第2話 闇結社の会議
「えぇ〜、それじゃあ、第七十七回、闇結社の最高幹部会議を始めまーす。拍手!」
「パチパチパチー!!!」
「口で言う馬鹿がいるか」
「ボクはそう言うの好きだよー?」
「私は感動しております!」
「…うるさーい」
「新作の衣装でないなぁ」
「今回はどんなバカげた事を?」
「長くなりそうなら茶でも用意しましょうか」
うーん。いつも通り賑やか!
でも、話しが進まないから一旦ストップ
「静粛にー。それで、今回の議題は『勇者と魔王の決戦を最高の舞台にする方法』。質問ありますかー?」
「はい!」
「はい!ユキマル君!」
「それはハディス様のいつもの思いつきですか!」
「…そうだって言ったら?」
「全身全霊でお手伝いします!」
「よろしい」
ここまで素直なのはユキマルくらいだな。ちなみにユキマルとは白い髪をした少年だ。見た目は完全に女子。男の娘というやつだ。
「それで、質問は以上?なら、なんか良い意見とかある?」
「はい」
「はいマリア」
今度は薄く紫がかった銀髪のメイドが手を挙げてくれる
「まずは、勇者が召喚されない限り無理では?」
「…勇者って、いつ召喚される?」
「現在は、確か召喚用の神聖石が行方知れずだったはずなので、無理では?」
「……嘘だろ」
計画終了のお知らせだ。まさか、こんな悲劇が起きていたとは…
「あれ?それじゃあ、人間ってどうやって魔王と戦うつもり?」
「我が君、それは私から説明しましょう」
席を立ち上がったのは金色の髪に修道服を着た美青年。名前はリース。人格を改善できたら完璧超人なんだけどなー
「先にこの大陸に存在する数百を超える国々の国際情勢から説明しましょう」
大仰な仕草もコイツがやると舞台役者に見えてくるよ
「現在は魔王と人間との間では和平が保たれております」
「マジ?」
「マジです。理由は人類側は人間同士の争いが収まらない上に勇者召喚が行えないから」
「ふむふむ」
「魔王側はまだ国を作り始めて数十年しか経っておらず、人類と戦争するだけの十分な戦力がないからです。加えて、両陣営一番の難問が…」
「難問が?」
リース、すげぇ言いにくそうなんだけど。まさか、そんな大きな問題がこの世界に——
「我が君の存在ですね」
「………………………え、なんで?」
「「「本気で言って(ます)(る)?」」」
えぇぇ、みんなから突っ込まれんじゃん
「ハディスは、ちょっとやり過ぎたね。大陸中の首脳陣が頭を悩ませる程度にはやり過ぎた!」
唯一俺を敬語なしで喋ってくれるのがこの女。
名前をソロモンと言って一番付き合いが長い。
でも、長年かけてもこのコスプレ趣味だけはどうにもならなかったな…。今日はネコミミメイド、っと
それにしても、うーん。困ったなー。これじゃ産まれてから一番のイベントを見過ごすことになる
「よし!暗躍しよっか!!」
「「「またですかぁ?」」」
「そう、また!」
嫌そうにしてるけど、なんやかんやみんなは俺を手伝ってくれるって知ってるから
「よし、それじゃあ、最初は人類側に勇者召喚を行えるだけの準備を整えてもらおうか。マリアとリース、情報収集や根回しは頼むよ?
「…やるにしても、人間も魔王軍も立ちはだかると思いますが?」
「それならいつも通りで」
「かしこまりました」
「おまかせを!!」
この二人なら大丈夫だろ
「それじゃあ、またなんかあったら呼ぶからよろしく。会議終了!よし解散!!」
さぁて、俺も今回は頑張るぞー!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます