18日目


殆んど回復した。


静かなベッドって幸せだ。

野菜餡掛けスープのようなものが出たのでのんびりすすった。

酸素値も常に調べられており、治療費が高そうだなと思った。

YZ-99さん大丈夫かな。


劣悪な環境で働かされている門番達を哀れんだ。

かといって、私にはチート能力があるわけでもないし、トステさんはこの国嫌いだから関わりたくないだろうし……。


採血をしに来た看護師に聞いた。

「この国はどうして魔法に頼らないんですか?」

「あなたのように魔素反発体質の人が作ったんです。

魔素に頼らない国が欲しいと。

反発体質の人は非常に稀で、あなたレベルの方は見たことがないんですけど……魔法が苦手だったり、魔素がつきにくい体質だったり。そんな人が集まっているんです。」

なるほど。

「その最初の人って、異世界人ですか?」

「その可能性が高いと言われています。

多くの設計図を作ってくれました。

建築・電気工学・医療等の幅広い知識を持っていて、集まってきた人たちと協力して国を作り上げました。

異世界人は魔素が馴染まないことが多いから逃げてきたら保護するように、という法律も最初につくられたんです。」

話しているうちに採血も終わってしまった。

「ありがとうございます。採血、お上手ですね。」

看護師は可愛らしく笑って病室をあとにした。


トステさんが来る前に転移した人だったのだろう。

きっと、これから来る人たちは……トステさん達がいる間は、逃げてくるなんてことにはならないだろうな。


……あ、ルナくん、大丈夫だろうか。

魔女の家にいないことは昨日伝わっただろうし。

きっと大丈夫だ。




その後は健康的なお昼を食べ、ジムのような場所で少し運動させてもらい、健康的な夕飯を食べ、シャワーを浴びて寝た。


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