基本的にダイナミック
「うまうま♡」
ヤナカも、
「ヤナカは本当にいつも美味しそうに食べるなあ…♡」
それがいつもの誉め言葉だった。
「よせやい! 照れるぜ!!」
ヤナカはそんな風に応えながら顔を逸らして、でも今度は副菜の果実をやっぱり手掴みでガリガリと食べていく。
そんな彼女の弟妹であるアケボ達も、豪快に貪る。決して品はないかもしれないが、本当に朗らかな食卓だった。
こうして食事が終わると、
「お風呂も入っていけばいいよ」
ヤナカ達の母親のアカネが、片付けをしながら、自分が使った食器を運ぶマヒルに言った。すると、アケボ達が、
「はいろー! はいろー♡」
と、やっぱり自分が使った食器を運びながらせがんできた。
「うん、分かった。一緒に入ろ」
マヒルが笑顔で返す。こうして、ヤナカの家の風呂に、アケボ達と一緒に入ることになった。これもいつものことだ。
それもあって、風呂は一度に入ることが多い。なので、風呂はだいたい大きい。浴室自体が四畳半くらいの広さがあり、浴槽はその半分くらいの大きさだ。こうやって一度に入ることで時間を節約しつつスキンシップを図る。
風呂は、重要なコミュニケーションの場所でもあるのだ。
マヒルは、上は襟が大きなTシャツで、ボトムは、ハーフパンツのようなそれだった。ただし、後ろは丸く大きく開いていて、尻尾の上でベルトを止めるようになっている。基本的に下着はつけない。そもそも丈夫な鱗で覆われている体は服で守る必要がなく、着る必要もないものの、何となく気分で着るようにしてるだけである。
これは、ヤナカ達
こうして皆で風呂に入り、
「ぎゃーっ! ぎゃーっ!」
「きゃはははは♡」
楽し気にはしゃぐアケボ達を一人一人つかまえて、マヒルがたっぷりと泡立てた手で洗っていく。
「にゅふ~っ♡」
それが気持ちよくて、アケボ達も満足げなのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます