第八話「その頃のリオ達」
Side リオ
パメラは整備班の人達からディメンションクロスのエクスキャリバー、ザイラム軍のゼッターと呼ばれるパワードスーツの説明を受けている。
私とパンサーはディメンションクロスのラウンジで平行世界の日本の時――Aliceの女の子達の時みたいに周囲を女性のエクスキャリバー乗り達に取り囲まれていた。
明らかに人外の子とかもいてちょっと面食らった。
男性のエクスキャリバー乗りは遠巻きに見ている感じだ。
犬の獣人? のエクスキャリバー乗りとかもいるんだ。
「お二人とも凄く強いんですね!」
「私達と一緒に戦う事になるんですか?」
「それなら心強いかも」
「あのパワーローダー乗せてもらってもいいですか?」
「アジア連のパワーローダーとは随分違うんですね」
とまあこんな感じである。
「私ら、これでも相当修羅場をくぐってるからね。たぶんも何も今迄の経験からして場の流れから一緒に戦う事になると思うよ。それとパワーローダーに関しては上からの許可が降りないとね――」
パンサーは次々と来る質問を的確に捌いていく。
私も見習って――
「私も、パンサーと同じくずっと一緒に戦ってきたから。パワーローダーの性能もあるけど腕にも自信はあるよ。皆となら一緒に戦ってもいいと思う」
と、こんな感じで答える。
あの荒廃した世界では武力一本では食ってはいけない。
こう言うコミュニケーション能力も必要となるのだ。
「リオさんやパンサーさんってどんな世界で生きてきたんですか?」
この質問にはパンサーが答えた。
「それは――」
そして語られるのは過酷な世紀末の世界での出来事。
「私の故郷とかと同じ感じなんだ――」
と、理解を示した少女もいた。
どうやらこの世界にもあの過酷な大地が存在するようだ。
「私達も大変だったけど――」
「うーん、そう言う世界の出身者か……あ、私達はこの世界に迷い込んだグループね。中には国とか土地ごと飛ばされてきた人達とかもいるの」
「国とか土地ごと?」
私はスケールの大きさに少々圧倒されながらも尋ねた。
「そう。文化の違いとか色々と大変で――中には飛ばされた瞬間、ワケも分からず国が滅んだところもあるみたいだから……」
「そうなんだ……」
この世界にはこの世界での苦労があるようだ。
「あ~いたいた、リオさんとパンサーさんだ」
と、高飛 翔子さんとルーナ・キャスケットさんが現れた。
「二人とも私は翔子でいいよ~」
「では私は気軽にルーナで」
「とか言いつつ私は高飛さんなんだよね、ルーナは?」
「あまり甘やかすワケにはいきませんからね」
と、二人はやり取りする。
仲が良いみたいだ。
「そうだ、私達もリオさんに聞きたい事が沢山あるんだ」
そう言って翔子は目を輝かせながらにじり寄ってくる。
「どうせパワードスーツの事なんでしょう」
と、釘を刺すようにルーナが言う。
「そう言うのはパメラにした方が」
「あーそうか――それにしても二人とも別々な感じで魅力的だな。エクスキャリバー絶対似合いそう」
唐突にそんな風に褒めてくる。
私は照れながら「そ、そう?」と返し、パンサーは「おーいうじゃん♪」と満更でもない気分だ。
ルーナは「この子ってば相変わらずなんですから」はぁとため息をついていた。
とまあ私達はこんな調子で皆と交流していました。
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