第7話 △エドガー・ウィルソン

※ちょっと下品な表現があります。そしてエドガー王子視点のお話です。


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 私はこの国の第1王子でエドガー・ウィルソン、今年で18歳だ。

 金髪・碧眼で186cm、それなりの筋肉で眉目秀麗、“優しいが厳しい所はしっかり厳しい非の打ち所がない王子様”と言われている。


 私は、物心が付いたときから“王子”だった。

 周りには期待され、頑張って勉強をして自身も完璧な王子であろうとした。


 しかし、頑張りすぎたのが悪かったのか、10歳の時に原因不明の高熱で3日ほど寝込み、生死の境を彷徨った。


 そして、膨大な記憶の波に襲われはエドガーの記憶に混ざり込み蘇った。


 名前は忘れてしまったが、俺は日本で生まれ育った平凡なサラリーマンだった。


 好きなことはネットゲームと釣り。

 若い頃はそれなりにヤンチャをして遊び、サラリーマンになってからは落ち着いた。


 結婚はできなかったけれど友人には恵まれ、それなりに楽しく幸せに過ごしていたが、ある日事故で死んでしまった。


 ……それが……記憶が蘇ったら王子てw


 大爆笑だわ。俺が王子様かよ! まじかよ! しかも10歳って微妙なお年頃。

 酒も飲めないし、まだあれやこれやエロいこともできないお子様。


 しかもこの世界、俺の好みの豊満なスタイルの娘が少ない……というか前世みたいに前に出てこないから物足りないというか……はぁ。


 王子の記憶と俺の記憶が混じって、何故かはわからんが、俺の自我の方が勝ってしまったようだけど、一応王子にはなれるから(切り替えれば素でれる)突然の事だっだけど周りには気付かれなかった。


 王子の自我がなくなったわけではなく俺と同化したようで、表面上はうまいこと切り替えができる。中身はおっさんだが……。


 まぁ、とにかくこの王子、真面目で勉強好きで優しくて、本当に非の打ち所がない。

 中身もすんげー天使。記憶が蘇った当初は、俺なんかが入ってしまって申し訳ない気分だった。


 でも王子として8年も過ごすと、自分を“私”という言い方にも違和感が無くなってきて、俺自身がちゃんとエドガーになってきた。


 ただ、やっぱり中身は俺なので、女の好みは変わらない……この世界は、華奢で可愛くて大人しい子がモテるせいか、俺の周りに来る女の子達はそんなのばっかり。


 もっと胸と尻がでかくて、キツめの顔立ちのエロい子がいい! でっかくて柔柔やわやわなおっぱいを揉みまくって、ぷりんっとした尻を撫で回して、思う存分やりたい!


 ……見た目は誠実そうなのに、中身はこんなんでごめんなさい!


 ……そして自分で慰めるのは物足りなくなってきた15歳の頃、(突然何って? ナニの話だよ)周りの騎士達にどうしてるのか聞いてみたら、婚約者や彼女が居ない奴らは、そーゆうお店で抜いてるらしい。


 何だよそれ羨ましすぎだろ! 何故、王子おれは行っちゃ駄目なのか! 王子おれも男! どーすんの性欲これ

 相手を見つけても結婚するまで手を出すなとか、なんなんだこの世界は! 王子おれに厳しすぎだろ。


 でも婚約できたら、本番手前まではオッケーらしい(性教育の先生が言ってた)。

 しかし本番は結婚してから。15歳になっても婚約者ができず、どうしても我慢ができなかったら、そっち系の超上級店のを城に呼んでくれるそうだ。

 呼んでもらおうかなぁ、しかし、華奢で可愛い娘が来たら……。

 まぁ、やることはやれるだろうけど、燃えないなぁ。

 まぁ抜くだけって考えたらそれでも有りかなぁ? この身体がどれくらいのものか試したいのもあるし……。

 モノは立派で、身体はそれなりに鍛えてるし、前世よりは色々できそうではあるんだが、5年のブランクはきついよなぁ……。


 と、悩み悩んでいたけれど、結局次の日にやらせていただきました! 御馳走でした! 胸がでかい子で! と指名したから、それなりにでかい娘が来て満足。

 本気で悦ばせることができました! ありがと〜この身体、ありがと〜エドガー王子! 顔が良いからなのか、やり初めからうっとりしてたし、すげー感度が良かったなぁ、あの娘。


 その後も、違う娘に何回かお世話になったけど、最初のあの娘は気持ち良かったなぁ……いかん、思い出したらムラムラしてきた。

 あー、思う存分やりてぇー。


 と、エロいことを思い出してたら側近に言われた。

 早く婚約者を決めろと。

 わかってるんだけどさ〜このお年頃、いつの間にか思考がエロに脱線しちゃうんだよ。


 そして『好みの娘が居ないのだ』って言ったら国中の婚約者が居ない女の子集めて、お茶会ならぬお見合いするって、王子すげーな! って俺だけどw



――――――お茶会――――――



 そして始まったお茶会1日目、思った通り華奢で可愛らしくておっとりした子ばっかり! そーいやーこの世界、ドロドロした女の戦いとかも無いから、お茶会もスッキリでさっぱりだった。前世で読んだ小説とはえらい違いだ。

 令嬢達も自然にお互い仲良く話している。


 ……しかし、エロい娘が居ないなぁ! ってエロくなくてもいいのだよ!! 乳がでかくてスタイルの良い娘は居ないのか?!?!


 2日目、それなりに胸のでかい娘が居たけど自分に自信なさすぎなのかイマイチ……目があってもオドオドしてる。

 気の強そうな巨乳とか巨乳とか巨乳は居ないのかなぁ。……もう明日で最後か……。


 3日目、2日とも全然だったからやる気が出なくて遅刻しかけた、やっべ!

 でもギリギリに来た子がいたから大丈夫だった。

 『少し待たせてしまったようで申し訳ない。皆、今日は来てくれてありがとう』とか、なんか適当に王子っぽい挨拶を済ませて周りを見渡したら……見つけたのだよ好みの娘を!


 お茶会の前に、訓練場見学したいって令嬢が居るって連絡受けて、珍しい令嬢も居るもんだなぁと思って許可を出したら、まさかの! その娘が理想そのものだった。


 キツめの超美人で、服で隠しきれないスタイルの良さ! 勿論胸がでかいということに加えて、ウエストほっそ! それに、大きすぎず小さすぎずの綺麗な尻! 嬉しさのあまり思わず笑顔で見たら、赤面して恥ずかしそうに目をそらす可愛さ!!


 自己紹介は短くてびっくりしたが、その後の質問にはなかなか的を得た答えを返してきたし、笑いかけるたびに赤面してる。


 こりゃー俺のこと好きだな! 神様ありがとー! ソフィアをこの世界に産み落としてくれてありがとー!!!


 と、浮かれていた俺が、俺のこと好きだよね?と張り切って聞いてみたら、まさかのまさか、「ええと……顔は好きです」からの「え、ええと……殿下に嘘はつきたくないので正直に申しますと……とても言いにくいのですが……私は騎士団長達のようなゴツイ体躯きんにくの方が好みなのです。なので殿下の顔は好きなのですが……」と身体に視線を向けられて言われる始末。

 さらには、「ええと……好みの顔ですが、性格など内面は知りませんし……いちばん重要なきんにくが足りないので、顔は好きでも好意? と呼べるのかは……」……ちょっと泣いてもいいですか? 騎士団長のカイルがうまいこと時間を取ってくれたけど、あのままだと、まじ泣きそうだった。


 まじかー、ゴリゴリのマッチョ好きなの? えっ? 細マッチョじゃ駄目なの??

 なに? 『騎士団長達のような』って、ボディビルの優勝狙わないといけない感じのゴリゴリだよ? 全盛期のシュ〇ちゃん並だよ? てか最早ゴリラだよ??


 と、現実逃避してたら側近達に怒られた。


「何故、突然ソフィア様に婚約者になってくれとおっしゃったのですか?? アメリア様が1番の候補なので、気に入った人ができても、まず相談してくださいと言いましたよね??」


「いや、その……ソフィア嬢は好意を持ってくれていると確信し……」


「断られているではありませんか!!」


 被せてきたよ。そいやー怒られたのって初めてだな。


「予想外だった……どうすればいいのだろうか」


 ちょっと本気でへこんでたので、傷ついた様子で聞いてみたら、側近達は可哀想な子を見るような目で色々相談に乗ってくれた。


 アメリアはどうしても無理で、ソフィアじゃないと嫌だと駄々をこねたら、側近達も折れたのか色々提案してくれた。

 とりあえず、明日からゴリマッチョじゃなくても何とか惚れてもらうしかない! 俺の理想100%そのまま出てきた女の子!! 諦めてなるものか!!!

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