第35話 天然巨乳は虜にしたい!3

「「失礼しましたー」」と俺たちは一礼すると保健室を後にする──。


 そして、俺は桃愛に一つ問う。


「なぁ、桃愛?」

「はい?」

「いちいち、俺に絡んでくるんじゃねー。つーか、なんで俺に絡んでくんだよ?」


 こいつが一番、心の声が聞こえる人たちの中で危険人物だからだ。

 なんせ、廊下で息を吸うような感覚でテガイ胸やデカイケツを押し付けてくるのだ。

 たまったものじゃない……。

 しかも、彼女はなかなかに顔は整っているしそれなりに男子の中でも人気がありそうだ。

 なので、変に男子たちから『あいつ、桃愛さんのよく肌が接触してるぜ。殺っちまおう!!』的な勘違いになるから絡むのはやめてほしい……。


「そ、それはですね……」


『や、やばい……え、たしかになんで桃愛は雄也くんを落とすことに一生懸命なんだろ……』


 ごめんよ、心の声が聞こえてるから全てわかってんだ。

 だから、お前には落ちないよ。


『今までの人なら……おっぱいひとつで私に落ちていた。でも、彼は違う……』


 おっぱいひとつで落ちてんのかよ……流石に勘違いにも程があるぞ、落ちてきた人たちよ!!

 たしかに桃愛のおっぱいはとてつもなくデカイしてか、エチエチボディーだ。

 でもな? それだけで落ちるのはどうかと思うぜ?


『あああああ──っ!! なになに、なんで桃愛は彼を落とそうと夢中になってるのおおおお!!』


 どうやら、自分でも目的がわからないまま、俺に絡んでいるらしい。


 俺はボソッと「なら、やめろよ」と呟いた。


「?」とふと俺の声が聞こえてしまったか、俺を見る桃愛。


 いかん、いかん。

 俺も心の中でそういうのは言うことにしなければ。


「いや、なんでもない。それで、なんで俺に絡んで絡んだ?」


『だから、桃愛にもわからないんだから!! この、わからずや!! ああああ──っ!! こうなったら最終兵器【桃パイ】アタック!!』


 うわ、でた!!

 その、俺を保健室送りにしたエロい技!!

 心の声が聞こえるから心の準備ができるものの、いきなりやられたら……さっきの文は全文撤回だ。

 うん、こんなエチエチなボディーの攻撃なんて食らったら、そりゃー好きになりますわ。


「えーとですね……」


『今よ!!』


 次の瞬間──。


「あー足が滑っちゃったぁ〜❤️」


 そう言いながら、足をわざと崩して俺の方に倒れてくる桃愛。


『チョー究極ミラクル【桃パイ】アタック〜!!』

 

 何その長ったらしい技名!!

 ふん、いいだろう……その【桃パイ】アタック……一生使えなくしてやるぜ!!


 俺の方に倒れてくる桃愛を俺はニヤリと笑う。


「あぶなーい!!」


 まさか、こんな形で……自分からおっぱいを触りにいくことになるとは……。


 少し残念なシチュエーションだが、仕方がない。

 これは……そう!!

 自己防衛だ!!


 相手が攻撃してきているのだ、どんなことをしても自己防衛と言えば大丈夫だろう……ね、そうだよね!! 自己防衛お○さん!!


「腕が勝手に〜!!(棒読み)」


 俺はそう言いながら桃愛の胸に腕を合わせた。


「きゃ〜」とそのまま、俺に激突してくる桃愛……いや……。


 ぷにっ。


 顔が真っ赤に染まる桃愛。


 ──そう、俺は両手で桃愛の両胸を触り、倒れてくるのを抑えたのだ。


 ぷにっ。


 どんどんと更に真っ赤に染まる桃愛。


『はぁ……はぁ……』


 どうだ? 

 恥ずかしいだろ〜これで、トラウマを植え付けてもう二度と天然なんてことを……。


 次の瞬間──。


「きゃ〜〜〜あああああああああああ!!」と桃愛は声をあげて、俺のほっぺを勢いよくパシんとビンタした。

「◎△$♪×¥●&%#?!」


 そのまま、保健室のドアに衝突する俺。


 いってぇえ……今の絶対コブができわこれ……。

 

 泣き目になりつつ、後頭部を抑える。


「何しやがんだよお前!!」

「あ、あんたこそ……いきなり、私の神聖なおっぱいを揉みやがって!!」


 な〜にが神聖だよ、このビッチが!!


『なんで……こんなやつに私のおっぱいちゃんが……』


 自己防衛のためだよ。

 もう二度とやられたくなかったら、俺に絡まないことだな!!


「たしかに柔らかかった……もうたとえようがないくらい……」

「ぎゃ〜!! う、うるさい!! それ以上、感想を言わないで!!」


 ……こいつ、天然エロを演じようとしているくせ……案外、エロに弱いのでは?


 すると、保健室のドアがガラガラと開き──。


「ゴホン、お前ら、エッチいのはこの中でしろ。ゴムもあるしベッドもあるからな!!」

 

 ──この先生はどう聞こえて俺たちがそんなことしてると思ったんだ!!


「「ち、ちがいます!!」」


 そう俺たちは何故か息が合い否定した──。












 













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