第二十九話「アジア連の終わり」

 Side 緋田 キンジ


 現在、俺達は何故かザイラム軍からアジア連を守るために戦っていた。


『まさかアジア連を助けるために戦う事になるとはな――』


『君達は一体――』


『気にすんな、正直正義の味方は柄じゃない』


 と言いつつ、俺達はザイラム軍のパワードスーツ兵器、ゼッターを破壊していく。


 と言うのもザイラム軍の連中、大部隊でアジア連に襲かまして降伏したところを嬲り殺そうとしたところ――つまり虐殺の現場に居合わせたからそれを助けようと言う話の流れになって今に到る感じだ。


 説明終わり。


『今のウチにゲートに逃げ込め!!』


『無理だ!! ゲートの向こう側も反乱軍との交戦で――』


『なら一旦この戦域から離脱しろ!! 援護する!!』


『どうしてそこまで――俺達敵同士だろ?』


『さあな。心変わりしないウチにいけ!!』


 たく。

 本当に正義の味方とかになった気分だ。

 皆もアジア連を助けるように動いて回る。

 ザイラム軍の方は目標を俺達に変えて叩き潰そうとしていた。


『こいつらもしつこいもんだ。何なんだこいつらは!?』


 と、ザイラム軍のゼッターを破壊しながら愚痴交じりに言う。


『ザイラム軍の本拠地に乗り込んで真意を問うのがよろしいかもしれません』


 ルーナがそう言う。


『まあその方が手っ取り早いが戦力が今以上に必要になるな――』


『ディメンションクロスから突入部隊の戦力を出して貰うしかありませんね』


 と、ルーナが提案した。 


『まあともかくそう言う話もこれを切り抜けた後だ』


 そう言ってエクスブレイズの両腕についたアームガンで敵を撃ち抜く。

 

『部隊の再編成が整った。これより貴官らを援護する』


『おい、大丈夫か?』


 と、助け出したアジア連の人々が部隊を再編して戦場に戻って来た。


『大丈夫だ! それよりも今の状況だと猫の手も借りたい状況だろう?』


『まあ確かにそうだが――』


『緋田隊長。ここはありがたく受け取っておけ』


 と、佐伯に言われて俺は『分かったよ』と返し、アジア連の人々に『生き残れよ』と言っておいた。

 


 戦場の後は酷い者だった。

 アジア連のパワーローダーや兵器、陸上戦艦がスクラップになり、その近くではザイラム軍の空中戦艦やゼッターの残骸が転がっている。


 俺達は怪我人――主にアジア連の人間の手当てなどで大忙しだ。


 この世界にいたアジア連はディメンションクロスの管轄下に置かれる事になった。

 まあその方が彼達も幸せだろう。

 今アジア連は内乱が激しくなっているそうだし。

 

 残す問題はザイラム軍とディアボロスとなった――と言いたいが、まだ休戦条約も何も結んじゃいないのだ。

 

 だが交渉の糸口は出来た。


 交渉は上の方に丸投げしてザイラム軍とディアボロスに専念しようと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る