第7話
暗くなってから帰宅して、蛍光灯を点ける。
惰眠をむさぼっていたイケメン納豆は、欠伸をかみころして起き上がった。
「畑野さん、お帰りなさい」
「夕飯、何にする?」
「納豆」
「共食いか」
「畑野さんの納豆、美味しいから」
ゲテモノだと思っていた納豆の食べ方を、イケメン納豆は肯定してくれた。
それだけのことなのに、調理したい気になる。
納豆にスライスチーズ、マヨネーズ、片栗粉を混ぜ、オリーブオイルを引いたフライパンで焼く。両面に熱が通って表面がカリカリになったら、乾燥パセリと納豆のたれ、からしをかける。
白ご飯は要らない。私の「焼き納豆」だ。
イケメン納豆は、大変美味しそうに食べてくれた。共食いか。
焼き納豆の後は、動画を見ながらエクササイズ。
イケメン納豆、顔は良いのに、とんだ運動音痴だった。
15分間のエクササイズ動画の、冒頭3分で動けなくなってしまった。
それでも、納豆は笑いながらハンドクラップのような動きを始め、動画と同じ動きに戻った。それを見ていた私も、なぜかおかしくなって笑ってしまった。
運動不足解消のために行っていたエクササイズが、初めて楽しいと思えた。
笑いまくって疲れた夜。すっきりした気持ちでSNSに書き込みをした。
公募の選考を通過した作者さんに、「おめでとう」の5文字を。その途中で、蛍光灯を点けたまま寝落ちしてしまった。
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