「彼岸」その2
「…本当に死後の世界ってあるもんなんだな」
あのおじいさんから聞いた話だと、死んだ人はひとまずここに送られて、そこから天国だったり地獄だったりに行くらしい。
さらにそこに行く前に閻魔様に生前の行いを判断されるらしいが…。
(まあ…、天国行ければいいかな)
不思議と今の状況を受け入れている自分がいる。
というかまだ死んだ実感が湧いてない。ただ別の世界に来たという、いわば観光気分だ。
他の人も死ぬ時は同じなんだろうか。と思いながら老人に示された方向へ自転車を漕ぎ続ける。
どうやらこちらに行けば閻魔様のところに案内してくれるらしい。
老人の話曰く、行けば分かるらしいが…。
「…嘘だろ」
見た事がある建物だ。
絵本とか小さい頃に童話アニメで見た、いかにも。みたいな建造物ではない。
もっと身近、というか最近。もしかしたら毎日見てる人もいるー。
「…駅じゃん」
駅だった。
昔みたいな無人駅や駅員が切符を切るような趣があるやつではない。もっと○Rとか京○線とかが5分おきくらいに来る感じの駅だ。
なんなら周りにはホテルや電器屋、バスターミナルもあるしなんならゲーセンもある。
「HR…なんて読むんだこれ」
HR…もしかしてHIGAN Railwayの略なのだろうか。そしてその後の漢字…。
(お寺とかで見た「禅」に「定」める?)
よく意味が分からなかったが、とりあえず最近の交通機関と同じなら勝手は分かる。
「とりあえず進もう、目的地はー。」
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