第十二話「新たなゲートと来訪者」

 Side 緋田 キンジ


 アルバトロスはゲートから離れた場所に降下。

 徒歩でゲート周辺まで移動する事になる。


 相手はなろうに出て来るような、現代兵器で無双できるテンプレ中世風ファンタジー国家じゃないのだ。


 マジックメイルと言う驚異の武装で身を包んだ連中が相手である。


 改めて解説するが――この世界は地球のレーダーや通信などに影響が出るらしいく、地球側は不利なのである。


 分かり易く言えば遠距離からミサイルや砲弾の雨を撃ち込めば良い的な戦法は通用しないのである。


 なのでこうして目的地まで徒歩で移動する必要があるのだ。


 リオもフライトユニットは使わず徒歩で移動してくれている。


 ちなみにパメラはアルバトロスで上空で待機。


『で? ついてくるのか?』


『はい。そのつもりです』


 連絡要員のエリオットは白いマジックメイル「ウィング」を身に纏っている。

 手には銃らしき武装を持っている。

 首からぶら下げていたペンダントからマジックメイルを装着するシーンは目を疑ったが。

 

 ウィングは空中戦闘用の汎用機らしき、敵(反乱軍)も味方(帝国軍)も使用しているので誤射しないように注意が必要だ。


『危なくなったら下がれよ』


『分かりました』


 とは言うが不安である。

 雰囲気的にはリオやパンサーぐらいにはやれそうな感じはあるが。

 

(あれこれ考えても仕方ない――)

 

 と思い、目的地に急いだ。



 目的地のゲート周辺。

 崖と崖に挟まれた谷底に挟まれるように大きなゲートが存在している。

 イージス艦ぐらいなら普通に通れそうなサイズの奴だ。


 ちなみにイージス艦は長さ(船尾、船頭)約150m、幅約18m、高さ約16m(*船底から船の頭頂部までの長さ)ぐらいだ。


 既に帝国軍と謎の部隊が交戦状態に陥っている。

 ここから政治的判断が絡む重要な局面だ。


 俺達自衛隊はスパ〇ボの自軍みたいに色々と好き放題に行動できるワケじゃない。

 あくまで日本の防衛組織なのである。

 どうしても日本の利益、不利益で動かないといけない。


 世紀末世界ではなし崩し的に「やれる前にやれ」な方針で世界を救う事になったが、政治的な視線でみれば日本だけが損をするような、本来ならあってはならない事なのだ。


 ほんと、公務員って嫌になっちゃうね。


(取り敢えず偵察任務だな――)


 気を取り直して偵察を行う。


 反乱軍はいないのは最悪3つ巴になるからだろう。

 

 バハムス帝国軍がいるのは問題ない。

 帝国のマジックメイルが戦闘中だ。


 問題はマジックメイルが戦っている相手だ。

 

『アレは――』


 外観はパワーローダーの様なパワードスーツ兵器だ。

 マジックメイル部隊と一進一退の攻防を続けている。

 

 一つ目。

 アサルトライフル。

 緑色のカラー。

 日の丸のマーク。

 

 とてつもなく面倒事な予感がした。

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