第十話「これからについて」

 Side ルーナ・キャスケット


「私達がですか?」

 

 翌日。

 私と高飛さんはミーティア司令に呼び出されて自衛隊と行動を共にするように言われた。


「ええ。連絡要員と言う奴ね――自衛隊側も一度やっていたらしいわ」


「はあ」


 と、説明を軽く受けるが責任は重大のように思える。

 

「てことはリオさんやパンサーさん達と一緒にいられるんだね、やった♪」


 何故か高飛さんは嬉しそうだった。


「貴方は楽天的ですね」


「え? 嬉しくないの?」


「その言い方はずるいです」


 それだとまるであの人達の事が嫌いと言っているみたいじゃありませんか。

 

「念のため言っておくけどテキトーに選んだワケじゃないのよ? 日本の事に理解がある人間と此方の世界に詳しい人間、さらに腕の立つ人間となると、どうしても限られてくるのよ」


 と言う事らしい。


「分かりました」


「で? 何時合流すればいいんですか?」


 高飛さんはスグにでも会いたい様子だった。


「彼達の出発準備に合わせてね。このユナイティアは今、安全とは言えない状況だから、彼達と一緒に準備をして」


 司令が言うようにユナイティアは物騒な状況だ。

 また戦闘に巻き込まれる可能性は高い。

 その点を考えると一緒に準備をして段取りを考えた方が得策だろう。


「出発準備って、自衛隊は何処に向かうんですか?」


 と、高飛さんは疑問を口にした。


「一旦帰って対応について協議するのよ。彼達には彼達の事情があるし」


 私は司令の代わりに答えた。


「通信で済ませた方が早くないですか?」


「敵対勢力に傍受される恐れがあるから出来ないのよ。だから不便だけと直接会って伝えないといけないの。出来たとしても彼達の立場上、ここに留まるのはよろしくないわ」


「どうして留まったらいけないの?」


「貴方本当に日本人? 戦闘に巻き込まれると政治、外交的に不味くなるからよ。例え遅かれ早かれ宣戦布告されるのだとしても、戦いを避ける姿勢は内側にアピールしておかないと不味いから――」


 私は即答した。

 高飛さんはこう言う軍事分野に疎い。

 呑気にも「あ、そうか」とか言ってる。

 

「ルーナさん大正解ね。高飛さんも分かった?」


「うん。私より詳しくなってない?」


「あの~失礼ながら人選間違えてませんか司令?」


「そう言われると自信無くすかも。お土産とか買う時は頑張るから」


「観光気分ですか……」


 私は頭を抱えた。

 この任務本当に大丈夫かなと。

 司令は司令で「お土産楽しみにしてるからね」、「あ、帰るまでが任務だからしっかりね」などと言っている。


「私がおかしいのかしら……」


 呟くと高飛さんが「なんか言った?」と尋ねてくる。

 私は「いいえ、何でも」と返して早々に退出した。


 

 自衛隊のピンク色の飛行機械「マザーバード」に合流する。

 その周辺では物質の積み込みなどが行われていた。

 私達のエクスキャリバーも専用の格納スペースが簡易的ながら増設される運びになった。 


「どれぐらいの旅になるかな?」


「知らないわ」


「お土産は全員分会った方がいいよね? 金足りるかな?」


「はあ……」


「大丈夫?」


「それはこっちの台詞です!! さっきから何なんですか!? もうちょっと任務に真面目に取り組んでください!!」


「う、うん――」


「全く、なんで私は高飛さんと組まされるてるんでしょうか――司令に直談判しないと」


「元気出して。何か欲しいの買ってあげるから」


「いりません!!」


「え? 本当に? そう言えばルーナさんの趣味とかって何なのか分からないや……まあ私も普通の女の子とは言い難い趣味だけどね」


「もう好きにしてください」


 私は諦めてさっさと自衛隊の人達と合流する事にした。

 高飛さんは未だにお土産についてどうこう考えている。

 

 この任務、本当に大丈夫だろうか……

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