プロローグ2:VS世紀末の悪党

 Side 緋田 キンジ


 女性自衛官と言うより、出来る会社のOLみたいな容姿をしている女、佐伯 麗子。

 長身で黒髪の長いポニーテールで胸も大きくスタイルも抜群。

 鋭い目つきで男勝りで綺麗な整った顔立ちをしている。


 最悪な事に、悪い方向に出来る女で色々と曰く付きだ。

 境界駐屯地に来たのは上司受けが悪くて左遷されたと言うのが有力である。 


 階級は上で俺と宗像の上司に当たる。


 俺は事情聴取の後に反省房送りになり、反省房の扉を挟んでクソ上司と会話している。


 今は夜中だろう。


 外は物音でとても騒がしい。


「よくもまあこんだけ好き勝手やったな? 普通なら監視付きの懲戒免職もんだぞ」


「ですが佐伯一尉殿――そうでもしなければあの場で事態を収束するのは――」


「そんなかしこまった言い方はせんでいいキンジ」


「……で? 上の方はどうなってるんで?」


「マトモな政権でも混乱するような案件だ。今の惰性で選ばれたような政権では無理だろう」

 

「だよな~全部アメリカに丸投げします?」


 皮肉下にそう答えると――


「現代兵器で無双出来る相手ならそうするだろうが相手はガトリングガンやロケットランチャーで武装した蛮族だ。それにまだ相手の事や向こう側の世界すらよく分かってないんだ――その辺の決定はまだまだ時間が掛かる」


 まあ当然かと言う答えが返ってきた。


「あのゲートはどうなってます?」


「とりあえず周辺を厳重にガードしている。12・7mm弾や重火器、戦車や戦闘ヘリまで配置している。この駐屯地内で済ませるならそれで済ませるつもりだ」


「どうしてそんな情報を一介の自衛官の自分に?」


「こんな事を言うのは癪だが、この駐屯地で使い物になって私が掌握出来る戦力はお前とキョウスケぐらいだからな」


「またあんな化け物と戦わせるつもりなのか?」


 正直イヤだったが――


「イヤなら懲戒免職でも受けるか? 不良自衛官?」


「はあ……」


 それを言われたら仕方ないと思った。

 自衛官になったのは親の当てつけだからだ。

 ここで辞めたら親を喜ばせる事になる。



 反省房から解放されて前線送りで最初に目にしたのは目も眩むような閃光と吹き飛ばされそうな程の爆発とキノコ雲だった。

 イヤな予感を感じつつも現場に駆けつけると、世紀末の悪党との戦いが始まっていた。


 オマケに世紀末風なパワードスーツや殺人ロボット、武装車両付きである。

 武装もガトリングガンにロケット砲などが飛び交い、自衛隊達に少なくない被害が出ている。


 だめ押しにレーザー兵器まで確認出来た。

 ピストルタイプで次々と自衛官の命を奪っている。


 自衛隊の隊員達も開き直ったのか(命令よりも 死の恐怖が勝ったのか)自衛権とかアレコレ無視して応戦している状況だ。

 

 戦車や装甲車も必死に応戦している。


 俺とキョウスケもそれに混じって戦いに参加。


 どうにか撃退した時には敵味方のグロテスクな死体が彼方此方に転がっていた。

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