晩ゴハンだ!
「うんせ! うんせ!」
「きゃはははは♡」
ヤナカの弟妹であるアケボ、ユグレ、ヨイノ、ハクボは、マヒルの体に登って、腕にぶら下がって、頭から飛び降りて、また昇って、ということを繰り返していた。それがとにかく楽しいらしい。
鳥の意匠を持つアケボ達は、
性格としては快活でやや乱暴な傾向がある。なのでヤナカがマヒルに不意打ちを食わせようとしたのも、元々の種族的な性格の影響も大きい。そしてマヒルは、ヤナカのそういう部分も承知の上で付き合っている。
だからマヒルも、ヤナカのそういう活発なところが好きだった。
と、
「マヒル~! ゴハンできたよ~!」
家の窓から顔を出し、ヤナカが笑顔で呼んだ。
「うん! 分かった。じゃあ、晩ゴハンだ!」
「は~い♡」
「ゴハン~♡ ゴハン~♡」
マヒルの体にしがみついたまま、アケボ達が嬉しそうに声を上げる。マヒルも、そのままで家に入っていく。すると、家に入った途端に、
「ぴゃ~っ♡」
「ぎゃは~っ♡」
アケボ達がマヒルの体から飛び降りて、それぞれの席に着く。家の中はフローリングで、日本のように下ばきを脱いで上がるタイプの住宅じゃなかった。
と言うのも、そもそもヤナカ達は靴を履く習慣がなく、マヒルも基本的には履かないからだ。ヤナカ達の足には大きな鋭い鉤爪が生えていて、歩くのはあまり得意ではない。それこそ十分以上歩くことはほとんどない。
家に帰る時、ヤナカがマヒルに肩車してもらったのも、実はそういう理由があってのことだった。
ちなみに椅子に座る時も床などに足を着けるのではなく、
なので、
その点、ヤナカ達は、マヒルがこうして家にいることも多いので、敢えて彼に合わせて、ダイニングについては床板を張り、リビングなど他の部屋は根太が剝き出しになっている。
「いたただきま~す♡」
テーブルに並べられた、<
「いただきます」
マヒルも手を合わせたのだった。
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