第十二話、或いは目覚め
地が震えるのを聞いて、それは目を覚ました。見上げると、己を閉じ込めていた石牢が破られていた。星の匂いがする。
それは立ち上がると、立ち裂かれた石の壁に爪を立てて這い上がった。
大いなる影の帰還。
餓えた影は、そこにまだ漂っていた星の燐光を吸い上げた。そのわずかな糧では、飢えをより敏感に感じさせるだけ。舌なめずりを一つすると、それは大地に溶けていった。それは大地の胎から生まれたのだ。飢えた影は流星を追う。
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