雛鳥 ツバキの記録・異世界編その2

 Side 雛鳥 ツバキ 三尉


 どうも陸上自衛隊のWAC(女性自衛官)、雛鳥 ツバキ三尉です。


 戦争も終わり、今陸上自衛隊は学生たちと一緒に本格的な復興作業に駆り出されています。


 この手の作業は自衛隊に一日の長があります。


 武装した災害救助隊などと一部の人間達から揶揄されていましたが、逆を言えばそれぐらいノウハウがあると言う事なのです。


 そこへ更に世紀末世界のテクノロジーが加わることで災害救助活動は進化しました。


 特にパワーローダーの導入が大きいですね。

 瓦礫の撤去作業で大活躍です。


 他にも水の浄化設備や最新鋭の医療設備なども喜ばれておりました。

 更にそこへこの世界特有の魔法の力が加わる事で医療体制も進化しました。


 まあ世紀末世界も放射能除去薬とかメチャクチャな薬が沢山ありましたが……今更ながらなんなんでしょうあの世界は。


 まあともかくこうした草の根活動が功を奏し、自衛隊の現地住民に対するイメージはさらに大幅アップしました。

 

 ああ、それと前に言ってたオセロも大盛り上がりで近々大会が開かれる程の熱狂ぶりです。


 ルール単純ですからね。


 子供でも老人でも覚えやすいです。


 工夫すれば日本の面倒くさい法整備も潜り抜けられるのも利点ですね。


 で、やっぱりオセロも自衛隊の隊員とかが無双しています。


 それを知ってか知らずか時折王族の方――アルク・バハムスさんやこの世界の大商人の代表の方とかがオセロ勝負に参加したりしています。


(さて、今後の娯楽品の供給どうしますかね)


 私は暫くこの世界に滞在する事が決定しました。

 特に娯楽品の供給などに関しては階級以上の権限が与えられています。


 世紀末と異世界。


 人々の文化や精神構造を理解したうえでの娯楽品導入ですかね。


 まあ世紀末人々も迷い込んでるので今更感がありますし、遅いか早いかの問題でしかないと思いますので基本は世紀末世界での経験を踏まえての導入になる感じでしょうか。


 なんなら皇族いますし、お伺いしながらでもしましょうかね。



 平和になりつつあるこの世界でも問題が一つ。


 それは敵の存在。


 世紀末から迷い込んだ化け物、破壊兵器、悪党、旧リビルドアーミーやヴァイパーズの残党。


 この世界のモンスター。


 そして帝国の残党勢力。


 バリエーションも様々。


 それを自衛隊はこの世界の人達や世紀末世界の人々、そして新体制のリビルドアーミー達と一緒に迎え撃ちます。


 特にリビルドアーミーと一緒に戦うのは色々と複雑で奇妙な気分ですね。

 世の中変わるもんですけど、変わるペースが早すぎるような気もします。


 それ以外は自衛隊にとってはもう戦闘は慣れっこです。

 特に世紀末組は戦闘なんて朝飯前です。

 

 だが戦闘が起きる以上はまだ平和とは言えない状況なんですかね。


 帝国の領土は広大ですし、土地を返還してもそれはそれで問題が起きそうですし、末端の帝国兵が反旗を翻したりとかしそうですし。


 問題は山積みで自衛隊もこの世界での役割が終えたワケではありませんが――まあ私は私に出来ることをして行きましょう。


 今日もPXと現地住民との交流頑張ります。

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