第四十四話「突入開始」
Side 緋田 キンジ
キョウスケが『こいつら一体一体が強い!!』
水瀬が『しかもウジャウジャ湧いてくる!!』
と言いつつ応戦する。
一体一体確実に撃破していきながら前進する。
空爆や、特科の砲撃も開始されたが見事に迎撃された。
最初に聞いた五十体どころか確実に百体以上のパワーローダーがいる。
全部同じ機種の無人機だ。
『大丈夫!?』
リオが敵のパワーローダーを拳銃――ビームピストルで蜂の巣にして尋ねる。
『なんとかな!!』
俺も敵を専用ライフルで穴だらけにして返す。
動力が核融合炉なので爆発も派手だ。
『もうそろそろ目的地だ!!』
宮野一尉たちに先導され、敵が陣取ってる鉄道のトンネル跡に雪崩れ込む。
☆
トンネル前にはやはりと言うか大量の敵パワーローダーが待ち受けていた。
此方も後続の部隊――普通科の重火器、装甲車の銃座、戦車の砲撃、戦闘ヘリの上空支援などの支援射撃を受けつつ突破を試みる。
『後続の連中も無茶しやがる!!』
そう言いつつキョウスケはバレルの両肩の大砲を使って敵を着実に撃破していく。
『敵を後続の部隊に近づけさせるな!!』
宮野一尉とその部隊も的確に敵を撃破していく。
『私達も負けてらんないよ!! 』
パンサーも勢いに乗じてマシンガンとバズーカの火を噴かせ、リオとペアを組み、次々と敵を撃破していった。
激しい戦闘ではあるが此方が優勢である。
☆
=数分後=
『粗方片付いたか――』
俺は周囲を警戒しながら言う。
『後はトンネルの内部だな――』
キョウスケは一息つくように周囲を見渡す。
敵の残骸だけでなく、味方の死体やスクラップになった車両や戦闘ヘリも転がる。
それを乗り越えるように次々と味方が敵陣地のトンネル前を陣取っていく。
ただし敵に反撃が予想されるのでトンネルの穴の前には立たないでおいた。
ここに至るまで沢山の犠牲を出したがどうにか作戦目標を達成出来た。
問題はここからだ。
『トンネル内部だがどうする? たぶん敵が沢山待ち構えているぜ?』
キョウスケの言うようにその可能性が高いだろう。
俺もその可能性に懸けた。
『スモークやチャフ、デコイを展開し、ワンテンポ遅れて飛び込むしかない――』
第7偵察隊の宮野一尉が作戦を提案する。
『その後は神頼みか――』
宮野一尉の言う通りにするしか現状方法はないだろう。
それでも被害が出る可能性はある。
シールドが必要になるなこれは。
『突入準備だ。シールド装備で行くぞ』
『やっぱ貧乏くじ引きまくってますね、この部隊は』
『言うなルーキー』
ルーキーの言う通りだ。
やっぱりこの部隊なんか呪われてるんじゃねえのか。
☆
ジャミング。
スモーク。
デコイ――もうかなり数が少なくなったドローン達を突っ込ませる。
そしてシールドを構えて一気に内部に突入。
そこで目にした物は――
『なんだこれは!?』
広大な空間だった。
SF――スペースオペラ系の宇宙基地の内部と化している。
とてもだが廃棄された鉄道内部とは思えない。
宇宙人の母船内部に迷い込んだ気分だ。
『呆けてる場合じゃない!! 来るぞ!!』
『チッ、三ツ目小僧どもか!!』
キョウスケの叱咤でハッとなり、迫り来る三つ目小僧に銃を向ける。
『増援要請と突入要請だ!! 入り口を確保して内部を制圧していくぞ!! 冗談抜きで国家の危機だ!!』
俺はそう指示を飛ばす。
まるでもなにも侵略者達の地球の侵略の前線基地にしか見えない。
事態は想定の斜め上を行っていた。
ヴァネッサが相手を神と称していたがその理由はなんとなく分かってきたようにも思える。
とにかく生き残らないと――
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