第十六話「メイド喫茶ストレンジ」

 Side 緋田 キンジ


 大阪日本橋ゲート前。


 自衛隊の駐屯地にコンビニとかあったりするがメイド喫茶があるのは前代未聞だと思う。

 

 まあテントの下に機材とかテーブルとかを並べた簡易的な物だが。


 そこに何故か異世界組の少女やAliceの少女やリオが文化祭感覚で働いていた。

 もちろんルーナや高飛 翔子さんもだ。


 そんな彼女達を取り仕切っているのは長い黒髪ツインテールの不愛想そうな、直感的にだがカタギには見えない黒井 リンカと言う少女だ。


 店を取り仕切っているのはプレラーティ博士と似たような雰囲気を持つ、ヘレン・P・レイヤーだ。


 長く明るいパープルの髪の毛に黒い二つのリボンを両サイドにつけており、可愛らしいが小甘く的な顔立ちでまだ背丈的には中学生か小学生高学年程に見える。

 服装は彼女の趣味なのか黒いコートにタンクトップにスカート、長ブーツ。

 そしてつばがない軍帽にも見える黒い帽子を身に着けていた。


「あら? 私の事が気になるのかしら?」


「そりゃな? どんな魔法を使えば自衛隊の最重要機密のこの場所にメイド喫茶を展開できるんだ?」


「この大阪日本橋は私の庭みたいなものだから。ある程度の強引の事は出来るのよ」


「……そう言う事にしておこう」


 世紀末に異世界、多元世界と色々と言ったが世の中にはまだまだ分からない事が多いらしい。

 それを無理に探ろうとするとロクな目に遭わない気がした。


「それで強化の方は?」


「縮退炉かブラッド粒子炉を使うとか言ってたわね」

 

「あ~縮退炉はともかくブラッド粒子炉って?」


「ブラッド粒子炉――まあ平たく言えばガンダ〇OOのGNドラ〇ヴに近い性質を持つ動力ね。世に出ればエネルギー産業がひっくり返るわよ」


「そですか……」


 聞かなかった方が良かったかもしんないなどと思った。

 他にもマシン・シンクロン・システムとか、ブラッドフレームとかも搭載予定とか言ってたがサッパリ分からなかった。


「それよりもリオちゃんのミニスカメイド服姿写真に撮らなくていいの?」


「いきなりそれ言う?」

 

 確かに撮りたいけどさ。

 なんか近寄り難いんだよね。

 


 Side ルーナ・キャスケット


 非番の自衛官相手に私達は何をしてるんでしょうか……

 

 しかも皆さん何だかんだで乗り気ですし。


 高飛さんも「まあ、あんな恥ずかしい水着みたいなパイロットスーツ着てるし今更メイド服はそんなに恥ずかしくないよね」とのことでした。


 皆さんもそんな感じです。


「深く考えない、気分転換だよ気分転換」


 と、高飛さんが言う。

 

「まあ確かに必要とは思いますが」


 先のディアボロスとの戦いの敗北の雰囲気をどうにかしたいと言う気持ちはあったがまさかこんな手を使うことになるとは思ってもいませんでした。


「それはそうと彼方は何をしてるんでしょうか?」


 フィア皇子は仲間の女性の方に囲まれているようでした。


「まんまラノベの主人公って感じだよね。全員と結婚するパターンかな?」


「全員と結婚ってそんな馬鹿な――」


「いや、世界観的にありえると思うよ私は」


「そうなんですか?」


 なんか釈然としませんがとにかく仕事に集中しましょう……

 何だか納得いきませんが。

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