第11話 殲滅なんて、するわけがない!




『惑星規模探索開始! 各種センサー稼働良好。精霊騎位置特定開始。進捗良好』



 ひゅううううーーーん。



 ナビ子さんの声と共にロボットの装甲が小さく震える。心持ち、ちょっとだけ嬉しそうに聞こえる。ロボットの喜びか、ナビ子さんの喜びか、両方かな。


 だったら、俺も嬉しい。



『アルファンド、ちょっとこの惑星を周回して貰えますか。周回軌道はナビゲーションします。ハンドオーバー』


「おう、まかせとけ!」


 俺は、ついに自分の意思でこのロボットを動かす。惑星のはるか上空、ほぼほぼ宇宙空間で、俺はナビ子さんの指示したルートを飛翔する。



 楽しい! 気持ちいい! これがロボット、これが操縦!


 俺は今、ロボットを操縦しているんだ!!



『慣性制御良好。落下感覚キャンセル正常。微量のGで速度感を実現していますが、いかがでしょう』


「うん、良い感じ。慣性制御で永遠に落下してる感じじゃなくって、なんかこう、飛んでる感覚が凄い楽しい!」


『ありがとうございます。このまま惑星探索を続けますので、周回動作をよろしくお願いします』


「了解っ!!」



 ◇◇◇



 そんなわけで10分くらい後なんだけど、モニターが物凄いことになっている。なんでか分からないけど、分かる。とてつもなくマーカーらしき光点がごちゃごちゃしているけど、理解できてしまう。これが思考制御ってヤツなんだか。


 まあいいさ。分かるんだから。



『全球探索を完了しました。当惑星に存在する稼働、非稼働騎体、合計数は450241騎となります。内、地表上で稼働可能な騎体は184531騎です』


「結構動いてないのがいるんだね。それって保存? それとも未発掘?」


『モスボールが48564騎です。それ以外は地下にあるようですね。未発見と断定できます』


「見逃しとかは無いよね?」


『繰り返しますが、断定しています。コアまで完全に走査した結果です』


「ごめん、ありがとう」



 さて、どうしたものか。



「あのもしさ、ここから連中を殲滅って出来るの?」


『可能です』


「方法は?」


『標的機体内部に反物質粒子か、マイクロブラックホールを生成するのが手早いですね。現状であれば、稼働騎体に限定すれば、14.8秒以内に消滅可能です』


「うわぁ、レーザーでもビームでもないわけか」


『いかがいたしますか。わたくしとしては、一部に思い入れのある騎体もあるので、完全殲滅は避けてもらいたくは思います』


「しないさ、そんなこと」



 そもそも、そんなの格好良くない。だから。



「直接行くぞ!!」



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