第11話
「おん、案外こってないのね。」
「そうね…筋肉があまりついてないからかしら?」
しかし、多少なりともこっている所はあり気持ちよさそうな表情を浮かべるミナト。
肉を食えといいながらも、オオダも肩揉みを続ける。
「今度はオオダドンの番ね。」
こんなものかな。
そう思ったミナトは、くるっとオオダの後ろに回り込んで肩を揉み始める。
かっった、石かよ!
ミナトの握力が無いのもあるが…それを差し引いてもオオダの肩の固さはやばい。
女性は比較的肩が凝りやすいというから仕事もそうだが、原因の要因としてアレもあるのか。
ミナトはオオダの胸を見る。
いつもいつもソレが障害になるのか。
チィイ…。
などと思っていたら、オオダが心配そうに振り返っていた。
「ミナト、無理はしなくていんだよ?
ウチの体はこりやすいのか、整体師クラスじゃないと無理みたい。
研修が終わって直ぐの人がウチのマッサージをしたけど、すぐにベテランの人と交代したんだもん。」
握力が無いのは自覚してるが、満足に友人の肩を揉めないのは歯痒い。
困ったミナトの視線には、ほかの種類の湯船が間に入った。
「アレをやればいいんじゃない?
悲しいけど、私がやるよりマシでしょ。」
ミナトが指さしたのは、電気風呂とジェット風呂だった。
電気風呂かぁ…とボヤくオオダ。
幼少の頃に入って嫌な感じがして入るのをやめて以来近づいていないそうだ。
「まぁ…電気風呂もジェット風呂もそのためにあるようなものだし入ってみましょう。」
二つ並んで設置してあるので、隣同士で2人はゆっくりと浸かる。
小さな椅子を思わせる作りで、入る人を囲うようにある壁には小さな穴がありそこから電気が流れるようだ。
入るように振ったミナトも、電気風呂はあまり入った事はなくドキドキしながら身構えていた。
電気は、長く流れている時と刻んで流れている時と休むための止まっている時の3パターンがありマッサージチェアのようだった。
「ここでもマッサージチェアかぁ…。」
「なんしたの、急に?」
いや、別にとオオダの言葉に返事したミナト。
昔と比べて技術が上がったからなのか、それとも自分の歳が変わったからなのかは知らないが思ったより電気風呂は気持ちよかった。
程よいピリピリとした圧のようなものが大変心地よい。
最初はビクついていたオオダも、花畑が咲いたような表情で電気風呂に使っていた。
長く入ってはいけないようなので、3パターンの流れを2周した所で2人はジェット風呂に向かって移動する。
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