第三話「多元世界ユナイティア」

 Side 緋田 キンジ


 多元世界ユナイティア。


 それが新たな新世界の名前らしい。


 様々な世界が融合し、今もなお取り込むようにして広がる異世界。


 ただ単純に世紀末な世界でもなく。


 ファンタジーの世界でもSFな世界でもない。


 正直理解が追い付かないような世界だ。


 そこには様々な勢力が存在していてアジア連もその一つであり、ユナイティアの治安維持組織であるディメイションクロスにとっては悩みの種であるそうだ。


 とんでもなく膨大な軍事力と危険な覇権主義思想を持つ連中。

 存在自体が爆弾レベルの存在だ。

 この世界の日本も正直アジア連側の連中は一定数いると思われるが、報告しないワケにはいかない。


 一体どうなることやら。


 次はディメンションクロスだ。


 彼女たちが身に纏うパワードスーツの名前はエクスキャリバーと呼ばれる兵器らしい。

 代表して説明してくれたルーナ・キャスケットのエクスキャリバーはエンジェスⅣと言う機種だそうだ。


 そして付き添いで来た――平行世界の日本人、高飛 翔子。

 この世界の日本橋でもなく、まだ未発見の日本の大阪日本橋の住民だとか。

 身に纏う緑色のエクスキャリバーはリトルフェザーと言う実践にも耐えうる練習機だそうだ。

 

 彼女は此方のパワーローダーに興味津々だそうだ。


「さて、次はそちらの番ですよ?」


 と、ルーナが話を促す。 

 黙っていても相手のテクノロジーのレベルは未知数だ。

 隠し事をしてもバレて問題になる可能性もあるので正直に答えることとなった。



 Sideルーナ・キャスケット


 荒廃した世紀末の世界からはじまり、ゲートを通じて多元世界化が進んでいる日本ですか。


 さらにはフォボスやゼレーナなどの様々な脅威に立ち向かったことがあるのだとか。

  

 アジア連のパワーローダーと比べてこの世界のパワーローダーが驚異的な戦闘能力になっているのも納得がいきます。


 それはさておき――


「凄いね~世界が変わればパワーローダーもこんなに変わるんだ~」


 などと高飛さんは目をキラキラと輝かせながらこちらの世界のパワーローダーを見て回っています。


 高飛さんは変わり者で――能力はあるのですが、いわゆるメカ娘に密かに憧れている少女で元の世界では技術的に難しく、飛行機のパイロットでも目指そうかと思っていたらしいです。

 

 この世界でなら間違いなく自衛隊に入隊していたでしょうね。

 

 それぐらいに彼女はメカ娘に憧れていたようです。


 そして私の世界に迷い込んで、幸か不幸か適性があって念願かなってしまったのです。


 ミーティア司令達にも困ったものです。


  それはともかく――


「貴方はこう言うタイプのパワードスーツも好きなのですか?」


「うん、好きだよ」


 即答ですか。


 全身を包み込むような武骨なデザインの奴もいけるようです。

 整備班とかと一緒にアジア連のパワードスーツを密かに回収してコレクションにしているとかと言う噂もありますが一度確かめてみる必要もありますね。


 それはともかく――


「この世界の自衛隊の方を本部まで案内しないといけなくなりました。準備をお願いします」


「はーい。本当はノンビリと平行世界の日本橋観光しようかと思ったけど、どの店も閉まってるみたいだしね……見て回りたかったな」

  

「貴方と言う人は相変わらずですね――」


 私はもう何度目かになるか分からない呆れと疲れを感じます。

 どうして私はこの子の監督役にさせられたんでしょうか……

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