新たなる旅立ち

第六十二話「その頃の自衛隊基地・その2」

 Side 五藤 春夫 陸将


 この荒れ果てた自衛隊基地もすっかり様変わりしてしまった。


 対艦用の大型レールガンに対艦用プラズマミサイルなどを配備。

 空自の航空機部隊や陸上自衛隊の機甲部隊も日々強化されていっている。

 

 基地の近くではリビルドアーミーの空中戦艦の解析作業。

 近日中にはヴァイパーズの陸上戦艦も運び込まれる予定だ。

 

 更にはヴァイパーズの基地から得られた様々な物資や対物ライフルサイズのレールガンすら防ぐと言う装甲素材なども運び込まれている。


 基地の周囲も高いバリケードで囲まれ、様々な迎撃システムで守られている。


 それでも血気盛んに襲い来る怪生物に突破されたりするのがこの世界の恐いところである。


 正直言うと地球外生命体と戦争している気分になる。


 だがそうも言ってられない。


 リビルドアーミーはもとよりフォボスの件だ。


 フォボスの存在のせいで我々の目的はこの世界の調査からフォボスなる武装勢力の討伐にシフトしたと言っていい。


 前回はどうにか撃退できたが底知れぬ不気味さがある。


 それに動きを見せないリビルド―アーミーも不気味ではある。


 一体何を企んでいる?



 Side 雛鳥 ツバキ 二曹


 どうも陸上自衛隊のWAC(女性自衛官)、雛鳥 ツバキです。


 自衛隊基地周辺はもっぱらヴァイパーズ撃退の事で話題になっていますね。


 自衛隊の間でも喜ぶ声が多いです。


 思えばヴァイパーズとの因縁はこの世界に来た時から始まってましたから。


 自衛隊本来の任務から外れてるのは分かってますがそれでもこの世界の平和に大きく貢献できたのは喜ばしいと思います。


 まあそれでも血気盛んに襲い来る連中は多いんですが。


 アンデッドやらオークやら未知のB級映画モンスターやら野盗やら。


 ヴァイパーズ基地の自衛隊の人々は大丈夫でしょうかと思ったりします。



 Side ???


 死神さんは今日も元気ですよっと。


 リビルドアーミーを撃退し、ヴァイパーズを壊滅させるとは恐れ入った。


 ヴァイパーズはリビルドアーミーと並んで恐れられる存在だった。


 ここからリビルドアーミーの連中がどう動くかでこの世の中の流れがまた変わってくるだろう。


 それはそうと、ジエイタイの基地の人々には十分よくしてもらって楽しんだし、俺はそろそろ別の地域に行くとするか。


 また漁夫の利狙いでよその地域の野盗連中が防御が薄い地域を襲撃したり、ヴァイパーズの残党の動きも気になる。


 こんなことしているあたりジエイタイの人間に影響されたかもしんねーな。


 ま、帰る場所が出来るのってはいいもんだ。


 今のジエイタイの様子だとリビルドアーミーが再襲来しても大丈夫そうだし。


 暫く留守にして暴れまわるとするか。

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