Day6


 今日も茶々丸はのんびり眠っています。今進行形で光が茶々丸を覆っているのも気づかずに。





「あなたが私のパートナーですね。よろしくお願いします」


 茶々丸は少女の前で眠っています。どうやら少女が何かしらの力で茶々丸を召喚したようです。



「ミャオ?」


 ようやく起きました。眠たげに目を擦っています。


「私は佐野 初美です。幻獣召喚の超能力で喚びました。青少年超能力大会で勝ちたいのでお力添えをお願いします!」



 ご親切に説明してくれました。名前は日本名ですが、超能力の大会があるということならパラレルワールドでしょうか。しかも茶々丸が幻獣扱いされています。茶々丸は普通の猫です。



「ミャッ!」


「分かりました。高級なものを用意します!」


 ちょっと待ってください。貴方も茶々丸と会話ができるんですか? ただの人間の癖に!


 …………ゴホンッ。少し取り乱しました。


「今から始まります。バトルロワイヤル形式なので、好き放題やっちゃってください!」


「ミャオ」



 普通、当日に召喚しますか? もう少し余裕を持った方が良いでしょうに。


 この前も闘技場で戦いましたし、何か大会に縁があるのかもしれませんね。




「さぁ! 始まりました! 青少年超能力大会! 選手の皆さんは入場してください!」



 十人程の子供達がステージに上がりました。何か変な機械を身につけたり、ピチピチのスーツを着た人など、奇抜な服装の集団です。



「バトルロイヤル、始め!」


「『振動』!」「『氷結』よ!」「『温泉』」



 次々と超能力を使っていきます。が、

「ミ゛ャー」


「「「「ぎゃあああ!」」」」


 勇者の力を持った茶々丸の敵ではないようです。爪を大振りで振ると全員倒しました。







 …………召喚した少女も巻き込んで。



「ミャ」


 しくじった、と言わんばかりに口を開けています。ポンコツです。そんなところも可愛いですね。




 しかし、召喚主が倒れたということは……


「ミャ!」


 帰れるということです。心しか喜んでいるように見えます。来た時と同じように光に覆われます。

 







「ミャッ!!!!!!!!!!!!」










 !?



「ミャオ」


「えっと、はじめまして?」


「ミャ?」


「どうやってここに?」


「ミャオ」


「相変わらず分かりませんね。でも、ダメですよ。ここは普通の生き物が入ってきたら」


「?」


「もう家に帰ってください」


「ミャ」



「ミャ!!!!!!!!!!」









 無事に帰れたようです。まさかこの部屋に入ってくるとは思いませんでした。あの子、本当に普通の猫なんでしょうか?



 そんな私の疑問は置いたまま、茶々丸の日常、もしくは冒険はまだまだ続きそうです。






 ――END――

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田中家ぬこ様無双記録 弍射 都 @yomusenn210

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