第二話「出会いその2」

 Side アジア連


 日本の負け犬どもならともかく栄光あるアジア連の面汚しどもが。

 我が部隊で粉砕してアジア連の威光を敵に知らしめて―


『敵、パワーローダー吶喊して来ます!!』


『は、早い!?』


『まるで戦闘機のような――!!』


 敵のパワーローダー数機があっと言う間に距離を詰めて――


『戦闘ヘリが!! ああ、落ちてくる!?』


『戦車がやられた!!』


『光った!! あいつらの銃が光ったらヘリも戦車も――』


 なんだこれは?

 あっと言う間にズタボロにされて。

 そして気が付けば戦車も戦闘ヘリも一台も――


 これが戦いだと言うのか?

 こんなのが戦いであってたまるか!?



 Side 緋田 キンジ


 アジア連と名乗る武装勢力との戦いは早速自分達の勇勢状態に陥った。


 と言うか俺達、第13偵察隊が先陣を切って敵に飛び込んで陣形を搔き乱し、戦車や戦闘ヘリなどを中心に破壊して回ったのだ。


『戦車隊射撃開始!!』


『偵察隊に遅れをとるな!!』


『偵察隊を援護しろ!! 彼達がいれば勝てるぞ!!』


 その結果、後は掃討戦となった。

 此方の士気は最高潮である。


 敵は右往左往しての混乱状態だ。

 

 降伏を呼び掛けたが、敵は『アジア連万歳!!』、『アジア連に栄光あれ!!』と叫んで降伏を受け入れようとしないのでやむなく殲滅となった。


 いやだね悪の独裁国家の軍隊って。

 

 ウチの地球の独裁国家の軍隊もこんな感じなんだろうか。


 それはともかく問題は深夜アニメだかラノベだかから飛び出してきた露出したパワードスーツを着込んだ少女達だ。

よく見るとケモ耳娘とかもいて謎が深まる。 

  

 彼女達をどうするか?


「では私が代表してお話しします」


 ルーナと呼ばれた青い瞳に白肌、長い白髪のオレンジ色のアーマーを着た少女が代表して自分達に話をしてくれるそうだ。


「ちょっと、大丈夫なの? この自衛隊、幾ら何でも装備がヤバすぎない?」


 と、黒髪のボブカット気味の髪型の緑色のパワードスーツを着込んだアジア系の顔立ちの少女――最初にルーナと呼ばれる少女と一緒にいた少女は心配そうに問いかける。


「そうですね。高飛さんから聞いた自衛隊の情報とはかなり装備が違いますが――少なくともアジア連よりかは話が分かるみたいです」


「それはそうだけど」


 黒髪の少女は高飛と言うらしい。

 話を聞く感じ、狭山 ヒロトのようにこの世界に飛ばされたウチの世界の日本人――にしては不審な点がある。


 勝手に判断せずルーナさんか高飛さんから直接尋ねた方がいいだろう。



 大阪日本橋のゲートを通じて自分達の地球――臨時の仮設自衛隊本部に案内した。

 

「ここって大阪の日本橋!? ここにゲートが!?」


 高飛さんはそう驚き、ルーナは「ここが日本なんですね」と物珍し気に辺りを見回していた。


(ここが日本……ってことはあの世界は日本じゃないのか?)


 てっきりあの世界が、またどこかの並行世界の日本だと思っていた。

 だが違うようだ。


 まあそれも含めて本人達から話を聞けばいいだろうと思った。


 そして俺は自分の階級から考えれば雲の上の人が居並ぶ階級のおじさん達がいる天幕に案内した。


 言い忘れていたが二人とも武装解除――アーマーを特撮変身ヒーローよろしく収納状態なので現在水着のような姿なので少々目に毒だったらしく、おじさん達がちょっと気恥しそうだった少し笑えた。


 俺は2048年の日本のAliceの少女達とかの前例があるから平気だった。


「では私達は――」


 そうして語られたのは大波乱を呼ぶとんでもない真実だった。

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