第4話 変態さんの攻略を!1
放課後、一件のLINEが来ていた。
『今日、今から会えませんか?』
やれやれ、女子からのLINEとか何年ぶりなんだよおおおおお……。
たとえ、変態でも女子だもんな。
「じゃあ、俺は部活行くわ……」とスクールバッグを手に持つ拓哉。
「漫研か」
「おう」
拓哉は『漫画研究部』通称、『漫研』に所属している。
名前の通り、漫画を読んで研究する部活だが、最近は漫画を描いているらしい。
拓哉は絵が下手なため、物語を作っているらしい。
「頑張れよ」
「おうよ!! コミケで出す同人誌の作成してくるわ!!」
そんな誰でもコミケに出せるのか!?
そんな疑問があるがまぁ、頑張って欲しいな。
拓哉が教室を出て行くと、俺はスマホに目を向けた。
『どこですか?』
やれやれ、この能力の規則性を見つけるためだ。
しばらくは、石川さんと関わる必要があるな。
『保健室にいます』
あー、やばい気がしてきたぁ〜。
って、待てよ……保健室!?
せめて屋上とかを期待していたのだが……。
「はぁ………」
俺は大きくため息を吐いた。
ぜってぇに規則性を見つけるためでもなんでなければ、いかなかっただろう……。
石川さん、もう少しまともなところにしてくれ。
『何一人でため息ついてんの? きもいんですけど……ああ、私のばか!!』
神崎も神崎で何を考えてんだよ。
そんなに俺のことが嫌いなのか!?
とりあえず、保健室か……。
あまり、行く気にはならんが行くとしよう。
『了解』
○
そして、保健室に着くと俺はコンコンとノックをした。
先生がいないのか、反応がない。
っつーかそもそも、保健室ってノックするものなのか?
あれ、ちょっと緊張してきたぞ?
まあいい。
開けてみよう!!
意を決して俺はドアをガラガラと開けた。
そこにはワイシャツを脱いで、キャミソールが丸見えの石川さんが……。
俺は慌ててドア側を向いて必死に。
「う、上着てください!!」
くそ、先生がいねーじゃねーか!!
なんでこういう時に限っていないんだよ!!
『よし、作戦成功///』
おい、なんの作戦だこら?
「安心してください……これはキャミソールですので、もう一つ下に……ありますので……それより、今日は暑いですね。そんなに見て……もしかしてっ!!」
「ちげーよ、見たかねーよ、いや、見たいかもしれねぇけど……ああ、見たくねーよ!!」
「ど、どっちですの!?」
まあ、見たいけどよ……このタイミングじゃねーよな!!
女子高生のブラジャー姿見たいけどよ!!
『ち、これだから童貞は……たかが、キャミソールであんなに興奮するなんて……でも、そのチェリーみたいなのが好き///』
おい、今俺をバカにしたよな?
おい、したよな!?
いいよ、わかったよ!!
堂々と見てやるよ!!
俺は石川さんの方を振り向いてキャミソール姿の石川さんをガン見する。
じっ────。
いや、無理だわキャミソール見るのは……。
なので俺は石川さんの首を見た。
ここなら、キャミソール見てると思われるよな!!
と、とにかく対抗だ。
『わ、私の胸を見てますの!? 小倉くんは私の胸を枕にして寝たいとか思っているの!? なんというご褒美///』
いや〜若いっていいな!!
想像豊かでよ。
やっぱり、人の心の声が聞こえるってろくなことがないなぁ。
「それで、なんでお前は保健室にいるんだ?」
「眠いから……」
「は?」
「眠いから……」
そういう理由でいんのかよ……てか、保健室の先生も先生で甘ーなおい!!
普通そんな理由で寝かせるか?
「先生は?」
一番気になっていたことだ。
すると、石川さんはニコッと笑い、胸元に両手を置いて。
「『あたしが保健室を見張ります』って言ったら……『お、そうか……なら、私は屋上で寝てくる!!』って……」
おいおい、なんだよ、ここの保健室の先生。
せめて、ここで寝ろよ。
石川さんはベッドを立ち上がるとドアのところまで歩き、ガチャリ。
え………。
こちらを見てニコッとする石川さん。
「ここのドアはどちらも鍵式なんですよ?」
「え……」
愕然とする俺。
つまりだ。
「あたしの鍵がなければここから出られません」
俺は閉じ込められたらしい。
『これで、今ならなんでもできる!! あ、ご、ゴムは……ないし、小倉くんも無さそうだし……仕方ないなぁ、ゴム手袋の親指のところ切って使ってもらお……』
ははは……わ、笑えねーよ。
「あの……石川さん?」
「小倉くん。あたし少し眠いんです。少し一緒にベッドに横になりませんか?」
やだやだ、こんな人が初めてなんて!!
ぜってぇーにやだ!!
俺はもっと普通に初めてを捨ててーよ!!
「さぁ、あたしと添い寝しませんか?」
そう言うと石川さんは俺をベッドに押し倒した。
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