第34話 甘々
※ただただイチャイチャする2人のお話です。
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庭園まで手を繋ぎながら歩く。
本当は腕を組みたいけれど、カイル様が手を差し出してくれたから、思わず掴んでしまったわ、でもやっぱり腕を組みたい……カイル様の腕の筋肉を触りたいのよ!!!
まぁ、両想いになったんだし、頼んだらいつでも触りたい放題よね! 恋人なんだし!!
………ってあれ? もう恋人なのかしら?? 好きとは言ったけれど付き合ってください的なものが無かったような?
ていうか、この世界は付き合ってくださいとか言うのかしら? 『付き合う』ではなくて、普通に恋人になって下さいかしら??
そういえば、エドガー王子はいきなり婚約者になってくれとか言ってたけれど……。
婚約者=恋人? 流石にそれはないわよね? ちょっと不安になってカイル様を見上げる。
「ん? ソフィア? どうしました?」
あぁ……カイル様の良い声♡ 精悍なお顔♡ いつの間にかお顔も好きになってきたわ……ってうっとりしてる場合じゃなくて!
「あ、あのカイル様、私達は両想いになりましたが……恋人なのでしょうか?」
カイル様が驚いた表情になった。どうしたのかしら?
「私はそのつもりでしたが……ソフィアは嫌でしたか?」
「えっ?! ちがっ、そうじゃなくてっ!」
「はははっ冗談ですよ、お互いそう思っているのですから私達はもう恋人ですね」
慌てて説明しようとしたら、カイル様が笑ってそう言った。もう! 意地悪だわ!
そんなやり取りをしていたら庭園についた。
「わぁ! さすが王城の庭園ですね。マルティネス王国の王城と同じくらい広いし、綺麗なお花が沢山咲いていますね!」
「そうですね。でも花よりもソフィアの方が綺麗ですが……」
カイル様はこちらを見て笑顔でそう言った。
……甘いっ! 甘すぎるわ! カイル様が激甘だわ!! 誰よこれ!! でも、そんなことをカイル様から言われるのが嬉しくてついつい顔がニヤけてしまう。
んー、でもなんだか丁寧語より、以前ジャン様に話しかけてた時のような感じで言われてみたいなぁ……って無理かな?
「カイル様、あの………」
「どうしました?」
「あの、これからは丁寧語ではなく、ジャン様に話していた時のような感じで話してもらえませんか??」
「えっ?」
カイル様が驚いている。やっぱり駄目なのかしら?
「駄目……ですか??」
「いや、そうではなく……うーん、その話し方をすると威圧感が出てしまうので、ソフィアが不快な思いをすると思うのですが」
いやいやいやいや、私はその威圧感がいいのよ! カイル様から溢れる威圧感を感じたい!
って、やだわ、このまま言ったら変態みたいね(冷静)えーと、どう言えばいいのかしら?
うーん……と考え込んでいたら、突然抱き寄せられた。
「カ、カイル様?」
「理由はわからんが、こっちの話し方がいいならそうしよう。……不快ではないか?」
「いえ全然! とっても嬉しいです!!」
威圧感? なにそれおいしいの? 私にとってはただのご褒美よ! ご馳走様です!!
「やはり……可愛いな」
そう言って私の顎に手をやり上を向かせた。
こ、この流れはキスですか? ドキドキ!
ちゅっと可愛らしいキスをしてから、またぎゅうぅっと抱きしめられる。
なんだこれ、幸せすぎるんですけど……夢かな?
ひとしきり抱きしめてからそっと離れて、カイル様は私の顔をじっと見つめてくる。
両想いになっても、やっぱり見つめられると恥ずかしくて赤面してしまう。
それを見て、くすりと笑ったカイル様。
またお顔が近づいてきてキスをされた。
むふぅっ!! 胸のトキメキが止まらないのだけれど! 何なのこれ! 心臓が壊れるわ!
そして、軽いキスがいつの間にかディープなものに………。
「んっ……」
カイル様がリードしてくれて、息継ぎも大丈夫だし、キスだけなのに何だか気持ちよくなってきちゃった……。
それに、何だかカイル様の筋肉を触りたくてうずうずしてきたわ。
腰に回してる手を、こっそりと大胸筋の方に移動……。
「ソフィア、ここでは……駄目だ」
さり気なく手を大胸筋に移動させたら、カイル様はキスをやめて、私の手を掴んだ。
えー、触るだけなのに駄目なのかしら? ちょっと上目遣いで見ながら聞いてみる。
「カイル様の筋肉を触りたいだけなんです……駄目ですか?」
「筋肉? ……あぁそうか……ちょっと移動するか」
「え?」
「ガゼボへ行こうか。ゆっくりと思う存分触りたいだろ? そこなら座れるしな」
ゆっくり思う存分ですって!! カイル様の筋肉を思う存分触れるの?!?! まじで?!
やっ、やばいわ
落ち着きなさいソフィア。
恋人と触れ合うだけよ……そう、恋人……きゃー! そうよね!! カイル様と恋人になったのよね! わーいわーい!
「ソフィア?」
はっ! いけない!思考が行方不明に。(迷子)
「はい! 行きましょうカイル様!! って、ガゼボはどこかしら?」
「ノア王子が庭園の真ん中に1つと、薔薇園の方に1つ、後は池の畔にあると言ってたな。どこにする?」
「3つもあるんですね? 凄い……。薔薇も見たいのですが、池の畔の方が涼しそうですね。今日は少し暑いのでそちらがいいです!」
「わかった。ではあちらだな」
何故わかるのかしら? と思ったら、小さくて可愛らしい、一見、道標に見えない道標があった。
凄いなぁ、やっぱりエドガー王子の護衛をしているから、こういうのもしっかり見てるのね。
と、感心しつつ池の畔にあるガゼボを目指して歩く。その間も甘々な空気で、恥ずかしいやら嬉しいやらで、あっという間にガゼボにたどり着いた。
そのガゼボは、柱と屋根と座る場所があるだけの簡単なものではなくて壁もあった。
と言っても壁は全部ではなく、足元から椅子の背もたれまでだ。なので景色はちゃんと見れる。
多分池の畔だから、水が入らないようにしているのかしら?? それとも、他に理由があるのかしら??
まぁいいわ、とりあえずカイル様の筋肉を思う存分堪能できるわ! わーいわーい♪
「ソフィア」
隣に並んで座ったら、カイル様がポンポンと膝を叩いて私を呼んだ……おや? デジャヴュだわ。
でも、あの時とは違うわ! ノア様と違ってカイル様は恋人だもの!!
ささっとカイル様の横に移動して、お膝へ座る。
わぁ! カイル様の太ももの筋肉も硬〜い!
椅子のように、正面を向いて座ったら横向きに修正された。
あっそうか、こっちを向かないと大胸筋を触りにくいわよね……と思っていたら、大胸筋を触る前にまたキスをされた。
カイル様ってキス魔かしら?
仕方がないので、キスをされながらカイル様の大胸筋をナデナデ……硬さの中にも弾力が……はぁ♡ やっぱりいい筋肉……。
筋肉を堪能していたら、ディープなキスがよりディープになってきた……えっとカイル様、あんまり濃厚にされると大胸筋を堪能するどころではなくな……あら? 腰に当てていたカイル様の手が、私のお尻を揉んでいる……。
「んっ……んんうんん?」(※カイル様?)
言葉にならないけれど呼んでみる。
気づいたカイル様が唇を離してくれた。
「ぷはっ、……カイル様、あまり激しくされると筋肉を堪能できないのですが。あと、お尻も触ってますし……」
「すまない、ソフィアが可愛くてつい……」
もーっ! 照れながら言うのズルい!! 胸キュンしちゃうじゃないの!! でもそれとこれは別よ! 筋肉を堪能できないのは駄目!
「もう! 今からキスと身体を触るのは禁止ですよ! 私がカイル様の筋肉を堪能してからでないと駄目です!」
「そうか、わかった。ソフィアが筋肉を堪能した後ならいいんだな?」
えぇぇ? カイル様までそんな事を?? まぁいいわ、とりあえずカイル様の筋肉を堪能するのよ!!
――――――――――――――
そして、カイル様の筋肉を堪能し終わって、大満足でホクホクしていたら、そのままカイルさまに押し倒されてしまった……。
カイル様ってば、外なのにあんなことやこんなことまでして、恥ずかしすぎて余計に感……げふんげふん、まぁ、それはそれ。
ほんと、壁があって良かったわ。
そして、とりあえず途中でやめてくれたけれど……。
「……カイル様……その、外ではもうやめてくださいね」
「すまない、ソフィアがあんなに触るから抑えられなかった…………部屋へ戻るか?」
「えっ? もう戻るのですか?」
まだ庭園へ来て、ガゼボへ移動しただけなのだけれど? 早くないかしら? と不思議に思ったら……
「外では嫌なんだろ?」
カイル様が耳元で囁いた。
きゃーっ! そういうことだったのね?! やだ気づかなかったわって、カイル様のエッチ!!
いや、でも私も、もっとイチャイチャしたいけれど……でもまだ恥ずかしいわ…。
「あっ、えっと、ええと」
「嫌か?」
「嫌なわけ無いです!」
赤面しながらあわあわしていたら、カイル様が例の低音ボイスで聞いてきたので、反射的に答えてしまった。
「じゃあ行こう」
コクンと頷いて、カイル様の客室へ移動。
うわぁ、カイル様とイチャイチャできる喜びと、エッチな事には慣れていないから緊張してるのと、まだ現実味がなくてちょっと不安な気持ちが、ゴチャゴチャしててわけわかめだわ。
そして部屋に入った瞬間、カイル様にお姫様抱っこをされて寝室へ、そのままベッドへ優しく降ろされてキスの嵐。
そしてその後、カイル様に色々気持ち良くされて、恥ずかしいけれど幸せで、気が付いたらすごく喘いでいたわ……。
……うう、やっぱりまだ恥ずかしいよぉ!!
まだ婚約者ではないからと、最後まではしていないし、今回は気絶はしなかったけれど、疲れてぐったりしていたら、カイル様がぎゅぅっと抱きしめてくれた。
「すまない、やりすぎたか?」
「い、いえ……大丈夫です」
その時に、大丈夫と言ってしまったせいなのか、それからもずっとカイル様は私を離してくれず、結局その日は夕食の時間までイチャイチャというかエッチな行為というか……幸せ&気持ち良すぎておかしくなりそうだったわ……。
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