第七話「戦後処理」
Side 緋田 キンジ
戦後処理は丸一日潰すことになった。
休憩しながら遺体を探したり、戦車や装甲車、戦闘ヘリのスクラップを運んだり、敵の遺体を埋葬したり、使えそうな武器を拾ったり、ロボットのパーツなどを拾い集めたり。
(しかしあの子達の報酬がなぁ・・・・・・)
リオやパメラ、パンサーへの報酬。
男性自衛官だけでなく、WAC達からも時のヒーロー扱いだ。
ウチの隊のWACも憧れに似た感情を持ってパワーローダー装着者の志願していいるぐらいだ。
そんなヒーロー達の報酬なのだが・・・・・・
戦利品の一部の譲渡。
まあこれは分かる。
そして食料や水。
太っ腹に一年分ぐらいだが傭兵として考えた場合はそれでも安すぎるぐらいだ。
ついでにもお菓子などもプレゼントされたらしい。
特に喜んだのは風呂やジュース、料理だったらしい。
衣類なども特別進呈された。
自衛隊に対してきつかったパメラは目の色を変えて「是非今後ともお付き合いさせてください!!」と頭を下げたらしい。
リオによると「こんな経験、産まれて初めてでお姫様になったような気分だった」らしい。
パンサーも「いや~凄い快適な暮らししてんだね。この条件なら飛びつく人達多いと思うよ~」
と、喜ばれたようだ。
それを聞いた自衛官達は皆、複雑な気持ちで苦笑いをした。
相当辛い人生歩んできたんだな――
そうそう。
勝手に鹵獲品を使った問題だがお咎め無しだ。
一体どんな手品を使ったのやら。
たぶんだが脅迫紛いな交渉でもしたんだろう。
次に俺やキョウスケが所属する第十三偵察隊に新たな任務が下った。
それはリオ達との出発に合わせ、同行して他の町に向かって調査しろと言う任務だった。
佐伯 麗子辺りの入れ知恵だろうが、単純に動ける部隊が少なく、再編せざるおえない部隊も多く出たからだ。
なので自分達に任務が回ってきたらしい。
そのための準備だ。
グレイヴフィールドの南側に町があるのでそこを目指す感じになる。
激しい戦闘も予想されるのでそれ相応の武器や、武器管理に厳しい自衛隊にしては珍しく万が一の場合の武器の放棄なども許可されていた。
リオ達も元々はグレイヴフィールドに起きている異変を報告するためにここまで来たのだ。
(しかしこの任務どうなるのかなあ・・・・・・)
元々自衛隊が派遣された任務の内容はこの世界の調査だけでなく、ゲートが開いた理由の調査なども含まれている。
それが今ではこの世界のテクノロジーの収拾になっている感が否めない。
まあ俺如き一介の自衛官が考えたところでどうにもならないだろう。
なるようになると思って諦めるしかない。
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