第二十五話「決着」
Side リビルドアーミー ガルノフ
=指揮用大型輸送機:マザーバード・ブリッジ=
「クソ!? あいつら軟弱な軍事組織ではなかったのか!?」
ワシは声を荒らげる。
徹底して蹂躙して殲滅して、奪える者は全てを奪う。
そう言う算段だった。
なのに現実は想定外の様相を呈していた。
「味方部隊の損耗率拡大!!」
「既に半数以上が撃破されています!!」
「このままでは全滅してしまいます!!」
届いてくるのは悲報ばかり。
此方が襲撃してくるのは予測していただろうが、こうまで一方的に叩き潰されるとは。
「クソ――やむおえん!! これなれば味方もろとも吹き飛ばしてくれる!!」
負けるわけにはいかん。
今後の出世のためにも、自分の地位のためにも多少の犠牲はやむおえない。
「核で吹き飛ばす!!」
こうなればと思い――戦術核で吹き飛ばそうと決意した。
「て、敵から降伏要請が――」
「そんな者無視しろ――いや、都合がいい。降伏受諾してそのまま撃ち込んでくれる!!」
「正気――いえ、了解しました・・・・・・」
ハハハ!! このまま死ねばいい!!
我々に逆らうからこうなるのだ!!
☆
Side 五籐 春夫 陸将
基地の外。
指揮通信車両代わりにこの世界で導入した大型トレーラーから指揮を行っていた。
元々はこの世界が荒廃する前の指揮車両だったのかもしれない。
そこで敵の降伏要請を受諾を確認したその時だった。
「敵の一機に動きあり!! 指揮官機と思われます!!」
「ハッチを開いて弾頭ミサイルのようなものを!!」
そこまで聞いて私は瞬時に命令した。
「航空自衛隊や地上のミサイル部隊に撃墜要請!! それ以外の物は全力退避だ!!」
「了解!!」
そして戦闘ヘリ部隊、地上のミサイル部隊の攻撃が敵機に面白いように直撃していく。
☆
Side リビルドアーミー ガルノフ
=指揮用大型輸送機:マザーバード・ブリッジ=
「どうにかならんのか!?」
攻撃が集中して機体が揺れる。
発射しようと言う段階で此方の手がバレたのか?
「高度低下!!」
「機体維持不可能!!」
「被害拡大止まりません!! このままでは誘爆して――」
そしてブリッジの中に熱風と爆炎が――
☆
Side 緋田 キンジ
『あの様子だと一種の核爆弾を使おうとしてたみたいだな』
キョウスケも『みたいだな・・・・・・味方巻き添えにしてでも吹き飛ばすとかとんでもないぜ』と毒付くように言っていた。
基地から遠く離れた上空で敵のフラグシップ――大型輸送機? を破壊したら目が眩み、衝撃破で地面と大気が揺れる程の盛大な汚い花火が上がり、それが終止符になった。
地上と空で「これ以上の戦闘続行行為を続ける物は容赦なく攻撃する!!」と脅すように降伏を呼びかけている。
リビルドアーミーも現実を理解したのか嘘のように降伏を受諾した。
中には自棄になって戦闘を続行する者もいたが即効で討ち取られる。
ともかくこれで戦闘は終結だ。
そう言えばあの国会議員戦意やマスコミはどうするつもりなのだろうか気になるがここから先は戦後処理の時間だ。
それに今の騒ぎでまた変な化け物が寄ってくるかもしれない。
全く面倒なことをしてくれる。
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