Day4
桜が散り始め、次第に気温が高くなっています。春の終わりが近づいている証でしょうか。
日が沈み始めた頃、日中の暑さを室内でやりすごした茶々丸が外に出てきました。
「ミャ〜」
住宅街の塀の上をのんびり歩いています。しばらくすると空き地に到着しました。ここにどんな用事があるんでしょうか。
「ミ゛ャー」
「「「「「「ミャー」」」」」」
茶々丸が空き地にある土管の上で、狼の遠吠えのように鳴き声をあげると、草むらから、土管の中から、などなど至る所から猫が集まってきました。
猫の集会でしょうか。何が行われるのでしょう?
「ニャニャニャ」
「ミャオ」「ミーヤ」「ミョー」「二゛ェー」…………
会議をしているようですが、猫語は分からないので困りました。何やら真剣な顔つきで長引きそうです。折角なので適当にアテレコしてみましょう。
「ミャオ〜ン(であるからして町の治安は悪化する一方だ。打開策のある者は言ってみてくれ)」
「ミャー(まずは隣町のヤツらをしばくのがいいと思いますぜ、兄貴!)」
「ニャニャ(待て、先に犬どもと和解して町の治安を向上させてからだ)」
「ニャ(そんなことより今日魚屋の人間がうめーもんくれたんだよ)」
「ミャミャ!(ボス、今日もカッコイイわ〜❤)」
「ニャ〜(ホントよね〜。いつになったら
適当過ぎましたが自由な猫のことですし、案外こんなもんかもしれません。
私のイメージでは茶々丸はイケネコでモテモテですので、理想も混ざっているかもしれません。
会議(?)は続きます……
日が完全に沈み、夜になりました。議論が白熱したのか、うるさすぎて近所のおばちゃんがホウキ片手に乱入するなどのハプニングもありましたが、そこは腐っても勇者、難なく肉球パンチで撃退しました。
肉球パンチは猫パンチより威力を落とすことで一般人が受けてもいいようにした技です。配慮してくれるなんて、優しいなー。
そんなこんなでワチャワチャしていましたが、夜になったのに気づいたようです。
「ミャー」
「「「「「「ミャー」」」」」」
解散したようですね。少し疲れているように見えますが、大丈夫でしょうか?
家に着きました。
「ミャー」
「茶々丸、おかえり」
網戸から帰ってきたのにお咎めは無いようです。美里さんは優しいですね。
「あう! たゆたや!」
美里さんは長女の花子ちゃんをおぶって夕飯を作っていたようです。
花子ちゃんは田中家の末っ子でまだ1才の赤ちゃんです。可愛さでは茶々丸といい勝負ができます。
「ミャオ」
茶々丸は猫用布団に戻ってしまいました。気ままに暴れるより集団を統率する方が疲れるということでしょう。今日の冒険はお休みですね。
明日は沢山暴れましょうね。
「ニャ〜」
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