第2話 転生してから。

2.転生してから








「ふぅ。」


落ち着いてきた、取り合えずいろいろと確認するか。

自分の体をみてみる、細い手、すらっとしたお腹。黒いシャツの少しざらっとした肌触り。ズボンは茶色か。

こういうときのお約束はっと。




「ステータス」




名前:     15歳


LV 1


HP30/30 MP50/50


体:15

力:8

魔:20

守:5

速:10


スキル 言語理解 結界術Lv1





「わかりやすいステータスだな、シンプルでいい。」


神様が言っていた通りちゃんと15歳になっている、張りのある肌。しわの無い手。若いっていいな。


ん?名前がない。転生したから?新しく生まれ変わったという事だろう。

名前ねぇ簡単なのでいいか。




名前:ケイ   15歳


LV 1


HP30/30 MP50/50


体:15

力:8

魔:20

守:5

速:10


スキル 言語理解 結界術Lv1





うん、これから俺はケイだ、異世界なんだし苗字は必要ないだろう。それにもしかしたら苗字があるのは貴族だけってパターンもあるからな。


次はスキルの確認だ。

こういうときはステータス画面をタップするか念じるか。

うむ、念じるだけでいいみたいだな。



『言語理解』

あらゆる言語を理解し話すことができる、文字もかけるようになる。Lvは無い。



もはやこれがチートなのでは?この世界にどれだけ言語の数があるかわからないが全て理解できるなら途轍もない力になるだろう。古代遺跡に眠る今はだれも理解する事のできない文字とか?わくわくするな!


次は結界術か。



『結界術』

拒絶する力。封じる力。

LV1 『起』結界を作ることができる。形や付与する条件により消費MPが変わる

   『消』結界を消すことができる。



説明がかっこいいな、中二病的なのはちょっと恥ずかしいがそういった世界なんだから逆に楽しむしかない。だが説明を読む限りいい力だ、形が決まってないのがいい。試してみよう。


これが詠唱か?




『起』




なにも考えず使ってみた。すると足元に10センチほどのキューブが現れた。


「なるほど、これが結界術か。」





名前:ケイ   15歳


LV 1


HP30/30 MP49/50


体:15

力:8

魔:20

守:5

速:10


スキル 言語理解 結界術Lv1





消費MPは1か、簡単だからか?かなり消費が少ない。

しゃがんで触ってみる、感触はつるつるしてる?硬さはプラスチックみたいなガラスみたいな。だけどびくともしない。



グッ



強めに押してみたが壊れない。硬いな......

乗ってみるか?



「よいしょっと。おっ?乗れるな」


片足立ちでバランスが悪いがなんとか乗れた、これは...かなり使えるな!

ふふふ......楽しい。


幾つか足元に結界のキューブを作って飛んで乗り換えてみる。



カサッ



「ん?なんだこれ?」


ポケットから折りたたまれた紙が落ちた。これは手紙か?




拝啓 転生者くんへ



手紙に気づいてくれたかな?僕の世界はどうだい?スキルも、もうためしたかな?

言い忘れたんだけど、君は人里離れたところにいるから特典をおまけしておいたよ。

近くに家があるはずだ、探してみてね?

家の中にはいろいろあるから見てみるといいよ。

それじゃ頑張ってね?



                     神様より




「あの神様は優しいな。家か、転生することしか考えてなかったからこういった気遣いは嬉しい。」


周りを見てみる。あれか?



遊んで駆け回れるほどの広場に一軒家がたっていた。

前世の地球でよくあったような一般的な住居だ。恐らく木造で2階建てになっている。



「とりあえず中に入って見てみるか、そのまえに。」



『消』



出しっぱなしだった結界を消す。



「それじゃ見てみよう。」


家に近寄ってみる。玄関の扉を掴んでみるが、鍵はかかってないようだ。


「鍵がないのか、不用心じゃないか?」


前世では鍵の無い家なんてありえなかったんだけどな。

まぁ周りには俺しかいないし、いいのか?




「おじゃましまーす」

玄関の扉を開けて中へ入る、神様がくれた自分の家だといわれても思わず言ってしまう。



ふむ、広さは20畳ほどか?キッチンもあるのか奥にそれっぽいのがみえる。

ここはリビング兼キッチンのようだな。


置いてある机は4人掛けのようだ。それにソファーが置いてありその前に暖炉もある。


キッチンのほうにいってみよう。

4口のガスコンロっぽい物に流し台。食器棚もあるな。冷蔵庫はないのか?

これか?



冷蔵庫っぽいものをあけると、なにかお肉とパンがはいっている。


「なんの肉だこれ?ちょっと怖いな。ふむ、パンは普通だな。」


異世界のお肉なのか前世のお肉なのか手紙に書いておいて欲しかったな。


それにしても動力はなんなんだろう?

そう思って冷蔵庫をよくみると側面になにかクリスタルのようなものがはまってる箇所がある。

クリスタルから線がでていてそれが冷蔵庫につながっているようだ。



「これは、まさか魔石か?ってことはガスコンロっぽいものにも?」


そう思い見てみると、ガスコンロの横にも冷蔵庫と同じようなクリスタルがついている。



「神様が魔道具があるといっていたけど、これがそうかな?」


一通り見て回って満足したのでキッチンを後にする。



キッチンの横は廊下になっていて階段もあり2階に続いてるようだ。こっちはなんだ?

階段は後にして、そのまますすむと途中に扉がある。



「ここはトイレか?」


洋式の便座がある。さすが神様、いい配慮だ。和式は苦手だからこれは嬉しい。

トイレットペーパーは少しざらついているが、気になるほどでもないようだ。

ここにも魔石がついている。恐らく水を流す装置の動力源かな?



トイレの扉を閉めて再び廊下を奥まで進むとまた扉があった。



「ここは脱衣所に洗面台?お風呂か。」


ありがたい、そこまで気を使ってくれるとは。

お風呂場の中を見てみると前世で使っていたようなお風呂がそのままあった。浴槽にもクリスタルがついてあるので魔道具になっているんだろう。



お風呂場を後にして廊下に出る、残りは階段か。

階段をあがると廊下が続いていて扉が3つある。



手前から8畳ほどの部屋。



次の部屋も同じ。



次も同じ部屋か。



リビングキッチンにトイレにお風呂、それに部屋が3つ。十分だな。

最初にあけた階段から一番近い手前の部屋に再びはいる。



部屋の中にはベッドがあり机がありクローゼットがある、最低限の物しかない部屋だ。


「ん?」


机の上に手紙が置いてある。これは神様か。




拝啓 転生者くんへ


家の中はみてまわったかな?どうかな?必要な物はそろえておいたつもりだけれど。

多分察しているだろうけど、全部魔石で動いているから。動かなくなったら自分で魔石をとってきて補充してね?

魔石にもランクがあるけど、家の周辺にいる魔物からとれる魔石を使っているから安心して。

あとこの手紙がおいてあった机の引き出しにおまけ特典その2があるよ。

簡単に説明するとアイテム袋、よくあるアレだよ。

いくらでも物がはいって時間が止まってるってやつだよ。

便利でしょ?

それじゃいい転生ライフを~



                     神様より




「おまけ特典がおまけのレベルを超えてる件について。」


ありがたい。もらっておこう。

机の引き出しを開ける。そこには片手でもてるほどの袋があった。


「これか、中に何か入ってるのかな?」


手を突っ込んでみる。

すると頭の中にリストが浮かんでくる。




水袋×10

携帯食料×50

一般的な剣×5

一般的な盾×5

一般的な杖×5

一般的な片手斧×5

一般的なつるはし×5

一般的な弓×5

木の矢×200

肌着×10

ズボン×5

下着×5

野営セット×3

手鏡×3




「なんかいろいろ入ってるな。」


手鏡?そういえばまだ自分自身の顔を見てなかった。

手鏡を取り出してっと。



「ふむ。イケメンではないけれど不細工でもない、普通だ。」


なんともいえない顔。黒い髪に少しボーっとしてる感じの顔か?

まぁいいか。



ぐぅ~



「お腹すいたな、なにか作るか。」


部屋からでて階段を降りキッチンへいく。

窓から見える景色はオレンジ色に染まっておりいつの間にか夕方になっているのがわかる。

キッチンにある冷蔵庫をあけ、中身を物色する。



「このお肉たべれるんだろうな?焼いてみるか......」



キッチンの壁に掛けられていたフライパンを手に取りガスコンロにおく。


「火のつけ方は、このつまみか?」


ガスコンロの手前についていたつまみをひねる。



カチッ......ボッ



うまく火がついた。

あらかじめ薄切りに切られていた肉を並べていく。



じゅうぅぅぅ~



「う、うまそうな匂いだ。味付けはっと、これは塩か?」


ガスコンロの隣に並んでいた瓶をあけて舐めてみる。うん。塩だな。

その隣には胡椒、砂糖、その他にも調味料はそれなりにあるようだ。

お肉に塩と胡椒を振りかける。

冷蔵庫にパンもあったな出しておこう。



「うん、うまく焼けたな。」


食器棚からお皿を出しお肉とパンをのせる。


「いただきます。」


もぐ



味付けは塩コショウだけだったがうまいな。なんの肉かしらないがあの神様の事だ食べれないことはないだろう。



「ふぅ~ごちそうさま。」


食べ終わりお皿を流しにもっていく。


「洗うのは明日でいいか、今日はもう疲れた。」


お腹がいっぱいになったからか眠気がきた。

リビングにある窓からはもう日が入ってきておらず夜になってきているのが分かる。


なにか明かりはないのか?これか?

ランタンの形をしたガラス製の物に魔石がついている。

ふむ、このボタンか?

どうやら正解のようだ、優しいオレンジ色の光がついた。



階段を上り一番手前の部屋にはいる。

ベッドは少しかたいが寝れないことはなさそうだ。



「おやすみなさい。」


そういって瞼を閉じるとすぐに意識がなくなる。









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