第二十四話「それぞれの戦い」

 Side 緋田 キンジ


『政治家、マスコミ関係者退避完了!!』


『戦況は我々が優勢!!』


『敵はビーム兵器を標準装備している!! 数も多い!!』


『こいつら装備はいいだけの素人だ! 各員連携プレイで対処しろ!! 本物のチーム戦と言う物を教えてやれ!!』


 戦いは被害が出ているが優勢である。

 時間が経つに連れて段々と軍事組織としての地力の差が出始めて着実に削られていく。


 特に乱戦になると強力なビーム兵器が災いして同士討ちが多発すると言う情けない体たらくを晒していた。


『なんなんだこいつら!?』


『相手は旧式のパワーローダーだろ!?』


『それでもリビルドアーミーか!? 数で圧倒しろ!?』


 戦意が高いリビルドアーミーのパワーローダー兵士がこの状況を打破しようとするも――

 

『敵の指揮官機を優先して討ち取れ! 態勢を建て直せるな!!』


『こいつら格闘戦は素人だ。冷静して対処しろ』


『パワーローダーの御蔭でチャンバラの時代、再来ってか?』


 自衛隊側の方が少数ながらもリビルドアーミーの兵士を次々と討ち取って戦局の優位を維持する。

 特に格闘戦に持ち込まれてからは――殴る、蹴る、ハンマーなどの鈍器でぶっ潰す、ヒートホークやヒートサーベル、高周波ブレード、チェーンソー、プラズマ・ビームサーベルなどで切り裂く――などで一気にリビルドアーミーのパワーローダーの撃破ペースが上がっていく。


 ――他にも


「幾らパワーローダーでも、対物ライフルのヘッドショットを食らえば!!」


「LAM( 110mm個人携帯対戦車弾)を食らえ!!」


 普通科(歩兵)の人々が生身で果敢に挑んでパワーローダーを撃破する。

 パワーローダーは確かに強く、対物ライフルすら弾く程の頑丈さだ。

 

 だが当たり所が良ければ――対物ライフルでヘッドショットを決めればパワーローダーは破壊できずとも中の人間の首を着弾の衝撃でへし折れる可能性もあるし、装甲の継ぎ目や関節部を狙えば有効打になり得る可能性もある。


 特に推進剤などが詰まったバックパックはパワーローダーの弱点であり、ここをやられると最悪味方を巻き込んでの大爆発を引き起こす。


 また頑丈とは言え、概ねパワーローダーのサイズは2mを越えない範囲だ。

 巨大ロボとかではない。

 

 対戦車用、歩兵用重火器の直撃を食らえば対物ライフルを防げる装甲でもタダではすまない。

 パワーローダーが無事でも爆発の衝撃で内部の人間が死亡する可能性もある。 


 パワーローダーも無敵の鎧と言うワケではないのだ。


『此方、特科(砲兵)部隊、射撃開始』


 特科達も負けじと敵パワーローダー集団を芸術的な砲撃精度で纏めて撃破していく。

 

『戦車隊、撃ち方はじめ!!』


 戦車部隊が次々と攻撃を開始する。

 それに続くように様々な軍事車両が攻撃を開始する。

 周囲にはパワーローダーの護衛付きだ。


『ハウンド隊――攻撃開始。基地の外の連中を掃討する。味方には当てるなよ』


 攻撃、戦闘ヘリ部隊が次々と敵の飛行機械やパワーローダー破壊する。

 リビルドアーミーも負けじと反撃しようとするが地上の援護が良いせいでいいようにやられていく。

 

『面白いように倒されていくな。リビルドアーミーってこんな弱かったか?』


『バカ、ジエイタイの連中が強すぎるんだよ』


『グレイヴフィールドに基地かまえるぐらいだ。そりゃ強いわ』


『シップタウンでヴァイパーズ相手に大暴れもしたって話、本当だったんだな』

 

『今後の付き合いのためにも良いとこ見せないとね』


 現地住民の人々もこの流れに乗ってリビルドアーミーと戦う。

 信じられない程に優位に戦い、多少困惑しつつも奮戦する。


 そしてその戦いの中には俺達も――


『リオ、パンサーを中心にフォーメーションを組むぞ!』


 俺は無線を傍受し、送られてくる戦場のデーターに目を通しながら指示を飛ばし、戦闘する。


 やはりと言うかリオとパンサーの二人が頭一つ飛び抜けた強さだ。

 次々とリビルドアーミーを撃破して言っている。

 撃ち漏らした敵は俺達、第13偵察隊で処理していっている感じだ。


『あいよ! なんだかんだで隊長が板についてるじゃねえか!』


 キョウスケは俺を補佐しながらパワーローダー、バレルの両肩キャノン砲と手に持ったアサルトライフルで敵のパワーローダーを破壊していく。

 

 ルーキーもドランで手堅く立ち回って戦い、WACコンビの水瀬 キョウカと高倉 ヒトミもパワーローダー、ブロッサムで機動性を活かした戦いで部隊をサポートし、敵を翻弄。


 味方の支援もよく、数々の実戦を潜り抜け、装備もいい。


 俺達含めた自衛隊は概ね、リビルドアーミーと互角以上に渡り合う事ができていた。

  

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