///   16日目 ルナ視点

夜中行われた捜索は、何の成果も得られなかった。


朝になってからも、暫く探したが沼地には何の跡もなかった。

沼はハズレのようだ。

ドラゴンを使って探しに行った捜索隊は、上空から人影を確認できず、上陸して痕跡を探したそこもハズレ。

海の方も、昼まで寝ずに探していたが、見あたらなかった。

電気と機械の国の警戒船に攻撃されたため、損傷した状態で帰還した。


トステと連絡すると、昨日から見当をつけていた場所の可能性が高いと言う。

捜索隊は解散され、ニルスとぼく、トステで話していた。

『ニルス、昨日から今日にかけて電気と機械の国に行った人はいる?』

「やはり、もうそこでしょうね……。居ます。まだ帰ってきていないので待つか、定期船にのって直接向かうしかないです。」

『あそこでは魔素が多い人は特殊な器具で魔素を飛ばされるし、入り口で魔石関連は没収されるから……貴方が行っても本当に“見てくるだけ”になるわよ。』

「ぼくいくー!」

『アンタは国を壊しに行く感じになるわね。』

「ぶっこわすー。」

『全員死んだら意味がないわ。あの子が死んでたら壊して良いけど。』

「らじゃー!」

ニルスがまた震えてたので少し黙った。




夜になって事態が急に進んだ。

ニルスが調べていた電気と機械の国への渡航者が帰ってきたのだ。

彼は仕事の話をしに行ったらしいが、入り口で門番に抱きつかれて不愉快だったと憤慨していた。

「帰る前にクレーム入れてやったから、あいつは明日にでもクビになるな!」と笑っていたそうだ。

ニルスが詳しく聞くと、魔素を基準値にするために反発体質のの人間を使ったそうだ。

魔素を散らす機械は時間がかかる上、電力を多く使う。しかも高価だ。

短時間で入国したい人に試用として案内されたらしい。

「反発体質の人間……恐らくそうでしょう。トステ様、行って参りますね。」

『ルナ、おすわり。』

トステはニルスの返事をする前にぼくを座らせた。

興奮していたのがばれてしまったようだ。

『頼むわね、ニルス。』

「はい。早急に確認します。」

ニルスはまっすぐ港に向かった。

よろしくねー。



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