第24話 神崎との下校イベント2
放課後──。
俺はスクールバッグを持つとすぐに神崎の席へ向かう──。
はぁ……これでも神崎は美少女。
多分、俺が神崎と出て行くなんて見られたら俺の今後の学校生活に支障が出るであろう。
そのため、神崎の机の上に『LINE見てくれ』と書いた一枚の紙をそっと置いて教室を出た。
ふぅ〜これで大丈夫だろう……。
『やばいよぉ〜、雄也と二人きりで帰る……緊張してきた!!』
その気持ちは俺もだよ。
まさか、【テレパシー】によって神崎とこうしてよりを戻すなんて思ってもいなかった。
うわ、緊張してきた……。
何よりも自意識過剰なことぐらいわかっているが、もしかしたら神崎が俺のことを好きな可能性がある。
ツンデレの可能性が──ッ!!
せっかくの二人、邪魔も入らない。
その説についても調べなければ……。
俺は昇降口を出て、柱に寄りかさりながらスマホをいじっていると……。
『どこにいる?』
神崎からLINEが来た。
数少ない女子友達だ。
ブロックなんてされたら多分泣く。
『今は昇降口。まだ人少ないし早く来てくれ』
『りょ〜』
しかし、なんで神崎は俺と一緒に帰りたいんだ?
その理由も鈍感主人公でない俺ならわかる。
そんなの俺のこと好きだからだよな!?
いや……これは、違ったら恥ずいやつやん……。
でもでも、それ以外にあるのか?
俺と帰る理由がよ……。
そんな思春期の妄想をしていると、神崎がやってきた──。
「おまたせ。行こ雄也!!」
「おう!!」
今回で神崎がツンデレなのかどうかを絶対に見極めてやる!!
『ははは──っ/// 雄也と二人っきりで帰るの緊張するよぉ〜心臓がうるさい』
いや、わからないな……神崎は男付き合いも少なそうだしただ単に緊張しているだけかもしれない。
これだけでは決めつけはできなそうだ。
「別に雄也と帰りたいなんて……」
「はいはい、わかってるよ。ほら、行こ……」
すると、口を膨らませて「ふん!! 雄也のいじわる!!」とそっぽを向く。
その姿は神崎だから許される。
他の人がやったら痛い。
そんな二次元によくあるポーズだった……。
三次元でもこれが似合う人がいるとは……。
驚きだ。
すごく驚きだ。
幼馴染だからというのと、神崎が俺を避けてきたから俺も神崎を避けてきたこともあり、改めて神崎は美少女だと実感した。
もし、神崎が告ってきたらすぐにオッケーしてしまいそうだ。
一応言っておくけど、妄想だからな!!
「ほら、行くぞ……」
「う、うん!!」
○
「どこか寄り道してくか?」
「う〜んそうだな〜」
そんな会話を俺たちは歩きながらしている。
異性と二人で下校するなんて高校生の夢じゃねぇーかよ!!
その夢をあっけなく達成してしまい少し変な気分だ。
でも、下手にプライドが高くて『俺は好きな人と初めては帰りたい──ッ!!』なんてしていたら、多分そんなの実現できそうだし……神崎は美少女だし……これはこれでいいのかもな。
『ど、どうしよう……ゆゆゆ、雄也が好きなもの……いや、これは雄也のことが好きだからとかじゃなくて……』
やれやれ、めんどくせー女だな。
でも、こういうところが神崎のいいところだよ。
ここは俺が人肌脱いでやろう。
「なぁ、神崎?」
「何よ、雄也!!」
俺は笑顔で。
「俺さ、帰りにアイス食べたいや。ほら、最近暑くなってきたろ?」
実際、六月に入りかなり暑くなってきた。
そろそろ、アイスが食べたい時期だ。
『なんで私が困ってるの知ってるのおおお!! はぁ……ほんと、優しいんだから……バカ雄也』
「仕方ないわね!! ついてってあげる!!」
うん、やっぱり……こいつって、俺のこと好きなのでは?
こいつってツンデレなのではないのか?
少しずつそれっぽい感じになっていく神崎に、俺は一人胸を躍らせる。
なんせ、神崎だぞ?
こんな美少女にデレられて嬉しくないやつなんているかよ。
いたらあれだ。
そいつは男じゃねーよ。
「じゃあ、近くの『サーティワア』にでも行くか」
「わかった。言っておくけど、別に雄也のことが好きとかで従ってるんじゃなくて……私もアイスが食べたいだけだから!!」
『違う違う違ううううう!! 素直になって私!!』と泣きトーンで言っている神崎。
「はいはい、ほら、行くぞ」
全くこいつは……。
やっぱり、神崎はツンデレなのか!?
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神崎さんがツンデレだと思う人〜!!
「は〜い!!」
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