第三十一話「その名はディアボロス」
Side 緋田 キンジ
ザイラム軍のゲートはディアボロスの軍勢に占拠されていた。
『どうにか強行突破するしかないか――』
俺はそう覚悟を決めたその時――
『その役割は我々ディメンションクロスが――』
『え?』
唐突な申し出に俺は困惑する。
『急いでください。何か嫌な予感がします!』
『ああ、分かった――』
☆
『まるで地獄絵図だな――』
ザイラム軍のゲートを通り、目にしたのは近代都市――が燃え盛る地獄絵図のような光景だった。
モンスターやパワーローダー、マジックメイルなどがごちゃ混ぜになってザイラム軍の都市を闊歩している。
『遅かったな――ザイラムの首都を今しがた陥落させたばかりだ。ザイラムだけではない。この世界が焼け野原になるのも時間の問題だ』
『登場早々ムカつく事言いやがって――』
進化したか何だか知らないがこいつはグラン皇帝とかと一種の人種だコイツは。
放っておいたらこんな光景を幾つも作る事になる。
『今度は本気で相手をしてやろう。来るがいい――』
『上等だ!』
かくしてディアボロスと俺達の最終決戦が始まった。
☆
『ルーナ!!』
『分かってる!!』
エクスキャリバーの二人が機動戦で翻弄し、
『トウカ先輩!!』
『私に合わせろ!!』
御剣 トウカと愛坂 イチゴのAliceの少女が一撃を決める。
『続いて!!』
フィア皇子のアルビオンがAliceに続いて攻撃を決め、
『次は僕だよ!!』
谷村君のシュバルツリッターが更に追撃を重ねる。
『一斉射撃だ!! 出し惜しみはするな!!』
俺の言葉にキョウスケが『分かってるよ』と言い、第13偵察隊の全火力をディアボロスに注ぎ込む。
だがディアボロスの50mの巨体はピンピンとしていた。
『こいつマジで化け物か――』
キョウスケの言葉に同意したいが『攻撃を一点に集中させろ!! 反撃させる暇を与えるな!!』と必死に鼓舞する。
『無駄な事を――』
漆黒のオーラのような物がディアボロスを包み込む。
同時にダメージが癒えていく。
『我を滅ぼす事は出来ぬ――』
『クソッ――谷村君? あの時みたいな事は出来ないか?』
『残念だけど、そう何度も出来ないよ。僕にはね――』
『僕には?』
その言葉が引っかかった。
『さて、そろそろ此方からも手を出させてもらおう』
そう言って手に持った剣を天に翳すと天空の彼方から次々と流星群が落下してくる。
俺は急いで退避命令を出した。
『アベン〇ャーズでサ〇スがやってたなこう言う攻撃!! クソ!! このままじゃジリ貧だぞ!?』
キョウスケが退避しながら俺に呼びかける。
だが俺にもどうする事が出来ない。
『このままじゃ――』
『諦めてはだめです!!』
と、愛坂 イチゴが言った。
『そうだ。ここで僕達が諦めたらそれこそ何もかもが終わりだ』
フィアも続く。
『私もそれに賛成。こう言う展開を乗り越えてこそヒーローでしょ』
高飛さんも続いた。
『私も同じ気持ち――キンジ、ここで負けたら今迄の戦いが全て無駄になる。だから諦めたくない』
リオが俺に優しく語りかけた。
『そう、その諦めない気持ち。その気持ちこそが希望とと言う花を芽吹かせるのさ』
と谷村君が言った。
『俺も懸けたい。バカみたいな話だが俺達なら何とかなるかもしんねえ』
『キョウスケ――』
そしてキョウスケが言う。
『どうする? 諦めるのか?』
挑発気味に佐伯 麗子が言った。
『俺は――まだ諦めたくない!!』
俺は立ち上がる事を選択した。
『ならさらなる絶望をくれてやろう!!』
今度は何をするつもりだと思ったら――
『三体に増えた!?』
ディアボロスが三体に増えた。
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