お風呂に入ってさっぱりしよう」
汗がしみたシャツを脱ぎながら階段を降り、お風呂へ向かう。
今日はどうしようか?
昨日確認したのは家の間取りぐらいだから、今日は家の周辺を確認したい。魔物がでるらしいからな、自分の能力で戦えるのか確認しないとな。
考え事をしながらも、脱衣所についた。
「洗濯機はないのか...?これか?」
木でできた樽みたいなものに魔石がくっついている、蓋を開けてみると中に棒がはいっていてこれでかき混ぜるようだ。
「魔道具ってのはいろいろあるんだな」
この世界の魔道具の種類の豊富さに感心しながらも、服を洗濯機にいれる。
動かすにはこのボタンか?...正解のようだ。洗濯機が動き出したが、音がほとんどしない。
なにか泡まで出てきている、洗剤入れてないのに便利だな......魔道具。
「洗濯はこれでいいし、お風呂にはいろう」
お風呂場への扉をあけると。シャワーに浴槽。地球にある物と変わらない物がそこにはあった。ただし浴槽は木で出来ている、むしろこれは前世より豪華なお風呂になったのでは...?
椅子に座ってっと。
シャワーのヘッドの横にボタンがついている。
とりあえず押してみた。
シャァァァ
うん、温度は常温か。さすがに暖かかったり冷たかったりはないらしい。
「シャンプーもあったりするのか?」
目の前にある台には石鹸がのっている。
これで頭も体も洗う感じか。
泡立ちも悪くないし、匂いも何か花っぽい匂いがする。いい香りだ。
頭を洗い体も洗い、すっきりしたところでもう一度体全体を流し。お風呂場から出る。
着替えをアイテム袋から出して着替える。
洗濯機を見て見ると洗い終わったのか止まっているようだ。
「もう、洗濯がおわったのか?はやいな」
洗濯機の蓋を開け中身を取り出し、横にあったかごに洗濯物をいれる。
干すところあったっけ?
かごをもったまま玄関から外へ出る。
庭には物干し竿が掛けてあったのでそこへ服をかけていく。
「これでいいか。よし、次は本命の結界術でなにができるか確認だ」
『結界術』
拒絶する力。封じる力。
LV1 『起』結界を作ることができる。形や付与する条件により消費MPが変わる
『消』結界を消すことができる。
「形や条件で消費が変わるか...この前は10センチのキューブで消費1だったな。自分を囲えるぐらいの大きさになると、どうだろう?」
改めて自分の姿を見てみる。身長は160ぐらいか?余裕をみて高さ2メートル横1メートルぐらいのをつくってみるか。
イメージを固め右手を前にだし念じる。
『起』
目の前にイメージ通りの透明な板で囲われた物がでてくる。
「ふむ、意外と簡単にできてしまった、もしかして俺って優秀なのでは.....?あっ消費MPはどうだろう?」
MPの消費だけ知りたいと念じてみる。
MP 45/50
「お、MPだけ確認できるのか」
ぶっつけ本番で試してみたが出来てしまった、結構融通が利くんだな。
そしてこの大きさで5の消費か。
結界を触ってみる、相変わらずつるつるだ。乗ってみても大丈夫だったが、殴ってはどうだろう?
耐久度が気になり、軽く殴ってみる。
ゴツッ
「いっった~」
殴ってみたが、手がいたくなっただけだった。そりゃ乗っても壊れないんだからちょっと殴るぐらいじゃ壊れないか......何やってんだか俺。
けれど、これがステータスが低いから壊せないのか、結界が硬いのか。気になってきたなレベルが上がると変わるんだろうか?
自分の力に自信がなくなってきた。
ふぅ、まぁいいや次の確認に行こう。
これ結界の中の空気はどうなってるんだ?結界は空気を閉じ込めるんだろうか?どうやって確認しよう。
焚火をつけてそれを結界で囲むか?
とりあえず今だした結界を消してっと。
『消』
現在のMPは。
MP 47/50
ふむ?少し回復してるな。回復量は毎分1づつぐらいか?
たしかアイテム袋に野営セットがあったな、それに焚火台があるだろう多分。入って無ければ結界の上にでも薪を乗せて燃やそう。
腰につけていたアイテム袋から野営セットを取り出す。
焚火台に火打石、調理道具に調味料一式にナイフがいくつかはいっていた。
「さすがに薪はないか。その辺に落ちてるのを拾うか」
その辺に落ちていた枯れ木を集め焚火台にセットする。火打石で火をつけてみる。
「ぐっ結構むずかしいなこれ」
カチッカチッと音が鳴って火花が散るが中々薪に火がつかない。
「そういえば火口と言われる燃えやすい何かが必要なんだっけ?何かあるかな......」
周りを見渡して探してみるが丁度よさそうなのが見当たらない。
「あ、確か動画で見たやつでは薪をナイフで削って火口を作っていたな、やってみよう」
前世で見たサバイバル動画を思い出しながら薪をナイフで薄く削っていく。ナイフが思ったよりも切れ味がよくて少し怖かったので、慎重に手元が狂わないようにゆっくり削っていって何とか火口が完成した。
「後はこれをセットしてっと」
削って作ったばかりの火口に出来るだけ火花が付くように位置を調整しながらも何度か挑戦して苦労しながらも、火をつけることに成功した。
「ふぅ。火をつけるってむずかしいんだなぁ」
切実にチャッカマンが欲しい。
さて、それでは。焚火台を囲めるほどの結界をイメージして念じる。
『起』
うまく囲めたが。これがどうなるかな...?お...?
焚火台の火が消えた。
「どうやら結界内の空気は限られているようだな」
あれだけ苦労してつけた火が一瞬で消えるのは物悲しさを覚えるがしょうがない、この実験は有用だった。
自分を結界で囲むときは気を付けないとな。
消費MPはっと。
MP 46/50
これで1か、そういえば結界術には条件を付与することもできるんだったな。
『消』
一度結界をけして火口をもう一度つくり、再び焚火に火をつける。
焚火が出来たので今度のイメージは空気を通す結界。
手を前にだし念じる。
『起』
これならどうだ?......うん、時間が経っても火が消えないな。思っていた通り、想像次第で色々と出来るみたいだ。
消費MPはどうだろう。
MP 41/50
消費は5か、複雑な条件になると消費が増えるかんじかな?
『消』
「よし、ご飯にするか。」
昨日と同じメニューで食事をする。塩コショウで味付けしたお肉とパン、前世ではそれなりに自炊をしていたが何となくめんどくさいので暫くはこれでいいや。
「今何時ぐらいなんだろう?昼前...?」
ひとつ不便なのは異世界は時間がわかりにくい。時計の魔道具もあるのかな?
「ごちそうさま。洗い物するか」
石鹸とスポンジがあったのでこれでお皿を洗っていく。昨日つかったお皿と今日のお皿を洗いながら考える。
「たしか近くに川があったな、アイテム袋にある水袋も無限じゃないし確認しておこうかな」
昨日この家に入る前にかすかにだが水の音が聞こえていた、恐らく近くに川があるはずだ。
洗い物も終わり出かける用意をして、外へでる。
「さて川は、たしか家を出て左のほうで音がしていたな?」
家をでて左にある森に、恐らく川がある方向に向かって歩き出す。
今日は、日がでているが暑くもなく風も吹いていて過ごしやすい。
「季節があるとするなら今は春あたりかな? いい時期に転生してくれたようだ」
15歳の体になったからだろうか。体も軽く気分も上がっている。
森の中は緑の匂いでいっぱいで気持ちがいい。くるぶしほどの長さの草が地面いっぱいに生えていて、木々なんかもちょうどいい間隔で生えている。
地球では手入れされていない森は鬱蒼としていて視界も悪く暗くなってしまうが、ここの森は誰かが手入れしているのか?ってぐらいちょうどいい具合になっていて散歩するだけで気持ちのいい森だ。
暫く歩いて、森を抜けると川がみえてきた。
「綺麗な川だな、それに音もいい」
川幅は3メートルぐらいだろうか?深さもそこまでなく、膝あたりぐらいだろう。
遠くの上流の方で鹿っぽい動物が、水を飲んでいたがこちらに気づいたのかその頭を持ち上げてこちらを見ている。
「魔物だけじゃなくて、ちゃんと動物もいるんだな。それに動物が飲んでるってことは飲める川か」
鹿っぽい動物...鹿っぽい魔物じゃないよな?
「ま、わからんか」
そんなことを呑気に考えていたが、俺は忘れていた、ここは魔物がいる異世界だと。
ガサッ
「ん?なんだ?」
音がしたほうに振り返るとそこには奇妙なのがいた。
身長は1メートルぐらいでがりがりひょろひょろ、お腹だけがポッコリと膨らんでいるそして緑色の体、腰にもうしわけ程度の布をまとっている。
奇妙なのって言うか。異世界代表ゴブリンだった。
「おぅ。ファンタジー。」
魔物をみて改めて。
ファンタジーを実感しました。
名前:ケイ 15歳
LV 1
HP30/30 MP50/50
体:15
力:8
魔:20
守:5
速:10
スキル 言語理解 結界術Lv1
『言語理解』
あらゆる言語を理解し話すことができる、文字もかけるようになる。LVはない。
『結界術』
拒絶する力。封じる力。
LV1 『起』結界を作ることができる。形や付与する条件により消費MPが変わる
『消』結界を消すことができる。
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